MALU号を手に入れて、瀬戸内海から回航してきてからの暫くは、船の掃除と整理に明け暮れる毎日でした。毎週、静岡にあるマリーナまで通い、セーリングした後は整理と掃除というのを半年近くの間繰り返したような記憶があります。
2つあるコックピットロッカー中に入り、木製の間仕切りパネルのネジを全て外し、普段は見えない部分がどうなっているのかを見ておきたいと思い、掃除しながらあちこち開けては手の届くところは全て掃除機でゴミを吸い取り、雑巾がけをして、間仕切りを組み戻すというのを繰り返していました。
お陰で、コックピットの下回りがどうなっているのか、クォーターバースのベッドの下、トイレの中、メインキャビンの床下、長椅子の下、バウバースのベッド下などなど、とにかく船の内側の至る所全部の掃除と内部確認をすることができました。
その頃は抜いても抜いても出るビルジ、徐々にビルジの原因を突き止めるも、次に燃料が混ざり始め、ポンプから海水漏れ…、とにかく次から次へといろんなことが起き、もぐら叩きのような日々でした。
しかし、お陰で短期間にいろいろなことを経験できたこともあり、ヨットのことにそこそこ詳しくなることができました。
まあ、まだまだ知らないこともいっぱいあるので、このブログはヨットの調べ物をしたことを記事しているという側面もありますが…。

そんなヨットライフを送る中、ヨットもある意味では小さな別宅というわけで、夫婦で週末や連休などを過ごせば、結構船内も埃がたつし汚れます。その度に掃除をするわけで、更にキャビン内は滞在時には靴を脱ぐという形にしていても、意外にざらざらしてくるものです。
そこで、最初の頃は、車に積んであったシガーソケットに繫いで使う掃除機で掃除をしていました。しかし、やはりそこは所詮車用、車よりはかなり広いヨットの船内を掃除するには、ちょっと物足りないわけです。

そこで、今回はヨットの掃除に適した掃除機をテーマで、お話をしてみたいと思います。

ヨットにはどんな掃除機が適しているか?

ヨットと言えど、大きさによってかなり船内の状況は異なります。しかし、50フィートくらいまでのヨットであれば、家庭用の大きな掃除機は収納場所も困るし、取り回しも大変ですから、やはり適さないです。
大体最初に思い付くのは、小型掃除機と言うことになり、それも電源のことを考えれば、自動車用のDC12Vで動くものが手頃で良いかなって考えたりします。

しかし、コード付きはコードが届かないところでは使えないので、ヨットの至る所にシガーソケットを準備しておく必要があります。でも、ヨットのバッテリー電源を掃除のために使うなんて、ちょっと気が引けますよね。
そこで、便利なのが最近流行りのコードレスです。
コードレスの車用クリーナーは今や3千円台から買うことが出来るようになっていますから、かなりリーズナブルです。
しかし、車用の掃除機は、車のような極端に狭い場所では使い易くて良いのですが、ヨットのキャビンのような平らな床やバースのような広い面を掃除するのはとても苦手です。
そこで、考え付いたのが、電動工具と同じバッテリーを使うことが出来る掃除機です。…と言うのも、電動工具メーカーが作るクリーナーは現場の小清掃用にデザインされているので、ちょっとした掃除、まさにヨット内の掃除には向いているように思うのです。

電動工具メーカーの掃除機

電動工具メーカーの掃除機の良いところは、同じバッテリーで電動工具も使うことができるということです。頻繁にヨットで電動工具を使うと言うことは無いかもしれませんが、あると重宝するのが電動工具です。現場の小清掃用なので、そこそこ吸引力もあり、床面のような平らな広い場所も掃除できます。

電動工具メーカーのコードレスクリーナーで断トツ売れているのが、このマキタのハンディークリーナーです。家庭用として使っている人も実は多いそうです。その最大の理由は、非常に軽くて更にタフ、そしてデザインがシンプルだということも人気の理由だそうです。マキタは世界的にも現在は人気の高いメーカーで海外の職人でマキタを使っている職人は一目置かれるとか…そんな話を聞いたことがあります。
このタイプの良いところは、長い筒を付けて先が広がっているノズルがあることです。これで、床面をサッと掃除できるし、バースの内部も掃除し易い。長い筒を外せば、普通のコードレスハンディークリナーで小回りも効きます。そして、電動工具メーカーの物ですからタフにできていることも良い点です。しかし、問題点もあります。それは集塵パック式なのです。今は家庭用では圧倒的にサイクロン式が人気で、その人気の理由は、ダイソンの宣伝でもあったように、吸引力が落ちないこと、そしてゴミ捨てが簡単、集めたゴミをゴミ箱に捨てるだけです。

