ヨットに乗り始めて、今でも度忘れして名前がなかなか出てこなかったりする物の第1位が、ヨットの上に付けている日除けや風除けのテントです。ヨットではこれらの物をテントって言わないんですね。ヨットに乗り始めた頃にも、オーナーが「今日は〇〇〇〇着けて走るか…」なんて具合に何気なく言うのですが、なかなか覚えることができませんでした。…と言うのも、一度付けたらなかなか外すことは無いし、外すと今度はなかなか着けなかったり… 付け外しの頻度が少ないから、その名称をなかなか覚えられないってわけです。おそらく、最初から自分のヨットなら、真剣にいろいろと調べるんでしょうけれど、人のヨットに乗っているうちは、なかなか覚えられないものなんですが、今日は着けた方がいいのになぁって思いながらも、用語が出てこないから言わないなんてこともクルー時代にはあったりしました。

ファブリック類
…ということで、今回はヨットのコックピットに着けるテントについてまとめてみたいと思います。

コックピットの前に着ける「ドジャー」”dodger”

ヨットのデッキ上に着けるテントのような物の代表格は「ドジャー」です。
コックピットの前に取り付けるますが、自動車で言えばフロントガラスって感じです。ドジャーは、風に対して上りでセーリングするときに向かい風を防ぎ、同時に波しぶきなどで濡れるのを防ぐことができます。また、キャビンに下りるスライドハッチ上に被るように着くので、出入口の屋根代わりにもなり、雨や波しぶきなどがキャビンに入るのを防ぎます。
ドジャーは製作するメーカーなどで呼び方が異なったりします。「キャノピー」”canopy”とか「スプレー・フード」”spray hood” と言ったりする場合もあります。
基本的には布製ですが、FRPやアルミなどで造った物はハードドジャー”hard dodger”と言います。

ドジャー”dodger”は、身をかわす”dodge”(小学生の時によくやったドッジボール”dodge ball”のドッジです)の名詞形という感じで、「身をかわすもの」という意味から来た用語です。

ハードドジャー

コックピットの上に着ける「ビミニトップ」”bimini top”

ドジャーが自動車のフロントガラスなら、ビミニトップは自動車の天井部分にあたり、主に日除けとして使います。夏場のセーリングでは、ビミニトップが無いと陽にあたったままの操船では日焼けして干からびてしまします。そこで日陰を作るための物が、ビミニトップです。
ビミニトップも他の呼び方として「オーニング」”awning”と言う場合もあります。

ビミニトップ”bimini top”のビミニ”bimini”は、バハマの南にある諸島の名前で、暑いビミニ諸島へマイアミから渡るには日除け無しでは行けないことから、ビニミに行くための日除けってことから、このように呼ばれるようになったようです。

ドジャーとビミニトップ

コックピットを囲うテント「エンクロージャー」”enclosure”

日本でエンクロージャーを着けているヨットは珍しいですが、欧米のロングクルーズするヨットにはコックピットを部屋のようにしてしまいたいという意図で、コックピット全体を囲うエンクロージャーを着けているヨットをよく見ます。

エンクロージャー”enclosure”は日本語では「囲い」という意味で、まさにコックピットを囲う壁のような機能をします。ビミニトップが日除けの天井だけで、エンクロージャーは、ドジャーと連結してコックピット部分全体を覆うことができることから、風や波しぶきだけでなく、雨を防ぐことが出来るので、ロングクルーズには最適のコックピットテントです。

エンクロージャー

最後に… 「レイニーフライ」なんていうのもあります

ヨットのコックピットに着けるテントは、ドジャー、ビミニトップ、エンクロージャーの基本的に3つですが、新し目のヨットはトラベラーがドジャーの前に付いていることから、ドジャーからビミニトップのように直接布が伸びて日除けになっている物もあります。

レイニーフライ

こういう形のものをレイニーフライというそうです。レイニーフライというと、キャンプ用のテントの雨用のカバーのことを指すので、おそらくビミニトップだとドジャーとの間が空いているので、この空間が無く雨に濡れないよってことで、レイニーフライと名付けているんでしょうね。

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