ヨットを見て回っていた頃の話ですが、その日見たヨットはバッテリーが7本も積んである電気に設備に相当入れ込んだと思われるヨットがありました。業者の方いわく、この7本積みの工事を前オーナーさんが自身で行ったという事で、どんな感じに仕上がっているのかバッテリーがある場所を見せてもらったところ、片舷側のベンチシートの下いっぱいにバッテリーがズラリと並び、何だかこれに触れたら感電死するのではないかというような恐怖感すら覚えるような感じで整然と並んでいました。接続等のケーブルなどはしっかり太いものが使われていて素人作業には見えない仕上がりでした。しかし、これだけバッテリーがあれば、陸電が無いところでも電子レンジなども楽々使えるとの話で、凄いなあとは思ったのですが、これがもしトラブルになってキャビン内に浸水したら、とんでもないことになりそうだなって要らぬ心配かもしれませんが正直なところ思いました。
設備が充実しているのは良いことではありますが、自分がヨットでどのようなヨットライフを楽しむかという事と、船内設備は大きく関連してくると思います。しかし、設備が無いなら無いなりの楽しみ方もあります。オーバースペックな設備は、確かに何でもできそうですが、何かあった時に対処が非常に大変にもなります。できるだけシンプルに、かつメンテナンス性の良い方が、いざというときに自信をもって対処できるのではないかと僕は考えています。

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さて、今回は中古ヨット見に行ったら必ず確認すべきポイントの3回目となる設備編です。設備関係は殆どが電気に関わる部分となります。電気は目に見えないので、苦手な人も多いと思いますが、ここでは正常に動くのかどうかが重要です。

ヨットの電気

電気は目に見えないものなので最もわかりにくい部分ではあります。しかし、現代人の生活には電気は欠かせないものとなっており、それはヨットでも同じです。
セイリングクルーザーには、電源として「エンジン始動用のメインバッテリー」と「ハウス用のサブバッテリー」が2個以上搭載されています。20フィートの前後の小型クルーザーヨットの場合には、バッテリーが1個の場合も稀にあります。しかし、ポータブル電源もアウトドア(キャンプ)の世界では当たり前のように使われ始めていますし、ソーラー発電も簡単にできるようになってきましたので、バッテリーの数が少なくても、面倒な工事無しに電源を準備することができます。

バッテリー&電気配線

先ずはバッテリーの状態チェックです。弱っていたり、劣化しているようであれば、バッテリーは消耗品なので船を手に入れたら全数交換してしまうという考え方でいた方が良いと思います。但し、バッテリーにつながるケーブル類に問題が無いかはよく見ておく必要があります。端子の劣化や接点の締め付けが緩かったりすると、ケーブルと端子の接点部分が発熱して溶けたり、焦げたりしている場合があります。その場合には、端子交換をするつもりでいた方が良いと思います。また、その他の船内配線でも、「溶ける」「焦げる」などの状態を見つけたら、その部分には問題があるという事ですので、配線の交換やその前後の機器や端子盤などまで確認が必要になってきます。

航海灯

マスト灯、両色灯が点灯するか確認します。最近はマストの上に両色灯と船尾灯が一体になった航海灯1個のヨットもあります。球切れ等だとマストに上っての作業になります。また、球替えをするくらいなら、LED型のものがあるので交換を計画した方が良いです。そうすれば、バッテリーの消費も軽減されるし、球切れの心配も減少します。

計器類

計器類が稼働するかを確認します。(水深計、風向風速計、GPS、オートパイロットなど)古いヨットだと、計器類が動かなくなっているというケースが多く見られます。全てを交換するとかなり高額になります。動く場合には、マニュアル類が揃っているかも確認しておくと良いと思います。
エンジン回転計、夜間時のメーター照明、その他、電流計や電圧計、水温系など計器類の作動状況を確認しましょう。

室内灯

キャビン内には各所に室内灯がついています。球切れだけでなく、器具が壊れていないか等も確認しましょう。

船内設備

船内設備の殆どは電動です。船内設備の全てはハウスバッテリーで動きます。
船内設備には、冷蔵庫、清水タンク用ポンプ、ビルジポンプ、温水器(電気で温めるタイプの場合)、ヒーター(暖房)、エアコン、ラジオ(カーステレオが付いている場合が多い)等です。
一応、一通り稼働するかどうか確認するようにしましょう。

ウインドラス

ウインドラスはアンカーを上げ下げするための電動ウインチです。ついていないヨットもありますが、付いている場合にはバウのアンカーウェルの近く又は中にあります。ウインドラスは使用するときには、かなり電気を消耗しますので、必ずエンジンを掛けた状態で動かすようにしましょう。テストで動かす程度であれば、エンジン始動の必要はありませんが、数秒回す程度にしておきましょう。

