今年もイタリアの北東部、アドリア海に面したトリエステ湾で世界最大のヨット―レースである「 BARCOLANA 」(バルコラ―ナ)が開催されました。今年は初回から数えて50回目にあたり世界の各地から集まった参加艇の数も過去最高の2689艇が参加し、トリエステ湾の海面はヨットで埋め尽くされました。

今回は世界最大のヨットレース 「BARCOLANA」についてお話したいと思います。

「 BARCOLANA 」(バルコラ―ナ)とは

バルコラーナは、毎年10月の第二日曜日に開催される国際ヨットレースで、その起源は1969年10月にさかのぼります。ヨットに乗っている誰もが自由に参加できるオープンレガッタ(オープンヨットレース)として初回には51艇が参加したのが始まりで、50回目にあたる今年(2018年)は、史上最高のエントリー数である2689艇が参加し、世界最大のオープンレガッタ(ヨットレース)です。
開催期間は今年(2018年)の場合、10月5日から14日まで行われ、最終日の BARCOLANA 50 ( International Autumn Cup Regatta)他にも様々なレースが行われ、イベント期間中はトリエステ中心部の港には露店が立ち並び、展示やコンテスト、コンサートなど様々な催し物が行われる港町トリエステ最大のお祭りでもあります。

バルコラーナの起源

主催者は、「SOCIETA VELICA DI BARCOLA GRIGNANO」です。このセーリングクラブは、トリエステ湾に面したバルコラとグリニャーノの地域のヨット愛好家たちよって1968年に設立されました。設立から1年後に当時のメンバーは、トリエステ湾の全てのヨットが参加できるレガッタ(ヨットレース)を計画し、その後イタリアセーリング連盟にこのレガッタの登録を求めたところ、年間最後の秋のレースイベントとして行われるようになりました。

レースコース

BARCOLANA 50のコースはトリエステ湾の中を時計回り(右回り)に四角(オフセットマーク付きの三角)の独特なコースを帆走する全長13マイル(海里)(およそ24km)のコースで、スタート時刻は午前10時30分と定められています。


スタートラインは BarcolaとMiramareの間の2キロの幅に設定されますが、今年(BARCOLANA 50)はレースへのエントリー数が昨年にも増して特に多かったことから更に500メートル広げられました。(図中のPからP1の幅)

【第1レグ】

スタートから210度の進路でおよそ4.3マイル進んだ位置に第1マークがあります。
スタートラインの幅が大きいとは言っても、参加艇の数は2000艇を超える数ですので、スタートも前後10列以上となり、スタートから第1マークへの上りラインは、壮大なスケールでヨットが帆走する姿となります。

【第2レグ】

332度の進路で0.9マイル進みオフセットマークである第2マークを回ります。
通常のコースレイアウトでは三角形の場合が多く、第1マークから第3マーク方向に進むのですが、参加艇数の多いこのレースは鋭角なコース取りでは第1マーク周囲が非常に混雑してしまうことから、オフセットマークを設けています。何せスタートライン幅が2.5kmもあるんですから。それが第1マークに一気に集まってくる来ることを想像すると、第1マークの周辺は凄い混雑になるので納得のレイアウトです。

【第3レグ】

20度の進路でMiramare Castle(ミラマーレ城)に向けおよそ4マイルで第3マークです。
今年のレイアウトでは、岸からの観戦に配慮して、例年より岸寄りに第3マークが打たれたようです。

【第4レグ】

125度の進路でFaro della Vittoria(勝利の灯台)がある Barcola(バルコラ)に向け2.3マイル進みます。
第4レグ以降は、海岸沿いのコースとなり、多くの観客がヨットの帆走する姿を肉眼で見ることができるコースレイアウトになっています。
Faro della Vittoria(勝利の灯台)は上の写真に写っているもので、既に灯台としての機能は終えていますが、港湾都市トリエステとこのレースのシンボリックな存在です。この灯台は第1次世界大戦の際に海で亡くなった水兵たちの鎮魂のために建てられたものです。
【最終レグ】Faro della Vittoriaの海岸から160度の進路で1.5マイル先、Porto Vecchio防波堤を過ぎPiazzaUnitàd’Italia(イタリア統一広場)の真向かいにフィニッシュラインがあります。

最後に…

日本最大級のヨットレースと言われる「タモリカップ2018横浜大会」は参加数181艇。それでも海上はヨットでイッパイといつも参加していて思うのですが、BARCOLANAの規模は桁外れの凄さで頭の中で想像ができない程です。実際にいろいろな写真や動画なども公開されていますが。まさに海にヨットが目一杯という感じで、あれだけの多くのヨットが集まっても整然とレースをやることができるイタリアンセイラ―たちは本当に凄いと思います。
一度はこの世界最大のヨットレースの様子をトリエステの高台に登って実際に見てみたいものです。

BARCOLANA 52 ホームページはこちらからご覧ください。
BARCOLANA 50 公式動画はこちらから壮大なレースの様子がご覧いただけます。

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