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	<title>キール | ヨットを楽しむ ～MALU SAILING～</title>
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	<description>ヨットを楽しむための情報ブログ</description>
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	<title>キール | ヨットを楽しむ ～MALU SAILING～</title>
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		<title>ヘッドセイルでヨットを走らせる《続編》</title>
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		<dc:creator><![CDATA[malusailing]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 18 Aug 2021 06:55:03 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ヨットのテクニック]]></category>
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					<description><![CDATA[数日前に「ヘッドセイルでヨットを走らせる」を書きましたが、今回はその続編です。 前回は「条件付きでヘッドセイルだけでも上り帆走ができる」という話までをしましたが、実はヘッドセイルだけでも帆走が可能だということは、ヨットに [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>数日前に「ヘッドセイルでヨットを走らせる」を書きましたが、今回はその続編です。<br />
前回は「条件付きでヘッドセイルだけでも上り帆走ができる」という話までをしましたが、実はヘッドセイルだけでも帆走が可能だということは、ヨットに詳しい方なら全く不思議なことではないと思います。例えば、１枚帆のキャットリグや漁船としてセイルボートが発達する理由となった１枚帆のガフリグなど、ボートの前側にマストを立てて１枚帆で走るセイルボートは昔から沢山あるからです。<br />
[br num=&#8221;1&#8243;]<br />
<img fetchpriority="high" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-7029" src="https://malu-sailing.com/wp-content/uploads/2021/08/HEADSAILSAILING-300.jpg" alt=" HEADSAILSAILING" width="300" height="300" srcset="https://malu-sailing.com/wp-content/uploads/2021/08/HEADSAILSAILING-300.jpg 300w, https://malu-sailing.com/wp-content/uploads/2021/08/HEADSAILSAILING-300-150x150.jpg 150w, https://malu-sailing.com/wp-content/uploads/2021/08/HEADSAILSAILING-300-200x200.jpg 200w, https://malu-sailing.com/wp-content/uploads/2021/08/HEADSAILSAILING-300-100x100.jpg 100w" sizes="(max-width: 300px) 100vw, 300px" /><br />
しかし、２枚帆のスループになってからは、メインセイルだけを上げるということは割と頻繁にあっても、ヘッドセイル（ジブ）だけを上げて走るということは殆どしません。それは何故かと言うと、前回も説明したように、スループという形のヨットは２枚帆で最高の走りが出来るようにデザインされている船だからです。これを言い換えればスループは１枚帆ではあまり良い走りができない、だから誰もやろうとはしないというわけです。<br />
しかし、セーリングしている中でいろんな状況の変化があります。臨機応変にヨットを走らせようとするとき、帆走方法のバリエーションの1つとしてヘッドセイルだけを出して走らせるというチョイスがあっても決して悪いことはない筈です。<br />
[br num=&#8221;1&#8243;]<br />
そこで今回は、続編として上り帆走をヘッドセイルだけで走る条件についての解説やヘッドセイルの使い方によってこんなこともできると言うようなお話もしてみたいと思います。<br />
今回は、ちょっとヨット理論みたいな話が中心になりますが、できるだけ解り易く解説してみます。</p>
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</div>

<h2><span id="toc1">ヘッドセイルで上り帆走する条件</span></h2>
<p>前回、ヘッドセイルで上り帆走する時には、条件があると書きました。その条件をおさらいすると以下の通りです。<br />
1. ヘッドセイルのフットの長さが全長の半分以上あること。<br />
2. キールがレーシングキールのような細長いものでなく、クルージングキールであること。（ロングキールは尚良い）<br />
