夏真っ盛りの8月、近年は地球温暖化の影響でしょうか気候変動も激しく、夏の気温は35℃を超える殺人的な暑さになってきています。
しかし、そんな夏でもヨットで海に出たいと思うのがヨットマンの悲しき性とでも言うのでしょうか、そんな時に大切なのが熱中症の予防と対策という事になります。
我が家は、以前の投稿でも書いたように熱中症で救急車騒ぎになってしまった経験もあって、それ以降は人一倍(いや二倍、三倍、それ以上かな~)暑さには万全の注意を払うようになりました。
まあ、そこまでして暑い夏の昼間に海に出るようなバカなことをしなければいいんですが、きらめく海と青い空を見ていると、何だか船を繫いだままにしておくだけで、何だか人生を無駄にしているような、船が海に出て走ろうよって言ってるような、そんな気がして、「やっぱり船出すか…」ってことになってしまうわけです。
まあ、これも普段は愛艇と離れ離れの生活をしているからこそ、折角マリーナに行ったんだから、出港しないと…っていう気持ちがそうさせるんでしょうけれど…
…という事で、今回は、真夏のヨットで熱中症を防ぐテクニックについて書いてみたいと思います。
Contents
『先ずは熱中症について おさらい』
熱中症は、体の外の温度が上昇することによって、体温が上がり体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温の調節機能が正常に働かくなったりすることで、体温の上昇やめまい、頭痛3月、けいれん、などのさまざまな症状を引き起こす病気のことを言います。
熱中症は重症度によって3つの段階に分けられます。
Ⅰ度(現場での応急処置で対応できる軽症)
大量の発汗、立ちくらみ(脳への血流が瞬間的に不十分になることで生じる)、筋肉痛、筋肉の硬直、足がつる、こむらがえり(発汗に伴う塩分の不足で生じる)
Ⅱ度(病院への救急搬送を必要とする)
頭痛、気分の不快、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感
Ⅲ度(入院して集中治療の必要性のある重症)
意識障害、けいれん、手足の運動障害、高体温(体に触ると熱い、熱射病、重度の日射病)
熱中症の判断と応急処置
前提として非常に気温が高い環境下で「立ち眩み、足などがつる(こむらがえり)、真っすぐに歩けない、体に力が入らない、呼びかけに対する反応がおかしい、痙攣が起きる、からだが熱い」などの時には熱中症の可能性が非常に高いです。
「高体温、発汗が無く触れると熱い、ずきんずきんとする頭痛、眩暈や吐き気、意識障害」などがある場合には重症と判断できます。
熱中症の応急処置
熱中症が疑われる時には、以下の3ステップの応急処置を即座に開始します。
Step1. 日陰で涼しい場所に移動する
日陰の涼しい(風通しの良い)場所に移す(クーラーの効いている室内に入るのが一番です。)
Step2. 体温を下げる処置をする
衣類を脱がせ、体内の熱をできるだけ外に出せるようにします。露出した皮膚に水をかけて風を当てる、氷嚢で首やわきの下、太ももの付け根を冷やす(動脈の近くを冷やすことで全身を効率的に冷やす効果があります。)ことで体温を下げる
Step3. 水分と塩分を補給する
水分と塩分を補給します。経口補水液やスポーツドリンクだと、水分と塩分を同時に補給することができます。但し、意識障害があるときは、気道に水が流れ込む可能性があります。また、吐き気や嘔吐の症状がある時には、胃腸の働きが鈍っているので、口から水分を入れることは避けた方が良いです。
意識が無い、呼びかけに返事が無い時は直ぐに病院へ
意識が無い時や呼びかけに返事が無い時には、重症化していますので、手遅れになる前に病院へ必ず緊急搬送しましょう。
また、自力で水分を摂ることが出来ない場合も病院へ必ず行きます。
応急処置はできたけれど症状が改善しない場合も病院へ行きます。
『真夏のヨットでできる熱中症予防』
真夏のセーリングで出来ることは幾つもあります。それもセーリングクルーザーだからこそできるという事はできるだけ十分に準備しておくことで熱中症を防ぐことができます。
コックピットにはオーニングを必ずつける
オーニングとはテント生地の屋根のことです。ビニトップとかサンシェードなんて言ったりもします。夏場に日陰を作ることは非常に重要です。直射日光が降り注ぐ真夏、先ずはコックピットには必ずサンシェードを取り付けて日陰を確保すると良いでしょう。また、ドッグハウスの入口の上にもドジャーを取り付け、できるだけ日陰をつくるようにします。オーニングやドジャーは光の透過性の良いものは熱も通してしまい不向きですので、厚手の紫外線にも強いマリン用の生地(サンブレラやウエザーマックスなど)が最適です。
