ヨットレースは、アメリカズカップのようなワンデザインレース(同じ設計やレギュレーションのヨットで競う)とハンディキャップレース(いろいろな種類のクルーザーが参加して競う)があります。ワンデザインレースは、車のレースで言えば、F1、F2というような感じです。ハンディキャップレースはゴルフのコンペのような感じで、老若男女関わらず参加できる代わりにハンディキャップが付いていて、実際のスコアに対してハンディの修正値を加味して最終的な順位を決めるものです。ヨットの世界でも船の性能を評価しハンディキャップを決めています。これをレーティングと言います。

タモリカップはハンディキャップ・オープンレースですが、その中で細かくクラスカテゴリーを分けています。今回はタモリカップの中でも最大規模の横浜大会のクラスカテゴリー分けを見てみたいと思います。

タモリカップのクラス分けは16クラス

タモリカップ横浜大会の参加艇数はおよそ180艇ですが、「イグアナAクラスからFクラス」と「いいともAクラスからKクラス」の合計16クラスに分けられています。このクラス分けによってスタート時間も異なります。スタート時間が異なる理由はレースエリアが狭いので混乱を避けるためです。…と言いながら毎年かなりスタート段階から混乱しているんですが… 。スタート順は、ガチにレースをするクラスは早くスタートさせ、遅い船のクラスは後ろからのんびり来てもらおうというようになっています。
因みに富山大会はおよそ60艇の参加で7クラスでした。

イグアナAクラス「大会主旨を確実に理解してないと思われる船」
イグアナBクラス「大会主旨を理解しているか不明な船」
イグアナCクラス「ぶっちぎりそうな船」
イグアナDクラス「一目おかれている船」
イグアナEクラス「すごく速そうな船(Y-26Ⅱ)」

いいともAクラス「相当速そうな船」
いいともBクラス「かなり速そうな船」
いいともCクラス「速そうな船」
いいともDクラス「わりと速そうな船」
いいともEクラス「元気のいい船(Y-25ML)」
いいともFクラス「元気のいい船(Y-25ML)」

いいともGクラス「そこそこ速そうな船」
いいともHクラス「ちょっとだけ速そうな船」
いいともIクラス「大会主旨通りに走れる船」
いいともJクラス「大会主旨を相当理解している船」
いいともKクラス「大会主旨を正しく理解している船」

※上記の色分けはスタートグループで、参加艇はリボンでスタートグループが決められています。

「イグアナ」と「いいとも」の違い

タモリカップはセーリングクルーザーレースですが、クラス分けで一番大きな違いがあるのが、この「イグアナ」と「いいとも」のカテゴリーの違いです。

ヨットレース界の猛者揃いの「イグアナ」

「イグアナ」は簡単に言うとレース艇クラスです。レース用のセイル(帆)や艤装がされていて、いかにも速そうな感じが見て取れます。また、クルーの練習量もかなりのもので、レースチームとして様々なヨットレースに参加して活躍している猛者揃いがイグアナクラスに入る面々です。
※イグアナEクラスはY-26Ⅱというヨットのワンデザインクラス(”YAMAHA 26Ⅱ”だけのクラス)です。イグアナクラスはヨットにグリーンのリボンが付けられ、識別できるようになっています。

普段はのんびりクルーズの「いいとも」

「いいとも」クラスはクルージング艇クラスです。しかし、このクルージング艇の中にもレーサークルザーとしてデザインされている船もあります。そこで船によってレーティングさており、そのレーティング値の高いものから低いものに順に並べてグルーピングしたのがクラスになっています。

タモリカップの大会趣旨とは?

クラス分けのクラス名の後に書かれている中に「大会趣旨・・・」と書かれているクラスがあります。この大会趣旨ですが、実はこれを明文化したものは見当たらないのですが、横浜大会2018のパンフレットにこんなことが書かれています。


「タモリ会長のワンポイントアドバイス」として、書かれている内容は以下の通りです。

「今大会はヨットレースとしては日本最大規模の参加艇数がエントリーしています。そこで、参加する皆さんに一言申し上げます。このレースは、日本一楽しいヨットレース、あのタモリカップであることをお忘れなく! たとえ優勝してもそれほどエラいもんじゃありません。間違って優勝などしようものなら、みんなから、たぶん笑われます。勝負の中にも”譲り合いの精神”と”助け合い”そして”笑顔”を忘れずに安全第一でレースを楽しんでください。」(引用:タモリカップ横浜大会2018パンフレット)
つまり、タモリカップは「日本一楽しいヨットレース」であることが主旨であり、レースを楽しもうということを言っています。
また、レース公示の参加資格の部分には「クレームを言わない人。」という項目があります。クレームを言う人も聞く人も楽しくありません。タモリカップは、とにかく楽しむことをメインに勝負事は二の次でやりましょうということなのです。

タモリカップ・クラスカテゴリーの何が凄いのか

およそ180艇の参加で16クラスという事は、クラス優勝が16チームあるという事です。1クラス10艇程度の中で優勝の可能性があるのですから、やる気も出ますし、今年ダメでも来年こそは!と頑張ろうと思いますよね。そして、タモリさんのいるステージ上に呼ばれてトロフィーと記念品、そして何よりもタモリさんとの記念撮影ができるわけですから、こんな凄いことはなかなかありません。

ほとんどの人たちがタモリさんに会いたくてこのヨットレースに参加しているわけですから・・・。

(日本一楽しいヨットレース「タモリカップ」の特徴、更に次回へつづく)

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