3. フラクショナルリグよりマストヘッドリグの方が向いている（最新艇のフラクショナルリグでは難しい）<br />
4. バックステーがあること（バックステーの無い一部のヨットでは絶対にやってはダメ）<br />
[br num=&#8221;1&#8243;]<br />
ここでは、この４つの条件について先ずは解説してゆきたいと思います。</p>
<h3><span id="toc2">1. ヘッドセイルのサイズ</span></h3>
<p>ヘッドセイルの大きさについてですが、これはヘッドセイルだけで上り帆走しようという話ですから、セイルは大きいに越したことはないということはご理解頂けると思います。つまり、ヘッドセイルのフットの長さが船の全長の半分以上は欲しいということです。船の全長の半分以上ということは、ヘッドセイルの中でもジェノアと一般的に呼ばれるヘッドセイルを備えている必要があります。<br />
このジェノアはセイルの大きさを表現するときにパーセンテージ(%)で表現しますが、概ね120%以上のものだと船の全長の半分以上になるかと思います。100%で半分じゃないって感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、スループタイプのヨットのマストは船の全長に対して少し前寄りに立っています。ジェノアというヘッドセイルは、このマストより後ろ、つまりメインセイルに重なり合うエリアが生じるヘッドセイルを指す言葉ですので、100%を超えたものである必要があります。また、このパーセンテージの計測方法はセイルのフット（下側の辺の長さ）では無く、フォアステーから直角にマスト側に向けてセイルのクルーまでを測った長さに対して指しているので、実際に全長の半分近くまでをカバーするためには概ね120%以上のサイズが無いと全長の半分は超えないわけです。<br />
ジェノアの詳しい説明は以前の記事にも書いていますので、そちらをご参照ください。<br />

<a href="https://malu-sailing.com/archives/5132" title="ヨット用語に戸惑う　～ヘッドセイル編～" class="blogcard-wrap internal-blogcard-wrap a-wrap cf"><div class="blogcard internal-blogcard ib-left cf"><div class="blogcard-label internal-blogcard-label"><span class="fa"></span></div><figure class="blogcard-thumbnail internal-blogcard-thumbnail"><img decoding="async" width="200" height="140" src="https://malu-sailing.com/wp-content/uploads/2020/05/MALU_SAILING200.jpg" class="blogcard-thumb-image internal-blogcard-thumb-image wp-post-image" alt="" /></figure><div class="blogcard-content internal-blogcard-content"><div class="blogcard-title internal-blogcard-title">ヨット用語に戸惑う　～ヘッドセイル編～</div><div class="blogcard-snippet internal-blogcard-snippet">現代ヨットの基本形は、1本マスト、（マストの前後に各1枚の）2枚セイルという形のスループ型です。何故スループなのかと言うと、この形がセーリングするのに最も効率が良いからです。今や、最新の技術では必ずしもスループが最も効率が良いとは言えなくな...</div></div><div class="blogcard-footer internal-blogcard-footer cf"><div class="blogcard-site internal-blogcard-site"><div class="blogcard-favicon internal-blogcard-favicon"><img decoding="async" src="https://www.google.com/s2/favicons?domain=https://malu-sailing.com" alt="" class="blogcard-favicon-image internal-blogcard-favicon-image" width="16" height="16" /></div><div class="blogcard-domain internal-blogcard-domain">malu-sailing.com</div></div><div class="blogcard-date internal-blogcard-date"><div class="blogcard-post-date internal-blogcard-post-date">2020.05.02</div></div></div></div></a><br />
<span style="font-size: small;">尚、セイルメーカーによっては、100%以下のヘッドセイルでもジェノアと呼んでいるところもありますので、ここでは100%を超えるものという意味で読んでください。</span></p>
