MALU号を手に入れて最初にやろうと思った改変作業が灯具(灯火類も含む)の全LED化でした。何せMALU号は30年以上前のデザインのヨットということで、バッテリーはメインのエンジン用とハウス用の其々1本ずつしか積んでいないし、漁船のような大型バッテリーを積んでいるわけでもないので、とにかく省電力仕様、つまりバッテリー温存仕様にしたいと考えたわけです。しかし、当時はまだ12Vのヨット用のLED照明と言うと、海外物で1個1万円以上するなんていう、馬鹿げた値段でしか売っておらず、方々を探してキャンピングカー用で安くで出回っているLED照明器具を探してMALU号に取り付けました。しかし、それから3年が経過して、今では器具類の値段もかなり下がってこなれた値段の物が出回り始めています。その安くなった背景にはキャンピングカーブームと家電のLED化がかなり進み、LEDの利用が急速に拡大したことで、コストが急激に下がっているからです。

そこで今回は、ヨットの灯具を全てLEDに交換すると題して、お話をしてみたいと思います。

ヨットの灯具にはどういう物があるか

灯具とは建築用語で照明器具のことを指すのですが、今回ここでは、光を出すもの全てという意味合いで「灯具」という言葉を使っています。
さて、ヨットにはいろいろな灯具が使われていますが、どんな灯具があるかと言うと、先ずは航行面では「航海灯」(船灯)です。先ず、船首バウパルピットに「両色灯」が付いています。これは、ヨットによっては「右舷灯」「左舷灯」に分かれて設置されている物もあると思います。次に「マスト灯(全周灯)」、船尾には「船尾灯」が付いています。
次に、マストやバウデッキでの作業用に「バウライト」や「スプレッダーライト」が付いているヨットがあります。
次にキャビン内ですが、キャビン内用の照明器具として「キャビンライト」、トイレ、バウバース、クォーターバースにも「キャビンライト」が其々付いています。また、ギャレーには家のキッチンに付いているような手元を照らす「手元灯」、トイレにも手洗いのところに「手元灯」、チャートテーブルにもテーブルトップを照らす「テーブルライト」などが付いています。
細々したところでは、ストレージにも「ルームランプ」やクローゼット内部にも「クローゼット灯」など、結構たくさんの灯具がヨットには付いています。

LEDに交換するメリット

既に家庭用の照明器具でも多く使われるようになったLED照明ですが、LEDには多くの利点があります。

1. 光源が長寿命(4~6万時間)
2. 視認性が良く室内外を問わず利用できる
3. 消費電力が少ない(従来の10W球の明るさだと消費電力は約1W程度)
4. 紫外線の放出が無い(虫が集まるのを防ぐことができる)
5. 赤外線の放出が極めて微量
6. 直流電流を使用するため「チラつき」がないので目に優しい
7. 点灯消灯を繰り返しても寿命には影響がない
8. 極寒地でも点灯できる
9. 点灯中の発熱が殆ど無い
10. 器具の小型化が容易で照明器具として自由な設計が可能

航海灯(船灯)はLED球への球替えでは船検を通せない

「マスト灯」「両色灯」「右舷灯」「左舷灯」「全周灯」「船尾灯」などの法定備品については、既についているハロゲン式灯火類の電球だけをLED球に交換するという形では船検を通すことができません。LED化するときには国交省(JCI)の認定品を本体ごと交換するしか方法はありません。

小型船舶用船灯
これは、既存のハロゲン球をLED球に差し替えるだけでは、明るさ(光の到達範囲)が変わってしまうからです。尚、ハロゲン式の航海灯は2013年でメーカーの製造は終了しており、以降新しく製造されているものは全てLEDに変更されています。

オススメの汎用キャビンライト

このレールランプは、本体部分が回転するので、照らしたい方向に向きを変えることが出来ます。天井面だけでなく壁面にも取付できるので、幅広い用途に使用できます。
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バウバースやクォーターバースなどのルームランプとして適しています。このランプも天井面だけでなく、壁面への取付も出来ます。また、電球色のため、落ち着いた雰囲気を出すことができます。
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メインキャビン用の照明として利用できます。複数取り付けた時、器具側のスイッチで点減が可能なので、非常に便利です。
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ベッドサイドやチャートテーブルなどに読書灯などの用途で利用できます。

灯具の取付接続方法

ヨットの灯具LED化による交換は、基本的に既存で付いているものを交換する方法で取付交換することをオススメします。
その際には、以前の器具を取り外し、配線はそのまま使用します。その際には、船側の配線を出来るだけ長く残してから前の器具を切断してください。
新しい器具との結線については、防水形圧着スリーブ使うと結線が簡単で確実に接続部を防水処理することができるので、ヨットの船内での湿気などの心配が無くなります。

防水型圧着スリーブ

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電工ペンチは1本持っておくと、とても重宝します。圧着スリーブの圧着や配線の被覆を外す作業など、電工ペンチ1本あれば、綺麗に素早く作業ができます。
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ガス式のヒートガンは電源が無い場所でも作業ができるので便利です。半田ゴテとしても使えるタイプの物なら、ちょっとした作業にも重宝します。
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熱圧縮チューブは、配線の防水処理やロープエンドのウィッピングにも使うことができる便利グッズです。

最後に… バッテリー上がりを防ぐ

ヨットでの電気の使用量はとても多くなっており、バッテリー上がりは、とても気になる問題です。そんな時に灯具のLED化は手軽にできる対策となります。また、LEDライトは虫の寄り付くのを防ぐことができるので、虫よけや蚊取りと共にLEDライトを使用することで虫の侵入を効果的に防ぐことができます。
しかし、唯一の難点として、今風の白い光はヨットのキャビン内を明るく照らすのですが、雰囲気が無くなってしまうので、シーンに応じては電池式などの電球色のランタンなどを使い分けることで、落ち着いた雰囲気を楽しむこともできるので、是非いろいろと工夫をして楽しんでみては如何でしょうか。

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“ヨットの灯具を全てLEDに交換する” への2件のフィードバック

  1. KATCHIIさん、コメントありがとうございます。ご近所ですね。気軽にお声がけください。 MALU

  2. 初めまして。私、MALUさんと同じマリーナに船を係留している者です。ヨット経験は、同じくらいの6年ほどです。以前は、YAMAHAの25ft艇に乗っていたのですが、今年の8月にbenetou317に乗り換えました。YouTubeで何度かMALUさんの記事目にしてて、うちのマリーナに似てるなと思ってました。最近バース移ったので気がつきませんでしたが、すぐ近くに留められていること、昨日気付きました。
    船名KATCHⅡ(キャッチⅡ)です。係留場所は、MALUさんより出入り口寄りです。
    よろしくお願いします。

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