コロナ禍による国の緊急事態宣言により、テレワークやオンライン授業という言葉が巷で一気に広がり、インターネットやWi-Fiの必要性は更に増したように感じます。私自身は社会人の第一歩を自分の意に反してではあったのですがパソコン業界(今で言いうところのIT系)からスタートしたことから、自分にとってパソコンを使うこと、回線接続してWebやメールを使うこと、更に携帯電話などのテレコミューケーションは、水や電気と同じように自分にとっては至極当然のものとして使い続けてきました。特に、ここ10年間の進歩は目まぐるしく、携帯電話のサービス網の充実、ネットワークやWi-Fiなども今や不便を感じることは殆ど無くなり、更にスマートフォン(以下、スマホ)の登場、その進化は加速化したように思います。

特に、海辺や海上でのネットワークの利用には、技術的な問題もあったのですが、ニーズは今や海上にまで広がってきたこともあり、ネットワーク会社もその対応が地上だけでなく海上に向けて始まっています。しかし、始まったからと言っても、まだまだ始まったばかりで完璧な物では当然ありません。しかし、ヨットを楽しむ時に使う程度なら、それも岸が見える範囲であれば、そこそこ使える環境は出来上がってきています。

そこで今回は、ヨットでインターネットを使うと題して、そのあたりのことについて書いてみたいと思います。

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ヨットでインターネットを使う方法

先ずは、ヨットでインターネットを使うには、どういう方法があるかということですが、移動体であるヨットの場合、有線でのインターネット接続は当然できません。つまり、ヨットでインターネット接続する場合には、無線によるインターネット接続となります。

無線による接続とは、国内に3社ある携帯電話会社回線網を通じた接続、静止衛星回線を使った接続、船舶無線などを使った接続などがあります。

この3つの接続方法のうち、海上で最も広い範囲で安定した接続が可能なのは静止衛星回線を使った接続ですが、これは簡単に手を出せるような物ではありません。ヨットで海外に出るなど、特別な理由が無い限り設備コストも膨大で手軽に使えるものではありません。また、船舶無線などを使った接続も不安定であることから、最近では静止衛星回線に置き換えられ始めていることから、これはあまり有用ではありません。

つまり、私たちヨッティーとして、国内で手軽に、あまりコストを掛けずにヨット上でインターネットを使う方法としては、携帯電話会社回線網を使ったインターネット接続となります。

携帯電話会社回線網について

現在、日本で無線設備(基地局)を実際に持ってインターネット接続を提供している携帯電話回線網の会社(携帯キャリア)は、携帯電話大手3社と呼ばれる、NTTドコモ、au、SoftBank の3社になります。

携帯電話回線用の電波は、その電波特性から見通しの良い場所では複数の電波が様々な方向から飛んでくると複数の電波がぶつかり合い電波同士が干渉して不安定となり、つながりにくくなります。また、基地局と携帯電話で使用が認められている電波の強さが異なることから、基地局に比べて携帯電話側の出力が弱いために基地局からの距離が遠いと基地局からの電波は届くのに携帯電話からの電波が基地局に届かないということがあります。つまり、有視界で陸が見えていても距離が遠い場合には繋がりにくくなる性質があります。

しかし近年、海上でもスマホやインターネットの利用ニーズが非常に高まってきていることから、国交省でも海上における通信環境に関する検討が始まり、携帯電話会社も海上に向けた基地局の整備、見通しの良い場所での電波の重複を少なくするなどの対策に乗り出し始めています。
ここで「携帯電話」という表現をしていますが、ヨットでインターネットを使うための回線は、この場合には携帯電話会社の電波網を利用して携帯電話会社の基地局を経由してインターネットに接続することを指しています。このときに、携帯電話機が必要なわけではなく、携帯電話会社通信網を使った「スマートフォンのテザリング機能を使う」か「モバイルルーターを利用」してインターネットへの接続を行うということになります。(家庭用の固定型無線ルーターを設置する方法もありますが、ちょっと面倒な事が多い事から、今回は省いてお話をします。)

携帯電話大手3社の海上サービスの違い

スマホが未だ無い頃に海上で最も携帯電話の繋がり易かったのはNTTドコモでした。理由は、元は公社として日本全国に電話通信設備網があり、携帯電話サービスを最も早くから開始していたことから基地局が最も多く、漁村や諸島部での利用ができるように基地局整備も早くから行っていたからです。それに比べて他の2社は都市部から独自に通信設備網を拡大してきたことがあり、海や山間部などは弱い傾向にありました。近年では、3社共にサービスエリアに違いは少なくなってきていますが、やはり海上利用という面ではNTTドコモは他の2社より進んでいることは否めませんし、海上利用を最も積極的に推進しているのもNTTドコモです。

