ヨットの係留ロープの選び方

ヨットのロープワーク

ヨットを係留するために欠かせない係留ロープ。ムアリングロープと呼んだり、舫ロープと言ったりもします。この係留ロープ、マリーナ等での常設係留から、クルージング先での一時係留まで、使う機会は多いものの、その選び方について深く考えることは意外に少ないかもしれません。

係留ロープを購入するとき、まず気になるのは太さや強度でしょう。しかし、太くて丈夫なロープを選べば、それで安心というわけではありません。

いろんなマリーナやヨットハーバーで係留している様子を見ますが、細過ぎるロープ、逆に太過ぎるロープ、係留には不向きなロープを使っているのをよく目にします。

どんなロープが適当なのか、自分のヨットの大きさに対して、どのくらいの太さや強度のロープを選ぶべきか、正直なところよく分からず使っていると思います。

そこでこの今回は、係留ロープの材質や構造、太さ、長さなどを取り上げながら、それぞれの特徴と選び方について考えてみたいと思います。

係留ロープに求められる性能とは

係留ロープの最も基本的な役割は、ヨットを所定の位置につなぎ留めることです。しかし、係留中のヨットは完全に静止しているわけではありません。風を受ければ風下へ押され、波や他船の引き波を受ければ前後左右に動きます。潮位が変化すれば、岸壁と船体の高さの関係も変わります。こうした動きを係留ロープが受け止めています。

例えば、風によって船が一定の方向へ押され続けている場合、ロープには継続的な引張荷重が加わります。これに対して、波や引き波によって船が動き、ロープが急に張る場合には、瞬間的に大きな荷重が発生することがあります。

このような荷重を「衝撃荷重(ショックロード)」と呼びます。係留ロープには、この衝撃荷重を和らげる性能が求められます。ロープが引っ張られたとき、ある程度伸びる性質を持っていれば、船の動きを受け止めるまでの距離が長くなり、急激な荷重の増加を抑えることができます。逆に、ほとんど伸びないロープでは、船の動きが急に止められ、ロープだけでなく、船体のクリートやフェアリード、岸壁側の係留設備にも大きな負担がかかる可能性があります。

つまり、係留ロープには十分な引張強度とともに、適度な伸縮性が必要だと言うことです。さらに、係留ロープはフェアリードやクリート、岸壁などに接触しながら繰り返し荷重を受けます。長期間使用する場合には、摩耗や紫外線による劣化への耐性も欠かせません。

係留ロープを選ぶ際には、単に破断強度の大きなものを選ぶのではなく、船の動きをどの程度吸収し、どの程度制限する必要があるのかを考える必要があります。その性能を大きく左右するのが、ロープの材質と構造です。

係留ロープにどんな材質が適してるか?

ヨットで使用するロープには、ハリヤードやシート、アンカーロープなど、さまざまな種類があります。見た目は似ていても、それぞれの用途に合わせて材質や構造が選ばれているため、どんなロープでも係留に適しているわけではありません。前述したように、係留ロープには十分な引張強度に加え、船の動きによる衝撃を吸収する伸縮性や、摩耗、紫外線などに対する耐久性が求められます。

こうした条件から、一般的なヨットの係留には、ナイロンとポリエステルが適した材質として広く使われています。

ナイロン

ナイロンの大きな特徴は、伸縮性に優れていることです。

引っ張られると比較的大きく伸びるため、風や波によって船が動いたときの衝撃を吸収する能力があります。波や引き波の影響を受けやすい場所では、この伸縮性が大きな利点になります。

ナイロンは耐摩耗性にも優れていますが、水分を吸収する性質があり、濡れると乾燥時より強度が低下します。また、紫外線に対する耐性はポリエステルより低く、長期間屋外で使用する場合には劣化への注意が必要です。

ポリエステル

ポリエステルは、ナイロンに比べて伸縮性が小さく、紫外線や水分による影響を受けにくい材質です。耐摩耗性にも優れており、長期間屋外で使用する係留ロープに適しています。

ナイロンほど大きく伸びないため、船の動きによる衝撃を吸収する能力は比較的小さくなりますが、穏やかなマリーナなどでの常設係留には有力な選択肢になります。波や引き波の影響が大きい場所では、ロープの長さや衝撃吸収の方法も考慮する必要があります。

使わなくなったロープを係留に使ってもよい?

