”Welcome on board”

飛行機に乗ったらよくあるアナウンスですよね。

でも、この言葉は本来は船で使う言葉で「乗船を歓迎する」という意味です。

“on board”

“on” は、「~の上に」「~に乗って」

“board” は、古英語で「床板」「板」「船の外板」などを意味する “bord”に由来し、「舷側(げんそく)」という意味です。

「舷側」とは、「船縁(ふなべり)」船の側面のことです。

船着き場から船縁へ板を掛けて乗船する様子が言葉になったようですね。

頭の中で様子、想像できましたか?

ヨットで船縁に板を渡して乗り込むなんて様子は日本ではあまり見かけないですが、
欧米ではヨットを後ろから岸壁に着けて係留し、そこに板を掛けて乗り降りする様子をよく目にするので、板を渡って乗り込んでくる乗船者に対して船長やクルーが出迎えの言葉としてピッタリですね。

飛行機のアナウンスで使われる理由

飛行機の機体のことを航空業界では”ship”(シップ=船)って言います。
交通関連の様々なルールの大元は船から来ていて、陸で自動車が走り出す以前から船は海上交通の乗り物として存在していたことから、交通関係の様々な習慣やルールは海上交通に倣って作られたものが殆どなんですね。
航空業界は最も遅くにできた交通ですが、やはり船に倣っているわけです。
“boarding bridge “って飛行機に乗り込むときに搭乗ゲートから旅客機に渡す橋のことですが、
“boarding”は「搭乗」と訳されてますが、本来は「乗船」です。
まあ、そんなわけで、船で使う言葉が航空業界でもそのまま使われているるわけですね。

現代では、そこから派生して “on board” が  ”aboard” に変化して
船っぽくない日常のシチュエーションはでは”Welcome aboard”って言います。

意味合いは同じなんですが、乗り物系や船に纏わるような語源の場合は”on board”で、
それ以外は”aboard”を使うようです。

最後に…ちょっと余談ですが

会社の経営者を”board member”なんて英語で言いますが、
これは正に海話です。
コロンブスなどの昔の航海は、まさに命がけの冒険だったので、そのことが語源になってます。
ビジネス界という大海原へ会社という同じ船に乗って船出した運命共同体と言うような意味合いで、
“board”の言葉をあえて使っているんですね。

これと同じような考え方で、運命や生活を共にするような関係性の時には、
“on board”とか、”board”の表現がよく使われます。
昔の航海は、狭い船内で何か月も何年も航海しながら共に生活するので、
そのようなシチュエーションに用いられる言葉です。
英文読んでいてこの語句が出てきたら、ちょっと想像してみてください。

ちょっと見る目が変わったかな?

今回はうんちく的な話になってしまいましたが、ヨットに纏わる雑談でした。

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