ハワイのサンセットクルーズ艇の話を連続してご紹介しました。その時にいきなり出てきたカタマラン型ヨットの話ですが、ヨットには大きさ以外にハル(船体)の数の違いによる種類もあります。複数の胴体を持つ船をマルチハル艇と言います。ヨット以外の一般の大型船ではマルチハルの船は殆どみませんが、ヨットの世界ではマルチハル艇をマリンリゾートなどではよく目にすることができます。

そこで今回は、ハルの数によるヨットの種類についてお話ししたいと思います。

マルチハルとは

通常の単胴船をモノハル(Monohull)艇と呼ぶのに対して、複数の胴体を横に並べ胴体の間を枠でつないだ多胴船をマルチハル(Mulutihull)艇と呼びます。
マルチハル艇には。横に二つ並べた「カタマラン」(Catamaran)とモノハルに自転車の補助輪のように両脇に少し小型のハルを2つ付けた「トリマラン」)(Trimaran)の二種類があります。

出典:https://www.cata-lagoon.com

カタマラン

ビーチリゾートなどでよく見るカタマランですが、語源はタミル語(東南アジアで使われる言葉)のkatta-maram「縛った材木」を意味する言葉です。木をくり抜いて作った船は安定性がないために横に並べて縄で縛った船が古代から多用さて来たことから、カタマランと言われ使われてきたのが語源です。

カタマランの特徴

先に書いたように、二つの船体を横に並べることで、波のある海でも安定して走ることができます。また、現代のヨットで言えば、モノハルのヨットは風や波で横倒しにならないために船体の30%~50%の重さのバラストキールを船体にぶら下げていますが、カタマランの場合にはその必要がないため、船全体の重さを軽くすることができ、その分早く走ることができます。また、バラストキールが無いので水深の浅いところに行くことができ、更に横幅を広くとることができるので多くの人や荷物を載せることもできるという利点があります。その反面、いちど横倒しになってしまったら全く復元性はありません。また、波に船首が突っ込みバランスを崩し前後に倒れてしまうこともあります。つまり荒天時の帆走性能はモノハルに比べてかなり低いという事が言えます。

スピードを速くすることができる

カタマランの中でもスピード重視の船は左右の胴体の幅を薄くし水の抵抗を少なくすることで早く走ることができます。また、左右の胴体の間隔を広げることで安定性を高くし風に対する復元性を高くすることで、より大きなセイル(帆)を付けて走らせることができることから、近年のアメリカズカップ(ヨット界最高峰のスピードで争う海のF1レースとも言われる)ではより高速化するためにカタマランタイプの船が使われるようになりました。

ビーチリゾートなどで多用されている

水深の浅いサンゴ礁の島の周辺の海や砂浜のビーチに囲まれた島などでその利点を活かして多用されています。また、カタマラン型のクルーザーは、左右の船体幅も大きくすることで、居住スペースや船室数を増やすこともでき、更に左右の胴体を繫ぐ上部のキャビンを広くとることができるので、多くのビーチリゾートでクルージングヨットやチャーターヨットとして活用されています。

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トリマラン

トリマランは通称で正しくはトライマランと言います。トライは英語のtriから来ている言葉でトリプルやトライアングルなどの「3」を示す言葉です。3つの胴を横に並べ繫ぎ合わせることからトライマランと言われるようになりました。

トリマランの特徴

基本的にカタマランとトリマランの機能的な利点や特徴は同じで、トリマランの方がより幅広く横に広げることができることで、風に対する復元性をより大きくでき、それによってより大きなセイル(帆)を付けることができるので、より早く走ることができることが最大の特徴です。
トリマランの場合、スピード重視な面が大きく、それ以外の目的でトリマランするケースがあまり見られません。

ヒールさせて走るマルチハル艇もある

大型のマルチハル艇(主にクルーザー)はモノハル艇のようにヒール(風圧による艇体の傾け)させて走ることはありませんが、カタマランディンギーやレーシングマルチハル艇はスピードを上げるために横転する限界点までヒールさせて走らせます。カタマランディンギーなら横転しても何とか起こすことが人手でできますが、大型マルチハル艇では横転した場合起こすことはできないので、限界点での操船が必要になります。

最後に

大型のマルチハルヨットは1隻数億円もするので、なかなか乗れる機会は少ないのですが、先にご紹介したようなハワイや世界中のビーチリゾートでは乗合船として気軽に乗ることができます。しかし、本格的なセーリングをしてくれるところは少なく、大体の船が遊覧船のように機帆走で走る物が多いです。もし本格的なセーリングツアーをしている船があれば迷わず乗っておくことをお勧めします。

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