MALU SAILING を始めて7年が経ち、記事数もかなり増えてきました。
もともとこのブログは、ヨットオーナーとして初心者だった僕が、自分のヨットを操船・維持管理するために調べたことや、ヨットに乗り始めた頃に不思議に思ったこと、わからないことを調べた結果など、自分用のメモ代わりに書き貯めたものを、その後、内容を整理して初心者ヨット乗り向けの情報ブログとして形を整えてやってきました。

僕自身はディンギー(エンジンのない小型競技ヨット)の経験が全くなく、いきなりセーリングクルーザーからヨットを始めたため、基本の「き」的なことは、初めてヨットに乗った時に先輩ヨット乗りの方々に乗るたびに教えて頂きました。ただ、もともと乗り物好きということもあってヨットについて多少は想像がついたのですが、ヨットを全く知らない人がどんな疑問を抱くのかまでは正直よく分かっていませんでした。

そこで今回は、過去のアクセス記録からどのような記事がよく読まれているか、と言った分析が簡易的にできるようになっていることもあり、そもそもヨットをよく知らない人がどんな疑問を最初に持っているのか、更にちょっと興味が出たきた人が調べる事はどんな事なのかを、簡易的にリサーチしてみて、よくある10の質問としてまとめてみました。

おそらくこれまでの記事のテーマとして取り上げていないことが多そうなので、答えも書いてみましたので是非参考になればと思います。

ヨット初心者のよくある質問

Q1. ヨットは風がないと動けないですか?

エンジンのないディンギーは風が無いと基本的には動けません。しかし、セーリングクルーザーの場合にはエンジンが搭載されているので、風が無く帆を広げなくてもパワーボートのように動かすことができます。これを「機走」と言います。また、風が弱い時や港内を走る時など帆を広げた状態でエンジンも使って走る「機帆走」でも走らせたりします。
但し、セーリングクルーザー用のエンジンは補助的な物であるため、パワーボートのように早い速度で走らせる事はできません。

Q2. セイル(帆)の基本的な張り方・たたみ方は?

ヨットの初心者向けスクールや体験会などでで習う事ができますが、ここでは簡単に説明します。
メインセイル(マストの後ろ側に広げる帆)の張り方は、ハリヤードというメインセイルをマストの頂上まで帆の先端を引っ張り上げてセイルを広げるためのロープを引く事でメインセールが広がります。これを「セイルを上げる」と言います。たたむ時は、このハリヤードを緩めるとセイルが下がってきます。セイルの折りたたみは、セイルを下ろした後にたたみ直したり、下ろしながら折り目を捌いたりします。
また、ジブと言ってマストより前側にある帆も、メインセイルのようにマストの上の方まで引き上げて張るタイプやセーリングクルーザーの殆どではマストから船首に向けて張られたフォアステーの周囲にセールが巻き取られる形で収納された帆を引き出して帆を張ります。

Q3. ヨットはどの方向にも進めるの?

帆を広げてセーリング(帆走)する時は、風に真っ直ぐ向かって進むこと(真上り)はできませんが、風に対して45度程度までなら「タッキング」と呼ばれる方法でジグザグに進むことができます。その他の角度から風を受ける場合は、どの角度から風を受けても進む事ができます。また、セーリングクルーザーの場合には、エンジンを使えばどの方向にでも進む事はできます。

Q4. ヨットは転覆や沈没しませんか?

ディンギーは強風や波うねりなどの影響で転覆する事があります。セーリングクルーザーの場合には重いキール(錘:おもり=バラストと呼ぶ)が船底についており、ディンギーのように簡単に転覆する事はありません。
沈没については、ディンギーでもセーリングクルーザーでも簡単に沈没する事はありません。どちらも転覆したとしても基本的には起き上がることができます。しかし、何かに衝突して船体に穴があいてしまったなどで船体が破損した場合には水が入って沈没してしまったりすることがあります。ヨットはパワーボートに比べて破損が無ければ沈没しにくい構造になっています。

Q5. 初心者が最初に覚えるべきロープワークは?

「クリートヒッチ(係留)」「ボーライン(もやい結び)」「クラブヒッチ(止め結び)」の3つを覚えておけば、ほとんどの場面に対応できます。

ロープワークの基本を知るとヨットがより面白くなる

Q6. ヨットに乗る時に必ず必要な装備は?

ライフジャケットは必須の装備です。
セーリングクルーザーだと、緊急時の通信手段として、VHF無線や沿岸しか航海しないのであれば携帯電話やスマホなど、他にもヨット船体の登録航海区域によって、搭載が必要な物が定められており、沿岸、沿海、近海、遠洋と航行区域が岸から遠くなるほど、非常時の緊急対応のために多くの搭載品が必要となります。(助けに来るまで持ち堪えられるようにという趣旨で装備品が決まっている)

Q7. 出港前に確認すべきことは?

