年々、異常気象とも言える気温の上昇やゲリラ豪雨、そして時季外れの台風など、とにかく日本の気象状況は大きく変化しています。ヨットは海という自然相手の遊びですから、天気(気象)とは切っても切れない関係です。セイリングをするうえで気象情報による出港等の判断は非常に重要になってきます。しかし、一般の天気予報は陸上生活をするうえで必要な気象情報を発信していますが、ヨットを楽しむで際には情報不足です。ヨットを楽しむ上で必要な気象情報といえば、気温や晴れ雨などの天気の情報も必要ではありますが、出港の判断に最も影響するのはやはり「風」、「波」です。風と波を判断するには、天気図を見たり、海上予報を取得したりと、大型船が取得するような気象情報もありますが、ロングクルージングにでも出ない限りは、参考程度にかなりません。ヨット楽しむ人の殆どが沿岸の近場の海域の海上情報が欲しいわけですから、あまり広域の情報を見ても参考程度にしかならないわけです。よくあるのが、雨予報でも海上のあるエリアは非常に晴れていたり、部分的に雨が降っていたり、風向きや波の状態も行く先によって変化します。このような情報を細かく気象庁等が発信する気象情報では網羅できません。しかし、近年では民間の予報会社が出現し、様々な用途向けに細かな気象情報を発信するようになりました。また、パソコン以上にスマートフォンの普及が後押しし、様々な専門サイトやアプリがリリースされています。
僕たち夫婦もヨットを始めてから、様々な専門気象情報サイトを参考にしてきました。今ではスマホに気象関係のアプリだけで10個近くのアプリが入っていますが、その中でも普段使っているものは幾つかに限られてきます。また、アプリではなく、ホームページ(サイト)として運営されているものもありますので、それを1つのフォルダーのまとめて出港前や海上で見て、適宜判断するようにしています。
そこで、今回はヨットを楽しむために参考になるオススメ気象情報を幾つかご紹介したいと思います。
Contents
無料で全国約8000箇所の情報「海天気.JP」
セイリングするなら、これは絶対に使うべき MALU SAILING 絶対オススメの気象情報サイトが、「海天気.JP」です。
海の天気予報、波浪予測(波の高さや向き)、潮汐などの最新気象データをピンポイントで全国約8000箇所の情報を見ることができます。
(最初の画像の二段目の左側のアイコン)
このサイトはアプリではなく、ウェブサイトですのでスマホやタブレットなどに入れる場合には「ホーム画面に追加」で登録すると、アイコンが表示されるようになります。
※詳しくは、それぞれのスマホやタブレット端末の説明を参照してください。
このサイトの凄いのは、全国の主要なヨットハーバーやマリーナをポイントとして掲載していることですが、更に凄いのが海上情報もポイントとして表示されることです。マリーナや港の他に「〇〇沖」と MY POINT の並びに書かれていると思いますが、これが海上の情報にあたります。※この写真に出ているポイント箇所名は、検索して表示させた履歴が表示されます。
ですから、自分が発着する港の状況や、これから出て行こうとする海域の状況まで見ることがが可能なのです。
予報は1時間、3時間の単位で「天気」「降水量」「気温」「雷」「風(風向、風速)」「沿岸波浪」「潮汐」を72時間先まで見ることができます。
「雨雲/雷」「エリア実況」
上の写真は「雨雲/雷」と「エリア実況」のページです。
「雨雲」は白、ブルー、青、黄色、オレンジ、赤で雨の激しさを指しています。この画像は、巻き戻し(10分毎、30分毎、1時間毎)、予想(10分毎、1時間毎)を動画形式で見ることが出来るので、雲の流れを把握することができます。
「雷」は上の雷のボタンを押すと、雷の活動の状態をポイント表示します。
「エリア実況」はエリアの風、気温、香水、日照を一目で見ることができ、過去24時間さかのぼって表示することもできます。
「台風/天気図」「潮汐」
「台風/天気図」は、実況予想天気図、週間予想天気図、台風経路図を実況、24時間予想、48時間予想でそれぞれ表示することができます。
「潮汐」はグラフと時間ごとの数値一覧表で見ることができます。
「波シュミレーター」「沖合の波」(ピンポイント)
「波シュミレーター」は、波高、波高+波向、波高+風向で、広域、スポット周辺を切り替えて表示でき、48時間前からの推移を見ることができます。
「沖合の波」(ピンポイント)は、48時間先までの3時間ごとのピンポイントSWELL予想値をグラフで表示します。(ピンポイントのうねりの状況)
「海水温」「潮流」
「海水温」は色で現在の海水温を表示しています。
「潮流」は動画形式で潮流の状態を示しています。色の違いは潮流の速さを示しています。
海天気.JP まとめ
以上のように、ワンストップでこれだけの情報を網羅しており、更にこれで完全無料というのも凄いことです。自分のよく行くポイントは登録しておくことも可能ですので手間もなくワンタッチで表示することができます。
