前回はヨットライフをスタートするにはいくつかのことを具体的に考え、決めなければならないことについてお話をしました。僕たち夫婦の場合には、前回書いたような選択をしっかり考えてきたわけではありません。それはヨットオーナーに「乗ってみないか」とお誘いを受け、軽い気持ちで乗せて頂いたにも関わらず「クルーにならないか」と言って頂けたからです。僕がそのヨットにお世話になる際にお願いしたのが「妻と一緒にできるのなら」という事で、それも快く妻共々引き受けてくださるという事で、僕たちのヨットライフはスタートしました。
僕たち夫婦のようなラッキーなことが、他の人たちにもあれば良いのですが、なかなかヨットオーナーに出会う事すら簡単ではありません。そこで今回はヨットライフを始めるために「自分が乗ることのできるヨットを探す」方法について触れたいと思いますが、実はヨットに乗る方法は意外にいろいろとありますので、その中でも今回は特にオーナーヨットに乗る方法をご紹介します。
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オーナーヨットに乗る
これは最もトラディショナルな方法です。オーナーが居て船があって、そこに船員(クルー)が集まる。では、クルー何処でその情報を掴んで集まってくるのでしょう。
意外に多くのヨットがクルーを求めている
実は、これは僕たちがやり始めて初めてわかったことですが、意外に多くのオーナーヨットでクルー不足に悩んでいたり、クルーを探していたりします。でも、あまりおおぴっらにクルー募集を目にすることはありません。何故でしょうか?それは長期の景気低迷でヨットが贅沢品だと過剰に言われるようになったからです。ヨットを持つことが一般社会ではある意味ネガティブな感じに捉えられるようになりヨットオーナーたちが周囲の人たちに変に思われたくないという気持ちの表れだと僕は考えています。オーナーからすれば好きなものは仕方ないし、景気が悪くても何とかヨットをやり続けたい。純粋にヨットが好きだから、この人という人が見つかるまでは我慢しようと思っているのでしょう。僕も一本釣り状態でお誘いを受け、僕以降にオーナーが誰かを誘ってクルーにすることはありませんでした。つまり、そういうヨットオーナーの気持ちを理解したうえでクルーを求めているヨットを探せば必ず見つかる筈です。
何処に募集はあるのか
以下に代表的な募集の探し方をご紹介します。中には僕たちが実際にやって乗せて頂けたケースも含まれています。
ヨット専門誌の募集欄
今やヨット専門誌は舵社の「KAZI」一誌のみになってしまいましたが、クルーやクラブメンバーの募集は毎月のように掲載されています。僕たちも、この募集欄で見た船のオーナーに連絡を取って、クルーとしてしばらく乗せて頂いていた経験があります。
ネットでクルー募集を検索
今やインターネット時代ですから、紙媒体よりもネット上の募集の方がオーナーも手軽です。オーナーの匿名性も保ちながら、募集をすることができるので、双方にとって手軽になりました。僕たちはこの方法でも連絡を取ってクルーとして乗せて頂いた経験があります。
マリーナで聞いてみる
マリーナはヨットを単に預かるだけでなく、オーナーのヨットライフをいろいろな形で支援しています。当然、オーナーとの会話の中でクルーを求めているという話や相談などもあったりします。マリーナの担当者は、いろんな船の情報をもっていますから、マリーナのフロントで募集している船が無いか相談してみると良いと思います。また、大きなヨットハーバーにはヨットオーナーの集まりであるヨットクラブもあります。事務局はオーナー達からマリーナが委託を受けてやっている場合が多く、マリーナに相談すれば、ヨットクラブ側に聞いてくれると思います。
ヨットクラブに問い合わせてみる
ヨットオーナーの集まりであるヨットクラブは、マリーナ以外でも存在します。これも今の時代はネットで検索すれば出てくるようになりました。ネット上で参加オーナー募集をしているヨットクラブもあります。このヨットクラブにクルー募集をしているオーナーは居ないか問い合わせてみると、居れば紹介してくれると思います。事務局はオーナーたちの中で選ばれた役員の方がやっていますので、ダイレクトに相談に乗ってくれると思います。
地域のヨット連盟に聞いてみる
セーリングクルーザーの場合には、JSAF外洋〇〇(〇〇は地域名)という各地方連盟があります。この地方連盟に問い合わせてみるのも一つの手段です。JSAF外洋は、各地域のヨットクラブのとりまとめ組織ですから、大きな意味ではヨットオーナーの集まりの上部組織ということです。JSAF外洋の各地方連盟の一覧は、日本セーリング連盟のホームページの加盟・特別団体一覧に出ています。団体名をクリックすると連絡先等の詳細を見ることができます。尚、各県に県ヨット連がありますが、こちらは小型の競技ヨット(スポーツ競技)の県連になりますので、セーリングクルーザーの場合にはJSAF外洋の各連盟に問合せしてみてください。
最後に
いずれの場合でも、募集に応募したり、募集を探したり、問い合わせをすることには行動力が必要です。また、聞きたいことははっきりと質問する勇気も必要です。遠慮してもぞもぞしていたのでは、あなたのヨットをやりたいという本気度も疑われてしまいます。ヨットオーナーやヨット関係者に対して、失礼の無い範囲で遠慮なく何でも素直に質問・相談をすることをお勧めします。