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水廻り関係設備

セイリングクルーザーには、トイレとギャレー(ミニキッチン)の水廻り設備があります。トイレ内部は、手洗いシンクが付いているヨットもあります。

スルーハルバルブ

スルーハルバルブはキャビンの床下やギャレーのシンクの下、トイレの中という、排水が必要な箇所と、海水を取り込む必要がある、トイレの便器、エンジンの冷却海水の取り込み口に、それぞれ開閉式のバルブが取り付けられています。このバルブのハンドルが老朽化で折れていたり、バルブ内部が固着して動かなくなっていたりするものもみられますので必ず確認が必要です。バルブに問題がある場合には、上架してスルーハルバルブ全体の交換が必要になります。

トイレの給排水ポンプ

トイレの便器の給排水ですが、手動式ポンプと電動式ポンプの2種類があります。手動式ポンプの場合には、ポンプ本体のシール類の経年劣化で水漏れする場合があります。かなり古い船のトイレの場合には、メンテンナス部品が出ていない場合もあります。その際には便器ごと一式交換となります。

エアコン

エアコンは付いていないヨットも多いですが、付いている場合には、稼働するかテストをしておいた方が良いと思います。ヨット用のエアコンは水冷式なので、エアコン本体に海水を引き込みますので、エアコン用のスルーハルバルブもありますので、確認しておきましょう。

清水タンク

セイリングクルーザーにはギャレーにシンクがある場合には、清水タンクも搭載されています。清水タンクへの給水はデッキ上のキャップからホースで水を入れますので、デッキ上のキャップを開閉して確認してみてください。また、タンクや船内のホース類からの漏れが無いかも確認しておくと良いと思います。

ガスレンジ&オーブン

ついてない船もありますが、付いている場合には、コックピットにガスボンベも搭載していますので必ず確認しておくようにしましょう。ガスボンベを搭載している場合には、ボンベは定期検査が必要です。

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船内の水漏れがないかを確認する

先ず、知っておくべきでことは、キャビンの内部は基本ドライであるということです。つまり、床板などを外してみて、船底に水が溜まっていたら、何処かから水漏れがあるという事です。
水漏れには2通りあります。家の雨漏りのように船内の天井や壁に染みが出来ているケースと、船底側のスルーハルなどから漏れているケースです。船内の床板を外す船底に水が溜まっている場合、これを舐めてみてください。塩気が強ければ海水が入ってきていることになりますし、塩気を感じなければデッキ上からの雨漏りなどです。水漏れ箇所が特定できない場合には、それを見つけて止めるのは簡単なことではありません。ハッチや窓などの周囲のシールが弱ってきて雨漏りする場合は直ぐにわかりますので補修もできますが、キャビンやバース内の天井や壁にできた染みは、伝い漏りしている場合が多いので、染みがある直上ではないケースも多いです。つまり、漏れている場所を特定するのは容易ではないので考えられるあらゆる場所のシールをやり直すしかありません。それは購入後にかなり大変な作業になります。天井側や内装に染みが大きくある場合には、あまりその艇はオススメできません。

最後に

3回に分けてお話をしてきましたが、やるべきことの1つ1つは決して難しいことではありません。不具合を見つけたら、その場ではどのくらい修理に費用が掛かるかわからないと思いますので、必ず写真に撮っておいて業者の方に相談されたりしてはどうでしょうか?

僕の場合には、不動期間の長い船は避けるようにしていました。動かし始めると何が起きるか予想がつかないからです。でも、つい最近まで乗っていた船なら、そんなに心配は無い筈です。買ってすぐに乗り出すこともできますし、前オーナーも船の状況をよくわかっている筈ですから、アドバイスをもらう事だってできます。多少の不具合があっても、乗られてきたわけですから、完ぺきではなくてもセイリングするには問題ないということです。あとは、こつこつ自分で直してゆくとか、徐々に修理してゆくということでも良いかとおもいます。

あるヨットが気に入って、業者の方に幾つか宿題でオーナーさんに確認しておいてくださいとお願いをしたのですが、きちんとした返事がないことがありました。そういう船も買うべきではありません。最後は、公明正大にきちんとやりとりしてくれるかどうか、そこがポイントになってくるのではないかと僕は思います。

最後にひとこと、ヨットを探すのも、ヨットの楽しみの一つですし、ヨットライフの始まりでもあります。是非、楽しみながらヨット選びをして頂きたいと思います。

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