どんなスポーツやレジャーにも、それ向けの専門ウェアブランドがあるものですが、ヨットの世界にもヨットと言う遊びに適した機能やデザインの専門ウェアブランドが世界のセーリングが盛んな国や地域に根差しており、今や全世界にデリバリーされています。
僕たち夫婦は、オーナーヨットのクルーからヨットを始めたのでヨットの世界の事が全くわからなかったこともあり、防風や防寒と言えばユニクロやゴルフのレインウェアなどを着て最初はヨットに乗っていました。しかし、海上で雨が降ったり、風が上がって来て波立ち始めるとスプレーをあびたりすることが増えてくると、船に置いてある先輩のヨットウエアを借りたりしていると、やっぱり使い勝手が良い、そしてしっかり風や水を遮断してくれるし撥水もする。そして、潮をあびても着たままでホースで洗い流せば良いと言う使い勝手の良さもあり、割と時間を開けずにオイルスキン(セーリング用の上着)とトラウザー(セーリング用パンツ)を、当時の僕たちにとってはお高い買い物ではありましたが購入しました。
それ以外の物は相変わらずユニクロなどのファストブランドの物やスポーツウェアを着たりしていますし、周囲の先輩セーラーを見ていると普段着のジーンズにトレーナーと言う格好でセーリングしておられます。でも僕の場合には、Tシャツ短パンの時期以外の殆どはセーリング用のトラウザーを必ず履いて乗っています。その方が汚れなど気兼ねなく船上活動できるしセーリングを楽しめる、スプレーが来ても、デッキやコックピットが濡れていてもへっちゃらで、やっぱり快適だからです。
そこで今回は、世界でメジャーなセーリングウェア12ブランドをご紹介しておきたいと思います。
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1. Musto
ムストは過去半世紀に渡りセーリングウェアのトッブランドとして常に業界をリードしてきたイギリスのブランドです。その歴史は、オリンピアンであり創業者のキース・ムストが1964年のオリンピック出場後、セーリング専用のウェアが欲しいと考えたことから始まっています。創業以降ムストは一貫して品質と性能面でその時代のニーズに耐えうる最新のセーリングウェアを開発してきました。また、世界で最も過酷な環境のラボで製品を極限までテストし、製品の性能と耐久性を信頼性を極限まで高めています。
カジュアルウェアもラインナップしていますが、ムストのウェアは水辺で着るためにデザインされており、その基本的な思想は変わりありません。ムストは、どんなコンディションでもセーリングすることを望むすべてのセーラーに向けて、特に防水性と快適性を備えた高品質の製品を提供しています。
ムストは、2020年にヘリーハンセンの傘下に入りました。
https://www.musto.com/en_global
2. Helly Hansen
ノルウェーの船乗りだったヘリー・J・ハンセンがオイルスキンクロス&キャンバス工場を1877年に設立したのが始まりです。第1号の製品は、亜麻仁油をしみこませたセイルキャンバス製の消火バケツ。そして翌年にはパリ万博でシーマン衣料部門のデザイン賞を獲得。1950年にはウェルダー縫製による世界初の完全防水ウェアの商品化に成功します。それから130年以上を経た今でも防水テクノロジーの進化とともに新たな防水ウェアを供給し続けているのがヘリーハンセンです。セーリングウェアのシーンに衝撃を与えたのが、特に天候が厳しくなる時期に3レイヤーのコンセプトを考案したことです。現在は前著のMustoを子会社化し、セーリングウェア業界のリーダーです。
同社は長年にわたり、高品質の製品で革新性を示し、靴、シャツ、帽子、そしてオイルスキンジャケットなどを供給し続けています。また、ライフジャケットは、業界でもトップクラスで極限状態に耐える世界の漁師やオフショアセーラーの第一選択肢となっています。ヘリーハンセンの高機能な防水ウェアは、北海油田で働く人たちやオーシャンレースに参加するセイラーたちだけのものではなく、現在では、スノーフィールドでスキーヤーやスノーボーダーをはじめ、山岳ガイドや多くの登山家・冒険家たちのチャレンジにとってなくてはならない装備になっています。大自然の中をトレッキングする際にも、海辺のキャビンで家族や友人と過ごす週末にも、海や山を知り尽くしたブランドだからこそ、すべてのアウトドアスポーツを快適で機能的にサポートすることができるのです。(※メーカーサイトより)