ヨットでは、交換したハリヤードやシートなどを、予備の係留ロープとして再利用することがあります。しかし、こうしたロープを係留に転用する際には注意が必要です。

例えば、ハリヤードにはセイルの形状を維持するため、伸びを小さく抑えたロープが使われています。特にダイニーマなどのHMPE(高弾性率ポリエチレン)を芯材に使用したロープは、非常に高い強度を持つ反面、伸縮性が非常に小さいため、船の動きによる衝撃を吸収する用途には適しません。また、ポリエステル製のシートであっても、ロープの構造によって伸縮性は異なります。

さらに、長年使用したロープは、紫外線や摩耗、繰り返し荷重によって劣化している可能性もあります。外観に大きな損傷がなくても、新品と同じ強度が残っているとは限りません。

係留ロープは、船を岸壁につなぎ留める重要な装備です。使わなくなったロープを再利用する場合には、単に太さや見た目で判断せず、材質や構造、使用履歴、劣化の状態を確認する必要があります。特に、長期間の係留や荒天が予想される場合には、用途に合った係留専用ロープを使用する方が確実です。

係留ロープは編み方によって何が違う?

係留ロープは、同じ材質であっても、繊維をどのように組み合わせて作るかによって性質が変わります。代表的な構造には、3つ打ち、8つ打ち、ダブルブレードなどがあります。構造によって伸縮性や柔軟性、ねじれやすさ、取り回しなどが異なるため、材質だけでなくロープの構造も選ぶ際の判断材料になります。

3つ打ちロープ

3つの束を互いに撚り合わせた、古くから使われているロープです。構造が単純で、末端に輪を作るアイスプライスなどの加工が比較的容易です。価格も比較的手頃で、係留ロープとして広く使われています。

ナイロン製の3つ打ちロープは伸縮性が大きく、衝撃を吸収する用途に適しています。一方、ロープ全体が撚られた構造のため、使用中にねじれやキンク(ロープが局部的に折れ曲がった状態)が生じることがあります。

8つ打ちロープ

8本の束を組み合わせて作られるロープで、一般にスクエアブレードやマルチプレイトなどと呼ばれる構造です。3つ打ちのように一方向へ撚りを加えた構造ではないため、ねじれやキンクが生じにくい特徴があります。柔軟で収納しやすく、長いロープでも比較的扱いやすい構造です。

ナイロン製の8つ打ちロープには、伸縮性と衝撃吸収性能を重視した製品があり、係留ロープやアンカーロープとして使われています。

ダブルブレードロープ

芯となるロープの外側を、さらに編み込んだ外皮で覆った二重構造のロープです。芯と外皮の両方で荷重を受ける製品もあれば、主に芯が強度を負担し、外皮が摩耗から保護する役割を持つ製品もあります。一般に柔軟で取り回しがよく、係留専用のダブルブレードロープも販売されています。

ただし、ダブルブレードだから伸びが大きい、あるいは小さいとは一概にいえません。ナイロン製かポリエステル製か、芯と外皮がどのような構造になっているかによって特性が変わります。また、外皮に目立った損傷がなくても、内部の芯材が傷んでいる可能性があるため、点検には注意が必要です。

どの構造を選べばよい?

一般的な係留ロープとしては、3つ打ち、8つ打ち、ダブルブレードのいずれも選択肢になります。

3つ打ちは価格やスプライス加工のしやすさ、8つ打ちはねじれにくさと収納性、ダブルブレードは柔軟性や取り回しのよさなど、それぞれに特徴があります。ただし、構造だけで係留への適性が決まるわけではありません。

例えば、同じダブルブレードでも、伸びを小さく抑えたハリヤード用と、衝撃吸収を考慮した係留用では、求められる性能が異なります。係留ロープを選ぶ際には、材質と構造を組み合わせて考え、メーカーが係留用途として設計した製品の性能を確認することが重要です。

係留ロープの太さはどう決める?