<h4><span id="toc3">何故ジェノアが必要なのか</span></h4>
<p>帆走理論を説明しようとすると、どの教本もいきなりワケが解らなくなるような解説になるのですが、ここではできるだけ難しい表現を抜きに簡易に説明するように努力しますが、大雑把な話として読んでください。<br />
通常ヨットが上り帆走できるのは斜め前側からの風の力をセイルが受けて、セイルカーブの内側と外側における空気の流れるスピードの違いで飛行機の翼のように揚力を生み出すことから、この力を利用して船を前向き走らせる推進力に変換するからです。この時にセイルが作り出した斜め前方に向けての揚力を前向きの推進力に変換するためには水中にあるキールが風によって横滑りしようとするのを防ぎ、しっかりと水中で踏ん張ってくれるからこそ前向きの力に効率よく変換されるわけですが、セイルの大きさが小さくてキールよりも前側にしかないと、船が横滑りしようとする力が、バウだけが外側に出ようとする力になってしまうことからキールが効かなくなってしまうのです。もっと簡単に言うと前寄りだけにしかないヘッドセイルではキールが効かずにバウが外側に押し出されて船が回ってしまうのです。ですからキールを効かせるためには、バウ側だけでなく船が全体的に横滑り（実際には斜めに滑る）するようにするためには、おおよそ120%以上のジェノアが必要になるというわけです。</p>
<h3><span id="toc4">2. キールのタイプ</span></h3>
<p>キールについては先に書いているように、セイルで受けた風をヨットが前向きの推進力に変換しようとするときにはキールが水中で横滑りしないようにしっかり踏ん張る必要があります。<br />
つまり、横滑り防止の機能が働いてこそ推進力が生まれるわけです。ヘッドセイルは船の舳先から前半分のエリアで風を受ける機能のセイルですから、キールも前寄りにあればヘッドセイルの受けた力をうまく推進力に変換できます。しかし、残念ながらスループタイプのヨットは２枚のセイルを上げた状態で最大のパフォーマンスが出るように設計されているわけですから、キールは基本的にはセイルエリア全体の中心にあります。<br />

<a href="https://malu-sailing.com/archives/4330" title="ヨット用語に戸惑う　～キールとヒール～" class="blogcard-wrap internal-blogcard-wrap a-wrap cf"><div class="blogcard internal-blogcard ib-left cf"><div class="blogcard-label internal-blogcard-label"><span class="fa"></span></div><figure class="blogcard-thumbnail internal-blogcard-thumbnail"><img decoding="async" width="250" height="175" src="https://malu-sailing.com/wp-content/uploads/2020/04/race-heel-keel-250.jpg" class="blogcard-thumb-image internal-blogcard-thumb-image wp-post-image" alt="" /></figure><div class="blogcard-content internal-blogcard-content"><div class="blogcard-title internal-blogcard-title">ヨット用語に戸惑う　～キールとヒール～</div><div class="blogcard-snippet internal-blogcard-snippet">先日、とあるYouTube動画を見ていたところ、ヨットに関するコンテンツをやっている動画を見つけました。日本の人がヨット関連動画をやっているのは珍しかったので幾つか既にアップされている動画を一気見してしまいました。その中で「キール」と「ヒー...</div></div><div class="blogcard-footer internal-blogcard-footer cf"><div class="blogcard-site internal-blogcard-site"><div class="blogcard-favicon internal-blogcard-favicon"><img decoding="async" src="https://www.google.com/s2/favicons?domain=https://malu-sailing.com" alt="" class="blogcard-favicon-image internal-blogcard-favicon-image" width="16" height="16" /></div><div class="blogcard-domain internal-blogcard-domain">malu-sailing.com</div></div><div class="blogcard-date internal-blogcard-date"><div class="blogcard-post-date internal-blogcard-post-date">2020.04.02</div></div></div></div></a><br />
[br num=&#8221;1&#8243;]<br />
