MALU号に乗り始めて5年、あまり遠出はしないのですが、回航も含めていろんな経験を一通りはして夫婦で駿河湾の中をちまちまセーリングしているわけです。天気が良くてまあまあ良い風が吹き波もうねりも少ない日のセーリングは癒し系で僕たち夫婦にとってはホント寛げる休日のセーリングとなるのですが、対岸の伊豆半島に遊びに行くと、何故だかいつも「行きはよいよい帰りは荒れ荒れ」と言うことが多くて、ホームポートの清水港の灯台が肉眼で見え始めると、どん深の海が急激に浅くなってくることもあって、風だけなく潮廻りもあってか変な波が立ちはじめたり風も急激に上がってきたりで、最後の最後に大変な思いをすることもしばしば…。そんな経験を懲りずに何度もしていると、何となく今日はどんな感じの入港になるかが海の様子を見ているだけで遠目に想像できるようになるもので、最近では乗り始めた頃よりは余裕をもっていろんなことが見えてくるようになってきます。

そして、何年か前からちょっと気になり始めていたのが、ヨットのマストを支えているリギンの中でも両脇にあるシュラウドの様子で、停泊している時には特に緩みを感じないのに、強風時のセーリングでは風下のシュラウドがプラプラと緩んでいる様子が気になり始めたのです。

いい感じの風での緩いセーリングでは全くそんなことは起きないので気にもならないのですが、大抵が波がざぶざぶ風がビュービュー、あーこんなセーリングは嫌だぁ~って思いながらスプレーを被るような状態の時に限って風下側のシュラウドがプラプラしているのが目に入るのです。まあ、初心者の頃はそれどころでは無く操船で精一杯だったわけで、そんなことは気付きもしなかったということだと思います。

そして、このシュラウドの張り具合、何か目安という物が無ものかとかねがね思ってはいたのですが、我がMALU号には取り扱い説明書と言うような物は無いし、Webなどを検索して目安となりそうなものを探し回ったのですが、残念ながら僕が欲しい情報を見つけ出すことは出来ませんでした。そこで思い付いたのがSNSの力を借りての質問です。Facebookに「ヨット遊びしようぜ!」というグループがあり、現在登録者数は8,000人を超えていて、日本国内にあるヨットの登録数が9,300隻余りしかないことを考えると殆どのヨットオーナーが登録しているのではないかと思ってしまったりするようなグループです。そこで質問を投げかけてみたら、あっと言う間に丁寧に教えて下さった方がいました。ホント、凄い時代になりました。

折角の貴重な情報ですので今回は、そのFacebookでの回答文やシュラウド調整に関して自分なりに調べてみたことを、自分へのメモ代わりも兼ねて書いておきたいと思います。

目安となるシュラウドの状態は?

風の強さ(TWS)15ノットでフルセイル状態、クローズホールド、オーバーヒール直前の状態であれば、風下側のサイドリギンがブラブラは普通のことだそうです。
10kt で触って緩みを感じる
12kt で触って明らかにテンション抜けてる
15kt 目視でも確認できる
と言うのが大体の目安になるようです。

また、この時の注意点としては、リグチューニングをする時には、最大のスタビリティー状態(最大人員&最大登載)で行うのが基本だそうです。少ないスタビリティーでチューニングを行うと、スタビリティーが大きい時にオーバーベンドする(マストが規定以上に曲がる)ことがあるそうです。
また、マストのサイドベンド(横向けの曲がり)の量はマストの太さの2倍を超えない程度に抑えるそうです。
レース艇に比べてクルージング艇は、緩めに設定するそうです。設定がタイト(きつい)だと艇の反応がピーキーになるので優しく設定するのだそうです。

