「コロナ禍」って言葉が最近ニュースやSNSなどでよく使われているのを見ますが、これなんて読むんだろうと思いながら、まあ新型コロナウイルス関連の話なんだと適当に読み飛ばしていたのですが。さすがに頻繁に目にするようになると、読み方解らない、その本当の意味も解らないでは、ちょっと良くないなって思い立ち調べてみました… グーグルで(笑)
これ、「コロナ」って読むんですね。「禍」の漢字の意味は、「災難」とか「よろこばしくない事柄」という意味だそうで、そう… なんて一人でダジャレを言いながら、「新型コロナウイルス感染症の対策が…」って言うのを「コロナ禍の対策…」って短縮して表現できることから、この言葉が頻繁に使われるようになったようですね。今までにこういう用法で他の災害などの時に使われたのを見たことが無かったので、なるほどですね。

…と、そんな話がしたかったわけでは無くて… 毎朝このブログで今日は何を書こうかと考えながらスマホを見ていたら、ニュースサイトで目についたので、この話からスタートしてしまったわけですが、世界のニュースに目を向けてみると、このコロナ禍の関連ニュースに埋もれてしまっている中にヨット界のニュースがありました。それもつい最近の話です。

今年(2020年)2月20日のオーストラリアはゴールドコースト発のニュースで、”Bill Hatfield becomes oldest man to sail around the world solo, non-stop and unassisted”という見出しが目に留まりました。ここで最も気になるのが、”oldest man” の部分。えっ?何歳?ってまず最初に思ったわけです。何せ、単独世界一周記録保持者は77歳で世界を通算8周もした日本のヨット界の鉄人、酒呑童子の斉藤実さんがいるだけに、気になってしまうわけです。しかし、ついに斉藤さんの記録更新者が現れてしまいました。

…と言うことで、今回は、このオーストラリアのビル・ハットフィールドさんのニュースについて追いかけてみたいと思います。

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酒呑童子/斉藤実さんの記録破られる!

ヨットによる単独世界一周記録と言うと、地球を通算8周もした酒呑童子の斉藤 実さんが世界的にもヨット界では有名で、当時世界最高齢の77歳で単独世界一周(西回り)記録を持っていたのですが、その記録に迫る記録を、昨年9月に英国人女性のJeanne Socratesさんは、やはり77歳で単独無寄港の世界一周(東回り)したことで、世界中のメディアが彼女を取り上げました。しかし、それから半年も経たない今年(2020年)2月、今度は単独世界一周、それも斉藤さんと同じ西回り、それに更に加えて無寄港で、なんと驚きの81歳の世界最高齢、更にこの西回り単独世界一周記録には世界最速というオマケまで付いた記録が出てしまいました。更に凄いスーパーおじいちゃんの登場です!

Bill Hatfield becomes oldest man to sail around the world solo, non-stop and unassisted

単独無寄港西回り世界一周最速記録

WSSRC (World Sailing Speed Record Council) の記録によると、Bill Hatfieldさんは、“L’Eau Commotion”号、Northshore38の モノハル艇で。2019年6月8日にオーストラリアのゴールドコーストを出発し、2020年2月22日に世界一周を終えました。その時間は258日22時間24分9秒、総航海距離 21600マイル、平均速度 3.48ノットで世界を西回りにセーリングしました。この記録は、WSSRCの“Around the World Westabout. Singlehanded 40ft”のカテゴリーでワールドレコードとして3月11日に認定されました。WSSRCの認定記録ということは、ギネス記録にもなったということですね。尚、WSSRCの記録はスピードに対してだけが認定記録となっています。

WSSR Newsletter No 317

4度目の正直で単独無寄港世界一周を成し遂げる

Bill Hatfieldさんは、バンダバーグ出身の元漁師で、7歳のときからこの目標を達成することを夢見て、過去に3度この記録に挑戦しました。1度目のときは”Mottle33″というヨットで挑戦し、ホーン岬の南で船が損傷しチャレンジを断念。2度目は”Northshore38″というヨットで挑戦しますが、リグに問題が発生し修理が必要になったことから西オーストラリア州でチャレンジを早々と中止。そして3度目には、”Northshore38″の“L’eau Commotion”号で西回りの単独世界一周を果たしたものの、荒天によりソーラー発電、風力発電を失いステアリングワイヤーも切れてしまうというトラブルで仕方なく修理のためにフォークランド島のスタンリーに一度だけ寄港し、スタートから414日後にゴールドコーストに戻り西回り単独世界一周を成し遂げました。この時でも彼の年齢は79歳と世界最高齢での世界一周記録でしたが、彼は無寄港による世界一周を達成するために再び2019年に旅立つことを決意し、今回は完全な単独無寄港西回り世界一周を81歳で達成しました。

77歳で単独世界一周無寄港を達成した女性もいます

2019年9月7日にイギリス人女性のJeanne Socratesさんは、320日掛けて単独無寄港で世界一周を77歳の年齢で達成しています。
彼女は2013年にシングルハンドの無寄港世界一周を女性として最高齢で達成した記録を既に持っていますが、酒呑童子の斉藤実さんの77歳という最高齢記録を破るため、2017年10月に旅立つ予定で準備を進めていたところ、ヨットをメンテナンス中に梯子から落ち首を痛め肋骨を折るなどの重傷を負い、挑戦を延期していました。
彼女は斉藤実さんと同じように、 Cruising Club of America’sのブルーウォーターメダルを受賞しており、数々のシングルハンドによるクルーズ歴や受賞歴などもあるスーパーヨットウーマンです。彼女の77歳での記録達成に、世界中のニュースメディアがこの偉業を紹介しました。

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最後に… 西回りと東回りの違い

81歳のビルさんは世界一周を西回りで行いました。この西回りと東回りで何が違うのでしょうか?それは、以前のこのブログの記事で、クリッパールートというのをご紹介したかと思いますが、パナマ、スエズの両運河が無かった時代、大西洋から太平洋側に出るためには、大西洋を南下して南極海周辺に吹く偏西風を使って東回りに帆走するのが最も速いルートだったのです。つまり、安定した偏西風を後ろから受けて帆走した方が容易なわけですが、これを西回りに帆走するということは、風上に向かってセーリングをしなくてはならないため、非常にハードな航海になってしまうわけです。また、南大西洋から南米大陸南端のホーン岬を回るのは、クリッパールートの中でも最後の最難関とも言われ、最も海が荒れる可能性が高いホーン岬を上りの風で進んでゆかなければならないということを考えると、そのハードさは波大抵は無いのです。
酒呑童子の斉藤さんと、今回のビルさんは、この最もハードな航海と言われるルートを西回りに世界一周した二人は、ホント、鉄人スーパーおじいちゃん’sってわけです。

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