係留ロープを選ぶ際、最もわかりやすい基準になるのがロープの太さです。

一般的には、ヨットの全長を目安にして選びます。

米国の船舶用品専門店のWest Marineでは、船の全長に応じた係留ロープの推奨径を公表しています。

ヨットの全長 推奨ロープ径
約8m以下 10mm
約8.5〜9.5m 11mm
約9.8〜11m 13mm
約11.3〜13.7m 16mm
約14〜16.5m 19mm
約16.8〜19.2m 22mm
約19.5〜21.9m 25mm

※West Marineのインチ表記をミリメートルに換算し、一般的な呼び径に丸めた参考値です。

ただし、これはあくまで一般的な目安です。同じ全長のヨットでも、排水量が大きければ風や波による動きを止める際の荷重が大きくなる場合があります。また、風の影響を受けやすい船体形状や、波や引き波が入りやすい係留場所では、より大きな荷重が発生することがあります。

こうした条件では、標準的な推奨径より太いロープを選ぶことも検討します。

太いロープほど安心なのか?

ロープは一般に、太くなるほど破断強度が高くなります。

例えば、英国のロープメーカーのMarlow Ropesが公表している、3つ打ちポリエステルロープの平均破断荷重は次のとおりです。

ロープ径 平均破断荷重
10mm 2,570kgf
12mm 3,170kgf
14mm 3,930kgf
16mm 4,766kgf
18mm 6,600kgf

※Marlow Ropesの製品仕様による数値です。破断荷重は使用時に許容される荷重を示すものではありません。

このように、太さによって破断強度には大きな違いがあります。

しかし、必要以上に太いロープを選べばよいというわけではありません。同じ材質と構造であれば、太いロープほど引張荷重に対する伸び量が小さくなるため、船の動きによる衝撃を吸収しにくくなる場合があります。

また、ロープが太すぎると、船体のクリートに十分な回数を掛けられなかったり、フェアリードを無理なく通せなかったりすることもあります。

ロープの太さは、破断強度だけでなく、伸縮性や船体側の係留設備との適合性も考慮して決める必要があります。

排水量と係留環境も考慮する

例えば、同じ12mのヨットでも、軽量なレーシングヨットと、重い装備を積んだクルージングヨットでは、係留ロープに求められる条件が異なります。また、穏やかなマリーナに係留する場合と、外海からのうねりが入る岸壁に係留する場合とでは、ロープが受ける荷重の性質も変わります。

全長による推奨径は選定の出発点にはなりますが、実際には排水量、係留場所の風や波、使用するロープの材質と構造などを考慮する必要があります。

係留ロープは、太さだけで性能が決まるものではありません。適切な強度を確保したうえで、船の動きを受け留めるための伸縮性も備えていることが重要です。

係留ロープの長さと取り方も重要

係留ロープは、材質や太さが同じでも、使用する長さによって衝撃を吸収する能力が変わります。

例えば、同じナイロンロープに同じ引張荷重が加わった場合、伸び率が同じなら、長いロープほど伸びる距離が大きくなります。仮に荷重を受けたときの伸び率が5%だとすると、長さ3mのロープは15cm、10mのロープなら50cm伸びる計算になります。つまり、長いロープほど船の動きを受け止める距離を確保でき、急激な荷重の増加を抑えやすくなります。ただし、長ければよいというわけではありません。ロープが長くなることで船体の移動範囲が大きくなれば、岸壁や隣の船に接触する可能性もあります。

係留ロープの長さは、衝撃吸収と船体の移動範囲の両方を考えて決める必要があります。

バウラインとスターンライン

一般的な横付け係留では、船首から取るバウラインと、船尾から取るスターンラインが基本になります。

これらは船を岸壁につなぎ止め、主に岸壁から離れる方向への動きや、係留位置からのずれを抑える役割を持っています。ただし、この2本だけでは、船の前後方向の動きを十分に制御できない場合があります。