以下に各社のサービスエリアマップを表示します。写真をクリックすると各社のサービスエリアマップのページにリンクしていますので、詳細はそちらでご確認ください。

NTTドコモ サービスエリア

NTTサービスエリア

au サービスエリア

auサービスエリア

SoftBank サービスエリア

softbankサービスエリア

安定的に繋がるのは沿岸及び平水区域

エリアマップからわかることは、船の航行区域で言うところの概ね「沿岸区域及び平水区域内」であればインターネット接続はほぼ可能だということが言えます。

地図上では、NTTドコモが最も良さそうに見えますが、サービスエリアマップ上ではそうなっていても、実際にはNTTドコモは基地局数が多いことが逆に仇になっていて、先に説明したように電波同士の干渉により繋がりにくい状況があるのが現実です。逆に基地局の数が少ないSoftBnakやauの方が、安定した送受信ができる場合もあって、実際には何処の会社が最も良いとは単純には比較し難い状況があります。

モバイルルーターサービス提供会社

ヨットで携帯キャリアの通信網を使ってインターネットを使う場合には、「スマートフォンのテザリング機能を使う」か「モバイルルーターを利用」してインターネットへの接続を行うと説明しましたが、「モバイルルーターを利用」する場合、携帯キャリアが個々にモバイルルーターを準備しています。また、キャリア以外にモバイルルーターを専門に提供している会社(以下、MR会社)があります。この会社は、携帯キャリアの回線を利用してモバイルルーターのサービスを展開していますが、MR会社も複数あってMR会社ごとに使っている携帯キャリアの回線は異なります。単に携帯大手3社のうちの何処か1社のリセール(再販売)をしている会社もあれば、自社で基地局展開しながらも、自社でカバーできない部分を携帯キャリアの回線を利用している場合もあります。

それらのMR会社の中で、携帯キャリア全ての電波を利用して、その中からその時に最も良い電波を選んで繫ぐという方式をとっているMR会社があります。このような形のMR会社のモバイルルーターを使うと、携帯キャリアの何れかを使う側が事前に選ぶ必要がないですし、最も良い電波を勝手に選んで繋ぎ変えてくれるので、事実上、最もサービスエリアが広くなるということにもなります。また、3社共に繋がりにくい場所のときには仕方ありませんが、ルーター自身が最も良い電波を選んで繫ぐ機能があるので電波同士の干渉による繋がりにくさも少ないというわけです。

更に、インターネットの利用で気になるのは、データ通信量の制限(パケットの上限)です。MR会社はデータ量無制限のサービスを提供している会社が殆どです。これならお徳で安心して使う事ができますね。

モバイルルーター1個あればインターネットできる

ヨットでインターネットをする場合、もう1つ気になるのが設備面です。
電源や配線の問題などなど、悩みは尽きませんが、モバイルルーターを使えばそれ1個で全てが完結します。元々、可搬型であるということもあって、一般的な室内用のルーターよりも丈夫に造られています。また、バッテリーも内蔵しているので充電さえしてあれば配線は使用時には不要です。また、充電の際の電源はスマホと同じようにモバイルバッテリーやシガーライターソケット、AC100Vコンセントなど、様々な電源からの充電が可能です。


但し、モバイルルーターの置き場所には少し工夫が必要です。ヨットのキャビン内の低い場所は水面下になるので、電波が届きにくいのです。モバイルルーターの置き場所は出来るだけ高い場所で陸が見渡せる場所に置く工夫が必要です。(ポートライトの内側で問題ありません。)携帯電話やスマホと同じようにアンテナ表示で電波の強さを表示してくれるので、それを見ながら最も電波の強い場所に移動させて使う工夫が必要です。ハルがFRPのヨットであれば、電波が反射される心配は無いので、キャビン内でも十分に繋がりますが、鉄やアルミなどのハルのヨットの場合には、電波を通さないので、外に面する場所に置いて使う必要があります。

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最後に… MALU号でもモバイルルーター使っています

僕たちは駿河湾をメインゲレンデとしてセーリングしていますが、駿河湾の場合には、清水港から西伊豆の土肥港を結んだ線より内側は、大体モバイルルーターは繋がります。駿河湾の中央部付近だけ繋がり辛くなりますが、それ以外の沿岸は全て繋がります。勿論、マリーナの桟橋に係留している状態では全く問題ありません。
また、我家の場合には、夫婦でそれぞれスマホを持っていて、NTTドコモとSoftBankです。更にモバイルルーター(SoftBank)があるので、1日データ量は、あまり不便を感じたことはありません。しかし、動画サービスなど家にいるように気にせず見るためには、データ量上限なしの使い放題の方がいいですね。
こんな感じで、ヨットでインターネットを使う場合、自分が持っているスマホの会社やSIMの問題、データ量の問題などなど、いろいろと比較検討が必要になってきます。それは、各自のインターネットの使い方によって変わってきますので、其々の状況に合わせたキャリアー選びやSIM選び、MR会社の選択などをすれば良いかと思います。

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