…と言うことでサイクロン式あります

電動工具メーカーがここまでやると、もう家庭用掃除機は要らないのではないかと思ってしまいます。

これはボッシュの製品ですが、真正面からサイクロン式を作ってしまいました的な製品です。家庭用サイクロン式掃除機と同じで、バッテリーシステムが電動工具と共通ってわけです。ボッシュの電動工具はファンも多いので売れちゃうわけです。

マキタのサイクロン式は一味違う

マキタのコードレス掃除機はコードレス掃除機のジャンルでダイソンに次いで第2位の売上があるそうです。そんなマキタのサイクロン式はアプローチが全く異なります。こういうやり方があったか…って他メーカーも驚きの「アタッチメント式」です。

既存の集塵パック式掃除機を持っていても、このアタッチメントを使うとサイクロン式掃除機変身、アタッチメントのカップの中にゴミがたまるという仕組みです。このアイデアは気付かなかったですね。
あまりにマキタのコードレス掃除機が売れているので、サイクロンアタッチメントがアフターメーカーから発売されるという凄さです。
こちらは、サイクロンアタッチメント付きの最上位機種だそうです。人気があるから、こういう製品作れちゃうわけですね。
こちらは、ノズルオプションが全部盛りのフルセットバージョンです。勿論、ノズルのオプションだけでも売っています。
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コードレス掃除機の王者「ダイソン」

掃除機と言えば、今や家電メーカー品よりも「ダイソン」と言う方がメジャーになった感があります。高いのに最も売れているコードレス掃除機です。今やダイソンのコードレス掃除機はバージョン11と進化して、ざまざまなこれまでの不満点をバージョンが上がるごとに改善し続けてきている会社です。

ダイソン サイクロン式スティッククリーナー充電式 パワーブラシタイプパープル/アイアン/ニッケル【掃除機】dyson omni-glide SV19OF
Dyson(ダイソン)
ダイソンは家庭用掃除機だからと言って、家庭用電源が無いと充電できないなんてことはありません。
シガーソケット対応の充電器が準備されているので、陸電が無くてもヨットにシガーソケットがあれば、ヨット内でも充電は可能です。
ダイソンは、最新型はかなりお高めですが、旧バージョンの製品であれば、結構お安く手に入れることもできます。
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ノーブランド品
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Dyson コードレス クリーナー V8 Fluffy Extra SV10 TI
Dyson(ダイソン)
ダイソンを購入するときに1つ気を付けるべきポイントがあります。それは回転式のヘッドノズルですが、Fluffy と書かれている機種がありますが、これは海外向けの幅広ノズルになっています。日本仕様のものはスリムとかSLMと書かれていて、ヘッドノズルの幅が狭いのです。ヨットに使うにはスリムヘッドが付いているタイプの方が圧倒的に使い勝手が良い筈ですので、これからダイソンのコードレス掃除機をヨット用に購入しようなんて場合には、スリムヘッドを選ばれた方が良いと思います。

最後に… 我家の場合は「ダイソン払い下げ」

MALU号の場合には、車用のハンディー掃除機を掃除のたびに車から持ってきて最初の頃は掃除していました。しかし、床などの掃除は、自動車用のハンディー掃除機はなかなかやりにくく、たまたまネット通販で見つけた小型の万能掃除機(水も吸い込むことが出来る)というものを購入して暫く使っていました。しかし、この掃除機、物凄く安かったのですが、排気が物凄くて埃が舞うのと、普通のコード式の掃除機だったので、やっぱり掃除をする前の準備がいちいち面倒でゴミは簡単に捨てられるのですがフィルターを洗わないといけないという面倒さ…、ついに今年の上架メンテナンスの時に家のダイソン(コードレス掃除機)をヨットに払い下げることにしました。家用の掃除機はと言うと、V10にバージョンアップです。今年、V11が発売とあって前モデルのV10がフル装備で超破の叩き売り、某有名テレビ通販会社で一大特価セールの時についつい買ってしまいました。よくよく考えると、ヨットに払い下げたやつも以前に同じようにキャンペーンで買ったフル装備の超特価品。使い始めて5年は経っていますが、まだまだ現役ですのでヨットで活躍してもらうことにしました。
狭いヨットの中の掃除ですが、ゴミを逃がさず出る空気は綺麗、そしてゴミ出しも簡単なダイソンは、やっぱりヨットの中でも便利です。ちょっとした掃除も億劫がらずにできてしまうのが、ダイソンのいいところですね。

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“ヨットの掃除に便利な掃除機” への1件のコメント

  1. 海外のヨットブログやビデオでも船内の掃除の話は見た記憶ないのでとても勉強になります!

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