清水タンクは満タンにしておく
クルーザーならではの装備が清水タンクです。艇によってはシャワーを装備しているクルーザーもあると思いますので、清水タンクを満タンにしておけば、シャワーで水を浴びたり、頭や顔など濡らすこともできます。
追風航行をできるだけ避ける
追風航行はヨット上では無風状態になってしまい、非常に暑いです。できるだけデッキ上を風が抜ける、クローズホールドからアビームで航行すると風が体にあたって涼しくセーリングできます。
また、風が無い時には無理をせずに機走に切り替えて船を走らせることで進行方向からの風が起きます。船で海上に浮いて止まっている状態は地獄ですから、できるだけ避けたいものです。
大きめの保冷ボトルで飲み物を準備する
やはり水分補給は非常に重要です。我が家は1回のデイセールでも二人で1リットル以上の麦茶を飲んでいます。ラットの脇に水筒を下げておいて、マメに飲むようにしています。水筒の中身が無くなったらキャビンの冷蔵庫から水筒に補給するようにしています。
余談になりますが、ペットボトルの飲み物をコックピットのドリンクホルダーなどに放置しておくのは非常に危険です。炎天下ではあっという間にぬるくなります。また、封を開けて直接口を付けて飲むことで、残った飲料は外気に温められて一気に細菌が増殖し、そんな状態の飲み物を飲んで食中毒になるというケースが増えているそうです。これでは熱中症対策どころではありません。この対策として非常に有効なのが保冷の効くボトル(昔でいう魔法瓶型の水筒)で外が暑くても冷たい状態をキープできるようにすることで飲み物の温度上昇による細菌の増殖を抑えることができ安全に飲むことができます。
我が家では、ハワイ旅行で買ってきたハイドロフラスク“HydroFlask” 40oz Wide Mouth w/Straw Lid(約1.2リットル)のタイプを使っています。ストローリッドは、吸い口を立てるだけで水筒の中の飲み物を水筒を傾けることなく飲むことができるので、いちいち蓋を開けて飲む必要がなくラットを片手で持ったまま容易に飲むことができ、中の飲み物は1日は冷たい状態をキープしているので、とても重宝しています。
ハワイのローカルの人達の間で大流行しているハイドロフラスク(真空断熱のステンレス保温ボトル)は最近では日本でも買えるようになりました。残念ながら我が家が使っている40ozボトルは日本では販売がありませんでしたので、32ozボトル、ストローリッド、パラコードハンドルのリンクをそれぞれ張っておきますのでご参照ください。ハワイではもっと大きさなサイズのボトルを下げて歩いている姿をよく目にします。それだけ機能性に優れているという証拠ですね。
その他のカラーやデザインの ハイドロフラスク32オンスボトルはこちらから探すことができます。
クーラーボックスに氷を用意しておく
氷はとても重宝します。飲み物の冷却やコンビニ袋に入れて口を縛れば氷嚢(ひょうのう)代わりにもなります。溶けた氷水にタオルを浸けておしぼりのようにしても良いです。応急処置の部分にあったように、頭、首筋、脇の下、太ももの付け根などに氷の入った氷のうを押し当てるだけでも体は少し楽になり涼しくなります。
その他熱中症対策グッズを活用する
最近は熱中症対策のグッズが沢山売っています。以下に幾つかご紹介しておきます。
いろいろあるもんですね。
その他にも熱中症対策グッズの一括検索の結果 もリンクを張っておきましたので、是非ご参考にしてみてください。
最後に…
真夏の猛暑日は今や殺人的な暑さです。どれだけ対策したからと言っても無理は禁物です。やはり、早起きして比較的涼しい早朝に出港するとか、夕暮れ時に軽くデイセールするとか、いろいろな工夫は当然のことながら必要になります。
しかし、こういう準備は十分に行ったうえで時間帯に工夫をすれば、安心してヨットを楽しむことができるのではないでしょうか。
タグ : HydroFlask, セイリング, セーリングクルーザー, ハイドロフラスク, ヨット, ヨットが好きな人とつながりたい, ヨットのある暮らし, ヨットの楽しみ方, ヨットを楽しむ, 熱中症, 熱中症対策, 熱中症対策グッズ, 猛暑, 真夏, 真夏のセーリング, 真空断熱ストローボトル