https://www.goldwin.co.jp/hellyhansen/
3. Zhik
ザイクは、セーリング競技用アパレルが非常に充実しているブランドです。同社は2003年に設立されたので、歴史のある会社ではありません。同社はオーストラリアに端を発し、その名前は全てのオリンピックにおけるセーリング競技の場で目にすることができます。このブランドの素晴らしさは、彼らがセーリングのあらゆる場面をカバーすることができ、さらにディンギーウェットスーツのような革新的なアイテムにより競合他社より常に前を走っていることです。また、最も快適なライフジャケットのいくつかを適正な価格で提供しています。環境にも配慮し信頼できる品質を提供しています。
4. Gill Marine
ニック・ギルがギル・マリンを設立したのは1975年のこと。彼が性能の良いディンギーのセーリングギアを探していた時にさかのぼります。当時、ディンギーで水上ラフティングをする際に選べる選択肢は多くありませんでした。ギルは、ディンギーセーリングのための完璧なデザインを確立するために、多くの時間とお金を費やし、ギル・マリンは成功を収め、現在でもニュージーランドのアメリカズカップ優勝チームに広く愛用されています。さらに、靴や帽子などの快適なアパレルオプションもあり、ディンギーからこのブランドでスポーツを楽しむことができます。
5. Dubarry
セーリングウェアのリストにDubarryがなければ、完璧とは言えません。スタイリッシュで快適なセーリングブーツで知られるデュバリーですが、アパレルラインも充実しており、どこへ行っても快適に過ごすことができます。同社は1937年にアイルランドで誕生しました。セーリングブーツのラインは、世界中の船乗りがその快適性、グリップ力、耐水性を愛するように、デュバリーの主要製品です。さらに、信頼できるセーリングギアもラインアップしています。高品質な素材を使用し、セーリング時に最適なフットウェアを安心して使用することができます。
6. Henri Lloyd
ヘンリ・ロイドもまた、1960年代にマンチェスターで誕生した高品質なセーリングウェアブランドです。ベルクロで留める丈夫なセーリングジャケットというコンセプトを打ち出したヘンリ・シュトレッキが共同設立しました。
50年以上もの間、セーリングウェアをリリースする度に新たな優れた機能を提案し続けています。速乾性に優れたハイテク素材からオーシャンレディのショーツまで、海で着るものなら何でも揃います。セーリングの際にヨット乗りが何を望んでいるかを熟知している経験豊富なヨット乗りによって運営されています。そのため、セーリングに必要なものを理解していることが製品からすぐにみて取れます。
7. Saint James
1889年、フランス海軍の軍服からインスピレーションを得たSaint James。セーリングウェアの老舗ブランドとして、そのクラシックなスタイルでビジネスを続けています。創業の地であるフランスでは絶大な支持を得ており、アメリカでも一定の地位を築いています。消費者の嗜好の変化に対応しながらも、ルーツに忠実であり続けています。航海に出るときのおしゃれな服装を提案することから、「ノーティカル・セーター専門店」というニックネームもあります。何歳になっても、あらゆる体型やサイズに対応できるよう、さまざまなスタイルやサイズを揃えています。
8. Slam
スラムは1979年に設立され、セーリングウェアのテクニカルコレクションとして高く評価されています。カジュアルなセーリングからヨット、プロフェッショナルなセーリングまで、幅広いジャンルのウェアを取り揃えています。イタリアをルーツとし、ヨーロッパで最も人気のあるセーリングウェアブランドの一つてあり、かつ、最大手のアパレルメーカーでもあります。