つまり、ヘッドセイルだけで走ろうとする時には、ヘッドセイルの中心あたりの真下にキールがあればベストだということですが、そこはスループタイプのヨットですから、そういうわけにはゆきません。では、どんなキールタイプのヨットが向いているのかと言えば、最も向いているのはロングキールタイプです。あとは想像できると思いますが、キールの前後長が長いほど適していると言えます。しかし、最近のヨットは低速時における旋回性能を良くするためにキールが細く（前後に短く）なる傾向にあり、更に横滑りを抑えるのは今やキールの仕事と言うよりもハルの船底の形（丸い船底から角張ったデザイン）なども影響しています。しかし、ハルの船底の形によるキール効果は、セイルが風を受けヒールすることで実現されます。更に船体の前寄りには横滑りを防止するデザインよりもプレーニング性能を上げたデザインが取り入れられる傾向にあるので、ますますヘッドセイルだけでは上り帆走できないデザインになってきています。</p>
<h3><span id="toc5">3. リグのデザイン</span></h3>
<p>フラクショナルリグよりマストヘッドリグの方が向いているという意味は、ここまで読み進むと何となくイメージできると思います。フラクショナルリグとマストヘッドリグの違いは、ヘッドセイルとメインセイルの比率とマストの位置です。フラクショナルリグはヘッドセイルが小さくメインセイルが非常に大きいためにマストは前寄りにあります。それに比べてマストヘッドリグは、メインセイルとヘッドセイルの大きさはメインセイルが若干大きい程度であまり違いがありません。(ヘッドセイルが100%と仮定して）また、マストの位置はほぼ船体の中央近く（若干前寄り）にあります。<br />
マストが前寄りにあればあるほどヘッドセイルは小さくなり、幾らジェノアを付けていても全長の半分以上を占めるセイルにはならないということです。それに比べて、マストヘッドリグのヨットは、元々のヘッドセイルが大きいので、ジェノアならば十分に船の半分以上のサイズのセイルになるということです。<br />
そもそも、何故フラクショナルリグが発明されたのかと言うと、フラクショナルリグでのヘッドセイルの役割は主にメインセイルに理想的な風を流すことで、言い換えれば整流板がヘッドセイルだということです。ですから、セイル自体で力を生み出すことよりも風を綺麗にメインセイルに流すことでより効率的に大きな力をメインセイルで生み出そうというデザインコンセプトなわけですから、そういうコンセプトのヨットではヘッドセイルで上り帆走するのが難しいのは、これまでの内容を見て頂ければ明らかなわけです。<br />
https://malu-sailing.com/archives/2123</p>
<h3><span id="toc6">4. バックステー</span></h3>
<p>バックステーの無いヨットなんて見たことないと仰る方もいらっしゃるかもしれません。しかし、バックステーの無いヨットはかつて90年代に少しだけ存在したそうです。なのでバックステーの無いヨットではヘッドセイルだけでの上り帆走は絶対にダメです！<br />
そもそもバックステーとは何かということになりますが、バックステーはマストを立てるために後ろ側からマストを引っ張っているリギンのことを言います。前側はヘッドセイルの付いているフォアステーに対して、後ろ側に出ているのがバックステーです。バックステーが無いとマストが倒れてしまいそうですが、サイドステーがマストの横では無く斜め後ろに引き出されてマストを立たせているわけです。一般的なヨットはマストを前後左右で引っ張っており、船のサイズが大きいとサイドにあるシュラウドは２本ないし３本と数が増えて行きます。では、バックステーの無いヨットは後ろ方向にマストを引っ張る力はどうやって生み出すのかというと、メインセイルを上げることで後ろ方向に引っ張っているのです。<br />
つまり、こういうタイプのヨットは、セーリングする時にはメインセイルを先ず必ず上げる必要があるわけです。</p>
<p>このバックステーの無いタイプの生まれた背景には、メインセイルは帆走時には必ず上げるのだから合理的に考えればバックステーは不要だという発想から生まれたものです。（いわゆるコストダウンです。）しかし、このタイプのヨットは長続きしなかったそうです。その理由は明らかで、デスマストによる事故が多発したからだそうです。何かの理由でヘッドセイルを残してメインだけ下ろすと言うことは充分にあり得るわけです。そんな時に後ろ側からマストを支える力が圧倒的に足らなくなってしまうわけですから、これで強風に煽られたりしたら…。</p>
<h2><span id="toc7">ヘッドセイルだけの上り帆走の特性</span></h2>
<p>これまでのことを読まれたベテランの方なら、ヘッドセイルだけで上り帆走したら、どんな帆走特性が出るかは大体想像がついたのではないでしょうか。答えから先に言えば、通常の２枚帆で上り帆走した場合には、ウエザーヘルム &#8220;weather helm&#8221; が出ます。しかし、ヘッドセイルだけで上り帆走した場合には、全く逆のリーヘルム &#8220;lee helm&#8221; が起きてしまいます。</p>
<h3><span id="toc8">リーヘルムとは</span></h3>
<p>ウエザーヘルムは、上り帆走時にヨットが勝手に風上に切り上がって行こうとする力のことを言いますが、リーヘルムという言葉は聞いたことが無いかもしれません。リーヘルムは、ウエザーヘルムの反対に上り帆走時にヨットが風下側に曲がろうとする力のことです。リーウェイと言って風下に流されていくという表現はよく耳にしますが、ヘッドセイルだけの上り帆走時には、勝手にヨットが風下側に曲がろうとしてゆくので、リーヘルムというわけです。</p>
<h3><span id="toc9">何故リーヘルムは起きるのか</span></h3>
