横浜にあるヨットでクルーとして乗っていた頃、一度だけ体験セーリングの手伝いでクルーとして参加したことがあります。体験希望者は非常に多く、こんなにヨットに乗ってみたいと思っている人たちが多く居ることに、少し驚きを感じました。その時はボランティアのヨットが8隻くらい参加していたと思います。僕の乗っていたヨットには3人の体験者が乗船し、ヨットオーナー以外に説明係の人が乗り、総勢6人でのセーリングでした。2時間くらいのセーリングだったので、体験セーリングとしては充実した内容だったと思います。セーリングを終えて参加者に感想を聞いてみたら、3人共に「とっても楽しかった」「また乗ってみたい」と言って帰ってゆきました。その時、「あー残念だな」って僕は思いました。そこで参加者の人がもう一言、次に乗りたいと思ったらどうしたらいいですか?って一言聞けば、その人のヨットライフが始まったかもしれません。

体験セーリングを有効に活用しよう

体験セーリングは、あくまでも体験乗船なんですが、されど体験だけにあらず。と僕は思います。
何故なら、この体験セーリングを主催していたのは地域のヨット連盟で協力としてマリーナとマリーナ所属のヨットクラブがボランティアで参加しているからです。

マリーナ所属のヨットクラブとは

そのマリーナをホームポート(母港)としているヨットオーナーの集まり(クラブ)です。そのマリーナに係留しているヨットの全てが必ずしもヨットクラブに入っているわけではありませんが、多くのヨットが参加しています。ヨットクラブはオーナーの親睦が主目的ですが、初心者オーナーにとってはベテランのヨットマンである先輩オーナーと出会う良い機会でもあります。ヨットに関する悩み事や相談事、セーリングテクニックのこと、海や港に関することなど、相談相手が近くに居るのは心強いものです。体験セーリングにボランティアで参加するようなヨットオーナーや説明員として参加している人はかなりのベテランヨットマンであることは間違いありません。

ヨットオーナーとの出会いの場

体験セーリングは乗船体験だけど、されど体験だけにあらずと言った理由がここにあります。
体験セーリングを開催する目的は、ヨットをやってみたいと思う人に体験の機会を提供するだけではありません。体験に参加する人とヨットオーナーの出会いの場という目的もあるのです。
僕たち夫婦はたまたまヨットオーナーに出会い、ヨットに誘ってもらうことができたからヨットを始めることができましたが、そんな機会はそうそう巷に落ちてはいません。本当にヨットを始めてみたいと思って体験セーリングに来たのなら、そこでの出会いは貴重な出会いとなるのです。

初めての体験セーリングで楽しいと感じたなら、また次に乗りたいと思うの気持ちはよくわかります。僕たちだって、たった一度のセーリングでヨットをもっとやってみたいと思ったくらいで、僕は始めて乗ったその日にそのヨットのクルーになることを決めたくらいですから。

体験セーリングの次はどうすべきか

その答えは簡単です。

それは、もう一度、体験セーリングに出掛けてみることです。

同じ主催者の体験セーリングに数回行ったくらいなら主催者は参加を遠慮してほしいということは言いません。実際に僕が応援に行った体験会にも複数回参加という人もいましたから、そんなに気にする必要はありません。また、出掛けることが可能なエリアに別の主催者の体験会をやっているならそちらに行ってみるのもいいと思います。なかなか近所で複数の体験会をやっているエリアは限られると思いますが、複数あるなら是非利用してみるべきです。

何故、体験セーリングをもう一度するのか

初めての時は何でもそうですが、あまり冷静に物事を見たり考えたりはできないものです。ヨットに初めて乗って、ロープを引っ張ってみたり、舵を持ってみたり、言われるがままにいろんなことをするのが精一杯で、終えて帰って冷静になってみれば質問すらできてなかった自分に気付きます。また、その時の天候によっては風が無くてセーリング(帆走)できなかったなんてこともあると思います。ですから二度目は次のステップに進むための目的を持って乗ると良いと思います。
複数のヨットに乗ってみることで、オーナーや船によって、かなり雰囲気が違ったりもします。実際にヨットと言っても最新の船からクラッシックな船、大きさも大小さまざまなです。その船ごとに魅力は異なりますので、自分がどんなヨットで楽しんでみたいかということも見えてくるのではないでしょうか。

ですから、一度だけでなく何度か体験会は利用してみると良いと思います。

最後に

体験セーリングは、あくまでも体験(お試し)です。今後のヨットライフをどう送ってゆくかを考えるための参考となる貴重な機会です。この体験セーリングに遊園地のアトラクションのような考えで何度も乗るのはマナーとして如何なものかと思います。主催者やボランティアで協力してくれる人たちも、ヨットの世界に入ってきて仲間になって欲しいという気持ちでやっています。体験セーリングを是非うまく活用して、ヨットライフをスタートさせて頂きたいと思います。

 

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