その魅力は、ファッショナブルなだけでなく水上でのさまざまな要素に対応するための実用的な機能も兼ね備えています。彼らの成功の原動力はオリンピック・スターたちですが、彼らのギアを購入すれば誰でもオリンピック・スターになったような気分を味わうことができます。
9. Sperry
Sperry は、ボート用の靴のトップメーカーです。また、ボート用の靴を世界で最初に開発したと言われる企業でもあります。創業者のポール ・ スペリーは、1935 年に会社を設立し、以降ボート用の靴の革命的なデザインを出し続けています。スペリーの成功は、濡れたデッキを安心して歩くことができる歩信頼性の高い快適な靴であると言う点です。カジュアルなヨット乗りからヨットの専門家まで幅広く信頼されています。
https://www.sperrytopsider-japan.com/
ナビス・マリンがセーリングウェアの世界に足を踏み入れたのは1999年、同社は手頃な価格で快適、かつ実用的なセーリングウェアのラインを発表しました。彼らは中国のブランドですが、世界中のマーケットにサービスを提供していており、パフォーマンススタイルとデザインは500以上のオプションを持っています。
11. North Sails
1957年、オリンピック金メダリストのローウェル・ノースが設立したこの会社は、世界の150を超える地域で販売されるています。他のブランドとの共通点も多いですが、ノースセイルと言えば高品質のセイルを開発し世界中のセーラーに提供しています。そして、セールによる成功の後、ウェアのラインナップを追加しました。
この2つを組み合わせることで、セイラーは優れた品質のセイルを手に入れ、水上生活を体験するためのウェアを手に入れることができるのです。好みに応じて、予算に合わせた服もここで見つけることができます。
12. Nautica
ブランド名のノーティカは、ラテン語で船を意味する “nauticus “からきています。セーリングウェアのブランドとしては、特にメンズに強いブランドです。
このブランドの特徴は水上での活動性をアピールするよりもファッション性を第一に考えて作られている点です。セーラーは船の上でも外でも格好良く、そして快適に過ごすことができます。水上での問題解決よりもファッション性を重視するブランドは、ノーティカだけかもしれません。しかし、セーリングウェアの革命児であることは確かな事実です。
最後に… 日本で買うなら⁉︎
ここで挙げた12のセーリングウェアブランドは、世界のセーリングシーンで最もよく目にすることができる12ブランドです。日本ではまだまだ知られていないブランドもありますが、全て日本で何らかの形で手に入れることができます。
日本で最もメジャーなブランドは、世界最大のブランドでもあるヘリーハンセンです。日本における他ブランドとの違いは、日本のヘリーはスポーツアパレルメーカーのゴールドウィンが製造販売していることです。ゴールドウィンはヘリー以外にも、ノースフェイスやカンタベリーなどの有名ブランドをライセンス生産しています。日本人に向けた日本仕様の製品を日本で企画し製造販売しているので、ヘリーと言えども日本でリリースされている製品は日本人の体にフィットする製品を展開をしています。また、セーリング向けの製品以外にアウトドアファッションや量販店向けの廉価版カジュアルウェアまで幅広く展開しています。セーリング用ラインの製品は、全ての店舗に置いてあるわけでは無いのですが、実物を見て、試着して買いたいと言う人には、直営店に置いてなくても、取り寄せしてくれますから相談してみると良いと思います。
セーリングウェア界のトップブランドは、Mustoだと僕も思います。このMustoがヘリーハンセンの傘下に入ったと言うのは、とても興味深い事実です。今後ヘリーハンセンのショップにMustoが並ぶ可能性が出てきたからです。日本での展開がどうなるのかなどの情報は今のところ全くありませんが、ちょっと今後の展開が楽しみですね。
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