僕たち夫婦のヨットライフはいきなり始まったので乗せてもらえるヨットを探したり自分がどんなヨットライフを送りたいかという事を考えながら乗ることができる船を探すということしませんでした。

幸いにも僕たちが最初にクルーとして乗せて頂いたヨットは設備の整った比較的新しいクルージング艇だったので、そのヨットが自分たちのヨットライフにおける基準になりました。また、セーリングスタイルも割とのんびりした雰囲気で、クルーの皆さんの人柄もとてもよく、安心してゆっくりのんびりヨットのことを習得してゆくことができたので、僕たち夫婦にとってはこのヨットが最初で良かったと思っています。

最初にクルーとして乗った船は、ヨット自体もセーリングスタイルも船上での楽しみ方も全てが僕たちのヨットライフにおけるスタンダードになっています。

最初に乗る船は、自分のヨットライフにそれほど大きく影響します。クルーとして乗るヨットを探し選ぶ際に、ヨットの種類によってある程度その船のチームの性格のようなものを想像できます。今日はそのあたりのことをお話したいと思います。

ヨットには大雑把に3つの種類がある

ヨット(セーリングボート)にもいろんな種類があります。種類によってセーリングの楽しみ方は異なります。
クルージング艇:基本的に長時間の航海を快適に過ごせるような装備を施した設計のヨットです。コックピットが広く、キャビン内も生活設備(トイレやギャレー)が整っていて、内装もウッド調の落ち着いた高級感があります。
レース艇:レース専用に設計されたヨットです。設備も最低限度で早く走ることに特化し快適性は全く考慮されいません。コックピットが大きく作業性重視のレイアウトになっています。キャビンは必要最低限度の設備で内装は無くハルが内側から見てもむき出しになっています。
クルージングレース艇:長距離のクルーズレースを念頭においた設計のヨットです。長距離のレースに必要な設備設計になっています。ちょうどクルージング艇とレース艇の間をとったような感じです。

この3つのどの種類かによって、そのチームがどんな性格なのかが見えてきます。

尚、ここで書いている「チーム」の意味は、そのヨットのオーナーやクルーの総称として書いています。

クルージング艇

最も数多い艇種です。のんびりデイセーリングやクルージングを楽しむ性格のチームです。旅好きで様々な所へクルージングしたり、週末は軽くセーリングして港に戻って乾杯!なんて感じの船が最も多いです。クルージング艇の中には出港しないでいつも酒盛りばかりという船もありますので、お酒好きならそういう船のクルーになるのも良いかもしれません。クルージング艇のチームはどちらかと言えばのんびりヨットライフを楽しんでいる傾向にあります。クルージング艇でもクラブレースなどに出るチームは多くありますが、あくまでもお楽しみレベルでお祭り感覚でやっていて、本気モードではないチームが多いです。たまに普段はクルージング用セールを付けているのに、レースの時だけレース用の黒っぽいレース用のセールを付けて本気モード全開になるクルージング艇も見かけますが、それもオーナーの指向というかチームにレース好きのメンバーが多いという事です。

レース艇

数は少ないですが、完全にレースに特化したチームです。クルーと言ってもクルージング艇のクルーとレース艇のクルーでは、求められるものが全く異なります。これは何となく想像がつくと思います。レース艇は完全な競技指向なので、先ずは身体力が必要です。ゆっくり座ってのんびりセーリングという事は殆ど無いので、足腰の強さや俊敏性、持久力も求められます。また、クルーは其々に役割を持っています(ポジションが決まっている)ので、その役割ごとに求められるものも異なります。のんびりセーリングより毎週のように練習したり、レースに向けて準備をしたりと、なかなか忙しい日々を送ることになります。レース艇のクルー募集は、はっきりとレースをしている事が書かれていますのて、本気のヨットレースを経験してみたい人は、応募してみると良いと思います。

クルージングレース艇

この艇種のチームは、クルージングもレースも楽しむという感じですが、割とロングディスタンス(長距離)のレースにも参加したり、クラブレースは常連というようなレース好きが比較的多いです。レースはチームワークがモノをいうのでチームメンバーの結びつきも強く、クルージングで何処かに遊びに言っても行った先での宴会は体育会系っぽい雰囲気で元気があります。船の性格もクルージング艇に比べるとレース艇寄りの船なのでクルージング艇に比べれば扱いがシビアで玄人好みな感じです。それと同じくチームの雰囲気も玄人っぽい感じです。

最後に

クルーに応募するときに、いろいろな形で船を紹介して貰ったり、募集に応募したりすると思いますが、必ず一度は乗ってみてから決めることをお勧めします。電話してみて電話の声が物凄い老人っぽい人でも実際に会うと若い人だったり、話し方がぶっきらぼうな人でも実際に合うととても話しやすい人だったりします。電話の印象と実際はかなり異ったりしますので、必ず会って一度海に出てみれば、どんな感じで普段やっているのかわかります。ヨット初心者でもその艇のチームの雰囲気や性格はなんとなく見えてくる筈です。また、試乗したらオーナーやクルーになんでも質問してコミュニケーションをとってみると、自分の指向にあっているかよく見極めることができると思います。

是非、自分に合った船を見つけてヨットライフをスタートさせてください。

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