<p>ウエザーヘルムは風上にヨットが真っ直ぐに立とうとする力のことですが、リーヘルムは風下に回って行こうとする力のことです。何故、ヘッドセイルだけの上り帆走でリーヘルム が起きるのでしょうか？<br />
これは、これまでの内容に答えは隠されています。<br />
先ず、セイルが前寄りだけで展開されいるために、船の重心に対して風から受けた力は前寄りに掛かります。<br />
前寄りに力が掛かるということは、船は真横に倒れようと（ヒール）するのではなく、外側に回ろうとしながら斜め後ろに倒れようとする力が掛かります。そうすると水中のキールも斜めに大きく傾こうとすることから自然にキールは前側開きの状態になりキールの開いている向きにヨットは回ろうとしてしまうわけです。つまり、これはキールが外側に曲がろうとするヘルムを作り出しているということです。</p>
<h3><span id="toc10">同じ上り帆走でも当て舵は逆</span></h3>
<p>２枚帆で上り帆走する場合には、ウエザーヘルムを打ち消すために風下方向に当て舵をしながら帆走しますが、ヘッドセイルだけの時には逆の挙動が出るわけすから、リーヘルムを打ち消すために、風上方向に当て舵をしながら帆走します。<br />
風上に向けて当て舵をするときには、気を付けなければならないことがあります。それは上らせ過ぎるとタックが変わってしまうということです。当て舵はちょっとコツを掴む必要があるかもしれません。</p>
<h3><span id="toc11">上り帆走に向いているヨット</span></h3>
<p>ヘッドセイルだけの上り帆走に向いているヨットとはどんなヨットでしょうか？<br />
もう、想像がついているかもしれませんが、答えは古く重た目でクルージング仕様のヨットです。理由は古く重た目のクルージング艇は、ロングキールまたはセミロングと言われるような前後に割と長目のキールを持っているからです。更に、重たいヨットはしっかり吃水線下に船体が沈んでいるので直進性が高いのです。そうするとリーヘルムが出にくいというわけです。そして、古いクルージング艇の殆どはマストヘッドリグです。マストヘッドリグのヨットに大き目のジェノアが付いていれば、もうヘッドセイルだけ上り帆走するために生まれてきたようなものです。<br />
自分のヨットがヘッドセイルだけでの上り帆走に向いているor不向きかどうかは、これまで書いてきた内容で判断して頂ければと思います。また、実際にやってみれば一発で解ります。うまく上り帆走出来なければ、そのヨットは向いていないということです。<br />
尚、２枚セイル（メイン＋ジブ）での上り帆走は、勢いがついていなくても帆走状態に持って行けますが、ヘッドセイルだけの上り帆走はリーヘルムが出る関係で静止状態から帆走状態に持って行くのはちょっと難しいかもしれません。機帆走の状態からエンジンを止めてヘッドセイルだけで走らせる。又はフルセイル状態からメインセイルだけを下ろしてのんびりヘッドセイルだけで帆走するなどの方法でヘッドセイルだけの帆走に切換えるのが良いかと思います。</p>
<h2><span id="toc12">最後に&#8230;「思わぬメリット」</span></h2>
<p>ヘッドセイルだけで走るのは、主に機走時の追風状態で簡単にヘッドセイルを広げて機帆走するのが最も手軽で効果があります。しかし、ヘッドセイルを先に出していることで思わぬメリットがあります。それは、セイル無しの機走よりも安定感が増すことです。ヨットですから、できるだけ海の上に居て走らせる時にはセイルを開いておくべきなのです。そして、港を出るときに追風なら、面倒なメインセイルは後回しにして、簡単に展開できるヘッドセイルを先ず広げてしまえば風の力を利用して港を出て行けるわけです。風に押されているわけですから、小波程度なら切り裂いて走れますから安定したデッキ上でメインセイルを上げる準備も安全に行うことが出来ます。</p>
<p>そして、ひょんなことから更なるメリットを見つけてしまったのです。それは、追風（クォータリー）でヘッドセイルだけの機帆走をしていたら、風向きが上りに回ってしまったのです。ヘッドセイルを引き込んで上り機帆走に転じたわけですが、ここからメインセイルを上げるためには、普段なら風に完全に立てる必要があるかと思いきや、メインを上げる準備でバング、メインシートをフリーにしてみると、普段ならブームが風下側に開こうとするのが殆ど真っ直ぐのままだったのです。試しにメインハリヤードを引いてメインセイルを上げ始めると、普段ならセイルの横から風が入ってバテンがレイジージャックに引っ掛かりうまくセイルを上げられないのですが、この時はヘッドセイルの整流効果が働いてブームの角度が完全に風向きと合っていなくてもメインセイルが上がってくれることがわかったのです。なるほどヘッドセイルには風を整える機能があるということは風向きを調整できるわけですから、メインセイルの風上側の風の流れは実際の風向よりも更に立つわけです。つまりヨットを風上に完全に立てなくても立てているのと同じ効果を得ることができるのでセイルをそのまま上げることが出来たというわけです。</p>
<p>これは強風時にはやめておいた方が賢明ですが、弱風でフルセイルでならなんとかセーリングできそうな風の時には、ヨットを軽く走らせながらセイルを上げることができる。それもメインセイルはシバーすることなく上がるので、何となくスマートですね。メインセイルが上がってしまえば、あとは風をメインセイルに入れてセーリングモードに切り替えてエンジンを止めればいいわけです。</p>
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		<title>ヨット用語に戸惑う　～キールとヒール～</title>