海天気.jpは、アプリではなくWebサイトなので、iPhone、Android、Mac、Windowsなど、OSに関わらずWebが表示できる機器なら、全て使えるのも嬉しいところです。
世界の気象情報を視覚的にとらえる情報ツール「Windy」
「Windy」は気象アプリとしては、かなり話題になったものなので、既にご存知の方も多いかと思いますが、ヨットをやるならスマホには必ずWindyを入れておくことをオススメします。先にご紹介した「海天気.JP」もサイト内で「Windy」の情報を利用している程、メジャーな視覚的気象情報サイトです。
Windyという名前の気象アプリは幾つかありますが、下のアイコンのアプリです。Webでも閲覧は可能ですが、スマホで見るならアプリをインストールすると使い易いです。
Windyの特徴
ECMWF(ヨーロッパ中期予報センター)、GFS(アメリカ海洋大気庁)、MBLUE(Meteoblue)の3つの気象予測を比較して検討することができます。それぞれに気象予測のパターンが異なるので、予測も若干異なりますが、世界中の気象予測をポイントごとに見ることが出来ます。
地図上の任意の場所について、次の詳細な天気情報を表示することができます。
•基本予報–温度、雨と雪の量、風速、最大瞬間風速、風向
•風予報–気象モデルを一度に比較
•メテオグラム–温度と露点、風速と最大瞬間風速、気圧、降水量、高度雲量、雲底
•エアグラム–さまざまな高度での雲、温度、雲量
•波の予測–風の方向、風速と突風、波の方向と波の高さ、うねりの方向とうねりの高さ、うねりの周期
•予想期間–現在時から10日後迄の予想を表示
•アニメーション表示–風の向き、波やうねりなどをアニメーションで直感的にわかり易く表示
海天気.JPのアニメーションをWindy見る
Windyは非常に多くの機能があり、海専用というわけではありませんので、普段の陸上の予報も見ることが出来ます。海での使い方としては、海天気.JPはWindyのアニメーション表示を利用しています。つまり、より詳細な情報を見たい時や広範囲に画面表示させて検討したい場合にWindyを使って表示させれば、使い勝手が非常によくなるわけです。
また、Windyのアニメーション表示は現在時間から10日後までの1時間毎に表示できますので、天気図をパラパラ漫画のように連続で見ることが出来るわけです。
ヨット乗りにオススメの設定
Windyは非常に機能が多いので、最初はとても戸惑ってしまいます。しかし、設定さえしっかりを行えば、とても便利な気象予測ツールになります。
そこで、オススメの設定をご紹介します。
1. 画面の右下の方に、家のマーク(ホーム)、三本の横線(メニュー)、虫眼鏡(検索)の3つのアイコンがあるので、三本の横線(メニュー)をタップします。そうするとメニューが開きます。
2. メニューをスクロールさせ下の方に移動すると「地図で表示」という項目グループが出てきます。ここが地図上の表示設定をする場所です。
3. この中の「粒子アニメーション」と「等圧線」のスイッチをONにします。
4. 更に下の方に「設定」という項目グループが出てきます。ここが単位設定になりますので、Kt と ℃ を選択します。これで、風速はノット表示、温度は摂氏での表示になります。
5. 次に上に戻って「< その他のレイヤー」という部分をタップすると次の設定画面が開きます。ここには41項目の設定がありますので、必要な物をタップしてから左のスイッチをON/OFFします。
6. ヨットで必要な情報は、「レーダー、雷」「風」「最大瞬間風速」「雨、雷」「雷雨」「気温」「湿度」「雲」「霧」「視界」「波」「うねり」「風浪」「海水温」「海流」「気圧」「気象警報」をONにします。
7. 設定が終われば、メニューウインドウの横の赤丸に✖のアイコンを押せば、メニューは閉じます。これで設定完了です。
Windy まとめ
Windyは、設定が多いので、画面表示も多彩で、ここではご紹介しきれないですが、基本的にWindyも完全無料のアプリですので、気軽に導入していろいろと触ってみると、気象の移り変わりがこんな感じなんだという事も解ってきたりします。
Windyは、画面を見ても広告などの表示が一切ありません。また、アプリも無料となっていますが、運営資金を寄付で補っている関係でメニューの最上段に「寄付」の項目が表示されています。是非、協力したいものです。
最後に…
海の気象情報と言えば、気象庁のサイトメニューに「防災情報」というところがあります。その中に海洋と言う項目があります。これは日本独自の海洋気象情報ですので、こちらも見逃さないようにブックマークまたはスマホのホーム画面に入れておくと良いでしょう。
出港の判断は最終的には船長の判断になります。気象情報では予測や表示がしきれないことも沢山実際の海ではあります。こういった時に、やはり様々な情報を組み合わせて判断することになりますので、このような気象情報を十分に活用して安全なセイリングをして頂きたいと思います。
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