平成30年2月からすべての小型船舶の乗船者にライフジャケットの着用を義務化する法律が施行されました。それまでは義務では無かったのですが、安全意識の高いヨットマンは義務化される前からライフジャケットは着用していました。
僕たち夫婦は、最初に乗ったヨットで着用はルールだったので、着用が義務化される以前から自分のライフジャケットを持ちあたりまえのように着用していたので全く違和感はありませんでした。でも、義務化になってこれまで使っていたライフジャケットが国交省承認品(桜マーク付き)では無かったので使用できなくなったはとっても残念でなりません。
僕たちの使っていたライフジャケットは世界的に最もタフな環境でも救命率が最も高いと言われる製品で国際外洋ヨットレースでも使用できる国際基準でハイカテゴリーのものだっただけに、日本の海で使えなくなったのはとても残念でならないです。国交省の定める基準はこれまで着用していたものより基準が低いので正直なところちょっと複雑な気分ですが、僕たち夫婦も国交省承認品を新たに購入し使い始めました。
今回は、義務化になったライフジャケットに関する説明をしておきたいと思います。
国交省の定める基準
小型船舶乗船時に使用するライフジャケットのタイプはA,D,F,Gの4種類あり、大雑把に言えば岸からどれだけ離れて航行するかによってレベル(タイプ)の高いものを着用しなければならないということになっています。
タイプ別ライフジャケットの基準
TYPE-A
全ての小型船舶に法定備品として搭載することができるタイプ
黄色やオレンジ色などの発見されやすい色であること。
サーチライトを反射する反射材がついていること。
存在をアピールするための笛(ホイッスル)がついていること。
浮力が7.5kg以上あること。(小児用は「※1」)
TYPE-D
平水区域、2時間限定沿海区域及び沿岸区域を航行区域とする小型船舶(旅客船を除く。)及び
水上オートバイ等に法定備品として搭載することができるタイプ
色に制限なし。
サーチライトを反射する反射材がついていること。
存在をアピールするための笛(ホイッスル)がついていること。
浮力が7.5kg以上あること。(小児用は「※1」)
TYPE-F
平水区域、2時間限定沿海区域及び沿岸区域を航行区域とし、かつ、一定の諸条件(「※2」参照)に適する小型船舶(旅客船を除く)及び水上オートバイ等に法定備品として搭載することができるタイプ
色に制限なし。
浮力が7.5kg以上あること。(小児用は「※1」)
TYPE-G
小型船舶用浮力補助具のことです。
これは、平水区域を航行区域とし、かつ、一定の諸条件(※2参照下さい。)に適する小型船舶(旅客船を除く。)及び水上オートバイ等に法定備品として搭載することができるタイプ
色に制限なし。
浮力が5.85kg以上あること。(小児用はない)
※1:小児用ライフジャケットは、次のように小児の体重毎に浮力を分けている。
体重40kg以上 浮力7.5kg以上
体重15kg以上40kg未満 浮力5kg以上
体重15kg未満 浮力4kg以上
※2:「一定の諸条件」とは、次の条件を指す
不沈性能(船内に十分な浮力体があり沈まない構造)があること。
緊急エンジン停止スイッチ(操船者が落水時にエンジンが自動停止するもの)があること。
音響信号器具(笛、ホーン等)を装備していること。
僕たち夫婦が今使っているもの
僕たちは写真のようにベスト型のTYPE-Dを使っています。これと同じ形のTYPE-A(全体がオレンジ色)は船検対応のために船に搭載しているので、TYPE-Aが必要な海域に出るときにはそちらを使います。普段のセーリングには見た目重視でとりあえずこれを購入。ベスト型の良い点は、いろんなところに凭れ掛かっても背中が痛くならないことや、体を保護してくれること、とっても軽くて肩が凝らないこと、落水してもそれ自体が浮力体なので故障等の心配やメンテナンスが全く無用なことです。そして、とっても安いのことも魅力です。
夏場は僕は暑がりなのでTシャツを脱いで地肌に直接これを着ましたが、なかなか快適でした。今後もっと日本の技術でデザイン性が高く嵩張らずハイスペックなものが出てくることを願ってます。
他にもいろんな種類があります
ライフジャケットは僕たちが使っているようなベスト型以外に、お坊さんが肩から掛けている袈裟のような形をしたものや腰回りに巻いて着けるものもあります。これらは落水時に自動(または手動)で中に入っている浮き具を小さなガスシリンダーのガスを用いて膨らまし浮力を確保します。この形のライフジャケットは、定期的なメンテナンス(ガス交換など)が必要になります。また、浮き具は浮き輪と同じようなものです。鋭利なもので穴があいたり、普段は折りたたまれて収納されているので経年劣化などで展開時に浮力が確保できないことも考えられますので、定期的な点検メンテナンスは欠かせません。
最後に
ヨットはヒール(風下に傾斜)して帆走し、足元が不安定な揺れるデッキ上で作業することも少なくありません。落水する可能性も否めないので万が一の落水時には確実に自分を守ってくれるものです。装着義務化には大賛成です。
万が一の時のために、ライフジャケットごとに使用方法や着用方法に違いがあります。使う製品ごとに正しい使用法、装着法がありますので、よく理解したうえで正しく装着するようにしましょう。
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