		<link>https://malu-sailing.com/archives/4330</link>
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		<dc:creator><![CDATA[malusailing]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 02 Apr 2020 09:35:36 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ヨット用語]]></category>
		<category><![CDATA[heel]]></category>
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					<description><![CDATA[先日、とあるYouTube動画を見ていたところ、ヨットに関するコンテンツをやっている動画を見つけました。日本の人がヨット関連動画をやっているのは珍しかったので幾つか既にアップされている動画を一気見してしまいました。その中 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>先日、とあるYouTube動画を見ていたところ、ヨットに関するコンテンツをやっている動画を見つけました。日本の人がヨット関連動画をやっているのは珍しかったので幾つか既にアップされている動画を一気見してしまいました。その中で「キール」と「ヒール」の用語の使い方が曖昧なことに気付いてしまいました。自分自身もヨット初心者の頃を思い返してみると「キール」と「ヒール」が曖昧だったなって思い起こしたり&#8230;。ヨットではこういうことが意外に多くあるので、できるだけそういうのを思い出してはこのブログにアップするようにしているのですが、このことは完璧に忘れてました。<br />
他にも似たような例はヨットの世界では多くて、以前にこのブログでご紹介したロープ関係の呼称（「ハリヤード」「シート」）なんかも結構な経験年数の人でも曖昧だったりすることが少なくありません。<br />
まあ、決して完璧である必要はないと思いますし、そして用語が違っていても安全に楽しむことができればそれで良いような気もします。</p>
<p>しかし、気付いてしまった以上、書かないわけにゆかないヨットブロガーの宿命とでも言いますかｗ。</p>
<p>そこで、今回は「キール」と「ヒール」について掘り下げてみたいと思います。</p>

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</div>
<h2><span id="toc1">「キール」と「ヒール」で戸惑う</span></h2>
<p>ヨットの構造やセーリングに詳しい人ならば、この2つの言葉を曖昧に使う事は無いと思います。何故なら、この言葉、全く違う事を指す言葉なのです。<strong>「キール &#8220;keel&#8221;」はヨットの部分を表す言葉</strong>、<strong>「ヒール &#8220;heel&#8221;」はヨットの状態を表す言葉 </strong>だからです。<br />
これを間違える人の多くは、「キール」と言う言葉をどちらの場面でも使用して「ヒール」と言う言葉が間違いだと思っている人が多いように感じます。一般的には「ヒール」は靴の踵（かかと）の部分のことを指す言葉ですから、ヨットと踵に関連を感じられずにおかしく感じてしまうのかもしれません。</p>
<p>因みに、英語のkeelの意味は「竜骨」と英和辞典には書かれていますが、海外の辞書には、&#8221;The keel of a boat is the long, specially shaped piece of wood or steel along the bottom of it.&#8221;（ボートのキールとは 、船底に沿って長く形作られた木または鋼の特別な形をした部品。）とわかり易く書かれています。これを日本人の翻訳者が悩みに悩んで一言で表現できる「竜骨」と表現したようで、これではワケがわからないというのも頷けますね。</p>
<h2><span id="toc2">キールは船の部分名称</span></h2>
<p>ヨット用語は昔の帆船時代から使われている用語が現代にも引き継がれていることから、なかなかイメージし難い部分もあります。船におけるキール　&#8221;keel&#8221;　は船の船底中央部を前から後ろまで貫く部材を指す部分名称です。現代の船は船底が平らな船も多いことからキールが無くなっているのですが、昔の帆船や現代のヨット（セイリングボート）においてはキールはとても重要な役割を果たしていることから現代でも使われているわけです。<br />
<img decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-4335" src="https://malu-sailing.com/wp-content/uploads/2020/04/keel-1.jpg" alt="帆船のキール部分" width="400" height="280" /><br />
上の画像は、昔の帆船における船体構造を示した透視図ですが、この画像の赤く囲まれた部分がキールです。</p>
<p>昔の帆船は造船時にキールを土台として、この上に画像のような構造体を組立て最終的には外板を張って船体を造っていました。これは木造から鉄の構造に変更されても同じで、古い船の船体は全て同じ手法で建造されていました。日本が誇る帆船の日本丸や海王丸も同じです。ですからキールは人や動物の背骨のように体全体を支えているのと同じく、船全体の基礎となる最も重要な部分であり、キールが折れて損傷してしまった船は修理不可能で廃船になるしかありませんでした。</p>