スプリングライン

船の前後方向の動きを抑えるために使用するのが、スプリングラインです。例えば、船首側から船尾方向へ取るスプリングラインは船が前方へ動くことを抑え、船尾側から船首方向へ取るスプリングラインは船が後方へ動くことを抑えます。

バウライン、スターンラインに加えて前後2本のスプリングラインを使用することで、船の前後方向の動きをより適切に制御できます。ただし、4本のロープに均等に荷重が分散されるわけではありません。風向きや船の動き、ロープの角度などによって、実際に荷重を受け持つロープは変わります。

ミッドシップクリートがある船の場合

船体中央付近にミッドシップクリートを備えたヨットでは、そこから前後にスプリングラインを取る方法もあります。

バウやスターンから長いスプリングラインを取る場合と比べ、ロープの取り回しが容易になることがあります。ただし、岸壁側の係船柱の位置によっては、ロープが短くなる場合があります。

短いロープは同じ荷重に対する伸び量が小さいため、船の動きによって大きな衝撃荷重が発生する可能性があります。

ミッドシップクリートがあるから必ず有利というわけではなく、ロープの長さと角度、船体の動きを考えて配置することが重要です。

係留方法に合わせて長さを決める

係留ロープの長さを決める際には、岸壁までの距離だけでなく、船がどの方向へ、どの程度動く可能性があるのかを考える必要があります。

特に、波や引き波によって船が頻繁に動く場所では、短いロープで強く固定するよりも、適切な長さと伸縮性を持たせることで衝撃荷重を軽減できます。また、潮位差のある岸壁では、潮位の変化に伴ってロープの角度や張力が変わるため、その変化を許容できる長さと配置が必要です。

係留ロープは、単に船と岸壁をつなぐものではありません。船の動きを制御しながら、そこに発生する荷重を受け止める役割を持っています。材質や太さだけでなく、どこから、どの方向へ、どの程度の長さで取るのかまで含めて考えることが大切です。

係留ロープを傷める原因と対策

係留ロープは、十分な強度を持つものを選んでも、使用しているうちに少しずつ劣化していきます。

特に常設係留では、風や波によって繰り返し荷重が加わるほか、フェアリードや岸壁との摩擦、紫外線などの影響を長期間受け続けます。ロープの強度を維持するためには、こうした劣化の原因を理解し、適切な対策を取ることが重要です。

最も注意したい摩耗

係留ロープの損傷で、特に注意したいのが摩耗です。係留中のヨットは風や波によって常にわずかに動いています。そのたびにロープがフェアリードや岸壁の角などに擦れると、表面の繊維が徐々に傷んでいきます。摩耗が進むと繊維が切れ、ロープの強度が低下します。特に、同じ場所が繰り返し擦れる常設係留では注意が必要です。

こうした摩耗を防ぐために使われるのが、擦れ止め(チャーフィングガード)です。ロープが接触する部分を保護材で覆い、直接擦れることを防ぎます。保護材には専用のチューブや布製のカバーなどを取り付けます。

ただし、擦れ止めを付ければ点検が不要になるわけではありません。保護材の内部でロープが傷んでいる場合もあるため、定期的に取り外して状態を確認することが大切です。

紫外線と経年劣化

係留ロープは、日光に含まれる紫外線によっても劣化します。紫外線の影響は材質によって異なり、一般にポリエステルはナイロンより耐紫外線性に優れています。

また、長期間の使用では、繰り返し荷重による繊維の損傷や、汚れ、摩耗なども重なります。表面が毛羽立っている、繊維が切れている、部分的に細くなっている、異常に硬くなっているといった状態は、交換を検討する目安になります。

また、船を長期間係留するロープでは、明らかな損傷がなくても、使用年数や使用環境を考慮して状態を確認する必要があります。

係留ロープにダンパーは必要か?

