世界一過酷で孤独な世界一周ヨットレースと言われる”Vendee Globe 2020-2021″ に参加を表明している白石康次郎さんですが、世界的な新型コロナウイルス感染症の広がりをうけ、特に欧米の感染拡大が止まらない中、彼は今どうしているというヨットファンやマスコミなどからの問い合わせが多数あったことを受け、4月20日に彼のホームページにおいて現在の状況など報告するコメントを発表しました。
今回は、この白石康次郎さんのコメントをもとに “Vendee Globe 2020-2021” 関連の現在の状況等をお知らせしたいと思います。
白石康次郎さんの現在の状況
DMG森精機のセーリングチームとして”Vendee Globe 2020-2021″への参戦を表明している白石さんは、昨年の9月にレース参戦用の最新型の新艇が進水し、フランスやポルトガル海域で同艇のシェイクダウンやトレーニングを進めてきました。
日本の海では未だ港を閉鎖するなどの措置はとられていませんが、白石さんがトレーニング地としていた、ポルトガル(カスカイス)やフランス(ロリアン)は共に港が閉鎖となり、更にフランスは外出禁止措置がとられていることもあり、セーリングができない状況となったことから、白石さんは現在、帰国して一人でトレーニングをされているそうです。
予選レースへの参加はどうなる?
白石さんの場合、前回の”Vendee Globe 2016-2017″を残念ながらトラブルによりリタイアしていることから”Vendee Globe 2020-2021″への参加要件を未だクリアできていないことがあります。要件である「5つのレースうちの1つを完走する」(5つのレースの詳細についてはこちらで説明しています。)条件をクリアするために、大西洋を横断する2つのレースへの参加が予定されていましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、今年の5月10日から開催予定だった”The Transat 2020”は開催延期等が発表され、6月16日から開催予定の”NewYork-Vandee Les Sables d’Olonne 2020″ も延期を表明しています。
Vendee Globe 2020-2021 の開催は?
4月16日のVendee Globe 2020-2021 プレスリリースによると、4月13日に行われたフランス・マクロン大統領の演説で、7月半ばから回復傾向になるとの見通しを示唆したことをうけ、11月8日スタートを目標に準備を継続するとの発表がありました。
また、上でも触れましたが、参加資格要件となる予選レースについて、IMOCAは11月8日のスタートに向けて、どのように設定するかの検討を進めているようです。
最後に… “Stay Home”で1人1人が戦おう!
白石康次郎さんが挑戦する”Vendee Globe”は、究極の孤独と恐怖と戦うヨットレースと言っても過言ではありません。海に囲まれ苦難な状況の中でも彼は孤独を感じたことは無いと言います。それは、「夢があり、希望があり、仲間で作り上げた愛艇があり、良きライバルがいて、そして港には愛する家族や仲間が待っている。だから孤独など感じることはできない。燃えている!」と彼は言います。
今の状況は、私たちにとって、未だかつて経験したことの無い、とても不思議でそして自由が制限され、何となく窮屈な状況であると思います。医療等の最前線の現場に居る人やその関係者、また生活インフラを支えいて頂いている方々以外は、未だあまり強い危機感も持っておらず、とても不思議などうしたら良いか解らない状態であるとも思います。しかし、家で独り孤独に打ち勝つということでは無く、元の自由な状態を取り戻すために、それは仲間とセーリングをしたり、酒を酌み交わしたり、家族と楽しむためには、今、孤独と戦う必要がある、白石さん流の言葉を借りれば、燃えて立ち向かわなければならない時期なのです。
世界中のトップセイラーが陸に上がり、この危機を乗り越えようとしてしている今、私たち一般のヨットマンもソーシャルディスタンスを意識し“Stay Home”で1人1人がこの感染症と戦い、少しでも早く元の自由な生活を取り戻せるようにしたいものです。
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