<h3><span id="toc3">ヨットにおけるキールとは</span></h3>
<p>この話をするには、先ずは帆船から現代ヨットまでのキールの変遷を説明する必要があります。<br />
キールは上で説明したように元々は船におけるベースとなる部分の名称でした。しかし、帆船技術の発達によりその姿を変えて行きます。</p>
<h4><span id="toc4">主構造材であるキールの時代</span></h4>
<p>帆船の技術発達で最も大きな変革は、帆走方法の変化です。最初の古代帆船は、櫂（オール）で水をかいて船を走らせる補助動力として追風を利用するところから始まります。しかし、徐々に風の力を効率的に利用できるようになってくると大型化が進み風の影響を大きく受けるようになり人の力だけでは船体を安定させることができなくなります。そこで船底に多くのバラスト（重り用の砂や石）を積むようになります。同時に重りよりも貨物を沢山積むことで安定させるために船底はより平らになって行きます。下の写真を見ていただくと、キールは船体全体の主構造材、建物で言えば基礎のようなものであることがよく解ると思います。</p>
<p><img decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-4338" src="https://malu-sailing.com/wp-content/uploads/2020/04/keel2.jpg" alt="平らな船底" width="400" height="319" /></p>
<h4><span id="toc5">横滑り防止と重りの役割が追加されたキールの時代</span></h4>
<p>帆走技術の革新が起こり後ろからの風だけではなく、徐々に横からの風でも船を走らせることが出来るようになってくると、船が横滑りし始めることからこれを解消するために、平らな船底から海中深くにキールを下げる鋭角な形の船底になってゆきます。横滑り問題が解決できると次に起きるのが、今回のもう一つのキーワードである「ヒール」現象が大きく起きるようになります。横風を利用するという事は強風時に船が横倒しになろうとすることから、バラスト（重り）として積んでいた石や荷物が偏ってしまい船が転覆してしまいます。そこで考え出されたのが船の最も海中深い部分に重りをぶら下げるという「バラストキール」です。これにより横風に強くなることと、横風により倒れ込んだ船体を起こそうとする復元力を利用して船を前に進めることが出来るようになり、現代の帆走技術が生まれるわけです。</p>
<p><img decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-4340" src="https://malu-sailing.com/wp-content/uploads/2020/04/keel3.jpg" alt="バラストキール" width="400" height="302" /><br />
上の写真は、シーボニアマリーナ<span style="font-size: small;">（神奈川県三浦市）</span>でレストア中の大型セーリングヨット「シナーラ」のバラストキールが船体から外された状態の写真です。</p>
<p>現代のヨットにおけるキールとは本来のキールの意味とは異なり、バラストキールのことをキールと言っています。写真のシナーラのようなセーリングボートの場合は、本来の意味のキールも船底中央部の前から後ろに掛けてありますが、そのキールの下に重りの役割としてバラストキールが吊り下げられているのがこの写真から解ると思います。</p>
<h4><span id="toc6">現代は横滑り防止と重りの役割が主となったキール</span></h4>
<p>現代のキールは船の主構造材としての機能は無くなり、横滑り防止と重りの役割だけになっています。<br />
下の画像は現代のヨットで代表的なバラストキールの絵です。船底から羽のように突き出している部分がキールになります。（キールの後側の突起はラダーです）</p>
<p><img decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-4349" src="https://malu-sailing.com/wp-content/uploads/2020/04/sailboat-keel.jpg" alt="ヨットのバラストキール" width="350" height="176" /></p>
<p>左上は、&#8221;Full-length keel&#8221;（日本ではロングキール）と言います。オールドスタイルのヨットに多くみられ、船底の長さ全体にキールがあることから、英語で&#8221;Full-length&#8221;と表現しています。水深は浅くすることができますが、小回りが利きにくいのが難点です。<br />
右上は、&#8221;Fin keel&#8221;（フィンキール）と言います。多くのクルーザーはこのタイプが多くみられます。ロングキールの欠点を解消するために長さを短くして、その分深くする工夫からこのような形になっています。<br />
左下は、&#8221;Bulge keel&#8221;（ビルジキール）という特殊なキールで日本ではあまり見ることができないタイプです。このキールは干満が大きな場所に船を停める場合には、干潮で船が自立するようにこのようなデザインになっています。<br />