マリーナなどでは、係留ロープをゴム製の部品に何回か巻き付けたり、ロープの途中にスプリング状の器具を取り付けたりしているのを見かけます。これらは係留ダンパー、あるいはショックアブソーバーと呼ばれるもので、船の動きによって発生する衝撃荷重を和らげるための装備です。では、伸縮性に優れた現在のナイロンロープを使用していても、こうしたダンパーは必要なのでしょうか。

結論からいえば、必ずしも必要ではありません。

適切な長さのナイロンロープを使用し、船の動きが比較的小さい場所に係留するのであれば、ロープ自体の伸縮性によって衝撃を吸収することができますしかし、波や引き波によって船が頻繁に動く場所や、ロープを十分に長く取れない場合には、ダンパーを追加することで衝撃荷重を軽減できます。特に、伸びの比較的小さいポリエステルロープを使用する場合には、追加の衝撃吸収手段として検討する価値があります。

ゴム製ダンパーの代表的な製品には、ロープを器具に数回巻き付けて使用するものがあります。ロープに張力が加わるとゴムが変形し、その分だけ伸びる余地が生まれる仕組みです。ただし、ダンパーにも適用できるロープ径や荷重の範囲があります。また、ゴムや金属部分の劣化にも注意が必要です。ダンパーを使用する場合には、メーカーの指定する取り付け方法と使用条件を守る必要があります。

定期的な点検が重要

係留ロープの寿命は、材質や使用環境、荷重の大きさなどによって変わるため、一律に何年で交換すべきとはいえません。定期的にロープ全体を確認し、特にフェアリードやクリートとの接触部分、スプライスの付け根などを重点的に点検します。摩耗や繊維の損傷、早めに交換することが重要です。更に、ロープのしなやかさが無くなり、伸び切って固くなったロープは衝撃を吸収できなくなっており、替え時と言えます。また、擦れ止めやダンパーなどの補助装備を使用していても、それら自体の点検を忘れてはいけません。

係留ロープは、適切なものを選ぶだけでなく、その性能を維持するための管理も必要です。

最後に…

係留ロープの適切な使い方を最後にまとめておきます。

先ず、船の全長に応じた推奨径を基準に選ぶのが現実的です。例えば、全長10m程度のヨットなら13mm、12m程度なら16mmが一つの目安になります。ただし、同じ全長でも排水量が大きい船では、船体が動いた際の衝撃荷重が大きくなるので注意が必要です。一般的なマリーナで、十分な長さの係留ロープを適切に配置できるのであれば、全長別の推奨径を基本に、伸縮性と耐久性のバランスを考えて選ぶとよいでしょう。

そして大切なのが、ロープの取り方です。バウ、スターン、スプリングを前後から2本は必ず取ると良いです。また、櫛形桟橋のダブルバースだと、前付けならバウから、後付けならスターンから、乗り降りする桟橋の反対側こメインの桟橋にもう1本取れるはずですから、必ず取るようにします。つまり、合計5本です。この5本がロープ自体の伸縮が適切にできる長さで取れるなら、概ねOKだと思います。しかし、バウ、又はスターンが極端に短くなる場合などは、桟橋側のクリートを船のミジップあたりに追加設置して、極端に短いロープは船が暴れても大きな負荷がかからない程度に長めにしておき、もう1本適切な長さのもやいを取ると良いでしょう。又は、スターンなら船体の逆側のクリートからもやいロープを出せば長さが確保できる場合もあります。

それと、船体のクリートやフェアリードに適合した太さを選ぶことも忘れてはいけません。ロープだけを太く強くしても、取り付ける側の設備がそれに見合っていなければ意味がありませんし、離着岸の時の取り回しが極端に悪くなります。

それと、船をもやいで引っ張り過ぎているのを時々見かけますが、舫は全てのロープは少し弧を描く程度で留めます。ロープを最初からピンピン引っ張っておくのは、衝撃を吸収してする余地がそれだけ少なくなることを意味しますし、常に少しの挙動で負荷が船や桟橋などに掛かってしまいます。少しだけ緩めに船が遊んでいる状態がベストです。当然、桟橋から少し離れている状態がベストです。

そして、台風などの荒天が予想される場合には、必ず増しもやいしましょう。

係留ロープに求められるのは、単に切れない強さだけではありません。船の動きを適切に制御しながら、衝撃を受け止められること。 そのために、太さと強度だけでなく、材質、長さ、係留方法まで含めて選ぶことが大切です。

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