マストが真っ直ぐ立っているかの確認方法

そもそもマストがちゃんと直立しているのか、つまり左右に傾いていないかを確認する方法はメインハリヤードを使って確認します。

➀ マストの真横にあたる位置に左右基準点を設定します。(左右対称の位置にスケールで図って場所を決めます)
➁ メインハリヤードをしっかりと張るように引っ張って、片方の基準点に当てて、メインハリヤードのシートストッパを固定します。
➂ もう片方の基準点にメインハリヤードのシートを持って行き基準点に当ててみます。
➃ 基準点に当ててみて、「届かない」または「余っている」と言う状態の場合には、マストが傾いているということになります。
➄ 「届かない」場合には、反対側に傾いていて、「余っている」場合には、こちら側に傾いているということです。
【注意】
➀の左右の基準点は、左右対称の位置になるように設定しますが、ハリヤードが途中何かに触れたり、折り曲がらないような位置に基準点を設定します。
➁のメインハリヤードを引っ張る時には、同じ力で左右引っ張るようにします。マストトップから基準点までは、かなりの長さになるので、ハリヤードの自重でたわみが出来るので、注意が必要です。

マストの撓り曲がりの確認方法

マストが直立していると言っても、マストは何本ものシュラウドで左右から引っ張られている関係で撓り(しなり)や曲がりが生じます。これを真っ直ぐな状態に調整する必要があります
それを確認するためには、マストのグルーブ(マストの溝)をブームの上からマストトップに向けて見て確認します。
下からグルーブに沿って顔を当てて、覗く感じで見上げるとグルーブが湾曲しているのが確認できます。
これで湾曲が部分が無ければ、真っすぐに立っているということになります。

シュラウドのテンションの調整方法

マストの左右にあるシュラウドのテンション(張り具合)の調整は、シュラウドの根元に付いているターンバックルで調整します。ターンバックルはその名の通りバックルを回すことでシュラウドの長さを調整する形で張り具合を調整します。先に書いたマストの傾きや撓り曲がりの調整は、このターンバックルを緩めたり締めたりすることで各部を調整をします。
そして、マストが直立して、撓り曲がりの無い状態に調整した段階で、いよいよシュラウドのテンション(張り具合)を適正値にチューニング(調整)するわけです。

一般的なセーリングクルーザのシュラウドのテンションは、シュラウドのワイヤー破断強度(ブレイキングロード)に対して一般的には15%程度が適正値とされています。(マストヘッドリグは15%程度,フラクショナルリグは20%程度)
ワイヤーの破断強度は、以下の通りです。
[一般的なヨットに使用されている 1×19 316ステンレスワイヤーの場合] 5mm:2000kg,6mm:2880kg,7mm:3550kg,8mm:4840kg,9mm:5870kg,10mm:7250kg
[Nitronnic50 高強度ワイヤーの場合] 0.172LBS:4700kg,0.198LBS:6300kg,0.225LBS:8200kg,0.250LBS:10300kg,0.281LBS:12500kg,0.330LBS:17500kg,0.375LBS:22500kg
※古いマストヘッドリグのヨットの場合には、1×19 316ステンレスワイヤーが殆どです。

シュラウドのテンションを測る

張り具合を測るためには計測器が必要になります。
ヨット用のスタンディングリギンのテンションを計測するためには、専用の計測器を用います。
TENSION GAUGES
このテンションゲージはLOOSと言う会社のゲージで、今のところヨット用のテンションゲージとしては、セイルメーカーもこのゲージを推奨品にしています。
使い方については、LOOSのサイトで説明されています。https://loosnaples.com/how-tos/tension-gauges/pt/
.
このサイトは開くと下の方に旗のイラストが出てきますので、日の丸をクリックすると日本語でも見ることが出来ます。
また、動画でも使い方を紹介していますので、両方を参照すれば実際の使い方は解ると思います。

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(AmazonとYahoo!では取り扱いが無いようです。)

最後に…

マストの調整(マストチューニング)は、セイルを新調した際などにセイルメーカーがサービスでやってくれたりします。彼らは、そのオーナーの船や乗り方によって調整をしてくれますので、そのような機会には是非相談してみると良いと思います。
また、ここに書いた数値等は、あくまでも一般的な数値ですので、所有するヨットに説明書等がある場合には、そちらに従って調整を行うようにしましょう。

滅多に起きないことではあるんですが、シュラウドが明らかにゆるかったり、ちょっとヒールしただけでブラブラだったり、あまり強い風でセーリングしてないのにマストやシュラウドがバタつくような状態の時には、できるだけ早急に調整を行わないと、デスマスト(マストが折れてしまう)してしまうこともあるそうです。大切なヨットを長く楽しむためには、こういう部分も大切ですね。僕も早速チェックを始めてみようと思っています。

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