気象予報(風向・風速・波高)、潮汐、航行ルート、飲料水などの確認は必須です。また、セーリングクルーザーの場合には出港前点検として、エンジン関係の確認(オイル、クーラント、その他異常が無いかなど確認)や艤装などの確認も必要です。

Q8. セイルの種類はどう使い分けるのか?

メインセイル+ジブが基本セットです。(ディンギーはメインセイルだけの物もあります)強風時は小さいジブ(帆の面積を小さくする)に、弱風時は大きなジブやジェネカー、スピン(スピネーカー)を使います。状況に応じたセイルチェンジがスピードにも直結します。

Q9. ヨットに免許は必要ですか?</h3

エンジンの無いディンギーは免許不要ですが、エンジンを搭載しているセーリングクルーザーは小型船舶操縦士1級又は2級が必要です。セーリングクルーザー乗りになるなら1級がおすすめです。理由は風さえあればエンジンを使うことなく何処までも行けるのがセーリングクルーザーの最も大きな特徴なので、セーリングクルーザー乗りになるなら断然1級を取っておいた方がいいです。

Q10. 初心者でも一人で操船できますか?

ディンギーは殆どが1人で操船するものですが、セーリングクルーザーは小型であれば少しの練習でディンギーのように1人でも操船できるようになりますが、最初のうちはベテランのヨット乗りに一緒に乗ってもらうなどて、基本操作を学んでから徐々にシングルハンド(単独航行)に挑戦するのが一般的です。サイズが大きくなればなるほどシングルハンドでの航行には技術や経験が必要になるので、あまり大きなセーリングクルーザーで最初からシングルハンドはお勧めしません。

最後に… パワーボート乗りの質問

パワーボート初心者の10の質問 も軽くリサーチしてみました。以下の通りです。

1. 操船は車と同じ感覚でできるか?
2. どうやって着岸・離岸すればいいの?
3. ライフジャケットは常に着用しないとダメ?
4. どのくらいの波までなら安全に出られる?
5. 燃料はどのくらい持つ? 航続距離は?
6. 沖でエンジンが止まったらどうすればいい?
7. 免許はどれを取ればいいの?
8. 船酔いはどのくらいするもの?対策は?
9. 最低限必要な装備は何?
10. 陸上保管と海上係留のどちらがいい?

パワーボート(以下、ボート)の場合の質問はセーリングクルーザー(以下、ヨット)乗りを目指す人でも同じような疑問が多いようです。
答えは個々に書きませんが、ボートの場合と圧倒的に違うのは5番目の燃料の話です。颯爽と水面を滑走するボートは意外に燃費が悪くて驚く人が多いようです。魚釣が目的でボートが欲しいと考える人が多いようですが、一回の出航で近距離をくるっと回ってくる程度なら大して燃料代は掛かりませんが、本格的に船釣りをしようとすると、一度の出航での燃料代が魚屋で高級魚が何匹も買えてしまうくらい必要なので、そのコスパの悪さに驚かれる人が多いようです。その反面、ヨットは一度の出航で燃料代は僅かなので、釣りとセーリングの両面をヨットで楽しめばコストをかなり抑えて釣りだけでなくセーリングも楽しめるのに… 実際にセーリングと釣りの両方を楽しんでいるヨット乗りは少なくありません。また、小型のパワーボートは波にとても弱く、走行中に小さな波でも乗り上げて大きくバウンドしたり、海上に止まっている際には波の影響を受けてかなりローリング(横揺れ)するので、船酔いし易い人は速攻で酔ってしまい釣りどころでは無いですね。その点、ヨットは同じ大きさのボートに比べて重さもあってバラストキールのお陰もあって波の影響を比較的に受けにくいという特徴があるので、海上にのんびり佇むのが割と得意と言えます。
その代わりにスピードはそんなに出ないので時間はポイントに着くまでのボートの何倍も掛かります。サッと出て釣りのポイントまで行き、釣り終えたらサッと戻ってくる。今時の言い方でタイパ(タイムパフォーマンス)を重視する人はボート向きと言えますね。その代わりに時間をお金で買う(高い燃料代を支払う)ということですね。

ヨットか?ボートか?どちらがいいかなんて話になりそうですが、それはその人の考え方や楽しみ方次第で一概には言えません。なので僕はボートにしてもヨットにしても、一度実際に乗ってみて経験者の話を聞いて考えるべきだと思います。

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