右下は、&#8221;Wing keel / Bulb keel&#8221;（ウイングキールまたはバルブキール）と言います。新しいデザインのヨットやレース艇に多く採用されています。特徴は水中での抵抗を減らし速く走ることを目的に細く長い羽のようなデザインがウイングキールと呼ばれる所以です。バルブキールは先端のバルブ（砲弾型）の部分のことを指し、バルブの形はヨットビルダーによって様々な大きさや形があります。ウイング部分は軽く、重心を出来るだけ下げる意味でバルブを鉛などの比重の高い金属で造る事で小型化し水中での水の抵抗を少なくするデザインとなっています。</p>
<h2><span id="toc7">ヒールはヨットの姿勢</span></h2>
<p>ヒールはヨットがセイリングしている状態で横方向からの風を受けて帆走している時に船体が斜めに傾いて帆走する状態を「ヒールしている」と言います。<br />
英語の&#8221;heel&#8221;は、靴の踵（かかと）の部分を示す言葉で、女性がハイヒールを履いている足元が大きく傾いているように、ヨットが大きく傾いてセイリングする姿を「ヒールする」と言う訳です。デッキが傾いて普通には立っていられませんから、傾斜に合わせて横向きになって、まるでヒールの高い靴を履いているような恰好で踏ん張る姿から、そのように表現されるようになったのかもしれません。</p>
<p><img decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-4355" src="https://malu-sailing.com/wp-content/uploads/2020/04/heel.jpg" alt="ヒールして走るヨット" width="400" height="275" /></p>
<h3><span id="toc8">キールがあるからヒールできる</span></h3>
<p>キールについては先に書いてきた通りですが、バラストキールが出来る前の時代の帆船でも、おそらく帆船はヒールしていたと思われます。その時代は、とにかく船底を重くして船の安定を保ち、風に引きずられるような帆走をしていた筈です。しかし、横帆から縦帆に帆のタイプが変わると、ヒールを利用して船を走らせる帆走法が用いられるようになります。バラストによる復元力を船の推進力に代えるためには、キールが深く水の中に入り、低い重心から船が起き上がろうとする力が必要です。更に船を早く走らせるために、水を切って走る鋭角な船首から水中に続くキールと、キールにバラスト機能も持たせることでヒールした船体の起き上がらせようとする復元力を船の推進力に換えることができるようになったわけです。船体の中央の骨組みからキールの役割が変化したからこそヒールしてセーリングができるようになった、つまりキールがあるからこそヒールして縦横無尽に帆走ができるようになったいうわけです。<br />
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<h2><span id="toc9">最後に&#8230; ヒールの度が過ぎるとキールする</span></h2>
<p>ヒールする角度が付き過ぎていることを「オーバーヒール」と言ったりします。オーバーヒールの状態で突風が吹いて転覆してしまうことを英語では&#8221;keel over&#8221;（キールオーバー）と言います。&#8221;keel over&#8221;は「ひっくり返る」とか「転倒する」という意味で日常的に英語では使われます。つまり、ヒールし過ぎるとキールしてしまうってわけです。</p>
<p><img decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-4360" src="https://malu-sailing.com/wp-content/uploads/2020/04/race-heel-keel.jpg" alt="可動キール" width="400" height="280" /><br />
「キール」と「ヒール」についていろいろとご紹介してきましたが、其々について、ご理解いただけましたでしょうか？<br />
現代のヨットでは、船体構造が大きく変化して船首から船尾までキールが通っているヨットは殆ど見られなくなりました。特にプロダクションセーリングボートの世界では、FRPのモールドを使って船体を成型することから本来の意味のキールは船底には無くなってしまいました。その代わりと言っては語弊がありますが、バラストキールが船底に吊られており、そのバラストもバルブ型となって砲弾が翼断面を持っウイングキールにぶら下がっているというような格好に様変わりしています。またバルブキールも進化しており、外洋レース艇ではバルブキールが可動し、ヒールをより打ち消し、より速く帆走するためにバルブを持ち上げて復元力を大きくする機能まであったりします。上の写真はその機能を使って水面より上にバルブキールを持ち上げバランスを取り、マストトップの作業を容易にできるようにしている写真です。外洋単独無寄港レースならではの一シーンですね。他にも、スーパーヨットの世界では、マストの高さが非常に高くなりセイル面積を大きくとることができるようになったことから、バラストキールをより水深の深い位置まで下げています。しかし、港などの水深の浅い場所への出入りが出来なくなることを避けるため、キールを上げ下げできるようにしているものまであります。このようにキールも本来の意味からヨットの進化によってその役割や形を大きく変えています。</p>
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