我家のMALU号はクォーターバースの僕たち夫婦が寝ているベッドの下に140リットルの燃料タンクが搭載されていて、更に前のオーナーさんが予備燃料用の1本18リットル入る燃料容器を4本積んでいたので、そのまま使用しています。予備の燃料容器は元々はプロパンガスのボンベが2本載せられるようになっていたガス庫にすっぽり収まっています。この燃料タンクと予備燃料容器の合計で満タンだと212リットル(実際には燃料を一杯一杯にすることは無いので実質200リットルかな?)を積み込むことができます。さて、この212リットルの燃料でどれだけの航続距離を走ることができるのかというと、それは風や潮の状況次第ということにはなりますが、かなりの距離を移動することが出来るのは確かです。

我家の場合、セーリングが出来るのは主に週末ということで、年間52週間のうち半分くらいの週末はヨットに乗りに行きたいというように考えていて、主に週末の2日間でデイセーリングを2回するというのパターンが普段のセーリングスタイルです。遠出も普段は殆どしないので、行って清水港の対岸の西伊豆という感じです。ですから、エンジンを動かすのは、清水港の奥深くにあるマリーナから港の出入口までの間がメインで、その他には風が弱かったり、風が落ちてしまったとき、そして日が落ちてきて暗くなる前に港に入りたいなんて時には時間を計算してエンジンを掛けてスピードアップするという感じなので、燃料を給油するのは3ヶ月に一度くらい、それも100リットル以上を一気に給油したことはこれまで一度もありません。まあ、多くて予備燃料プラスアルファーと言った感じで、予備の燃料容器4本とメインタンクには20リットルも追加で入れる程度がです。

…と言うことで、今回はヨットのディーゼルエンジンと燃料消費量をテーマに書いてみたいと思います。

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ヨットのエンジンはディーゼルが主流

小型のパワーボートや陸の乗用車などは、圧倒的にガソリンエンジンが多い中、ヨット(セーリングクルーザー)においては、その殆どが小型のディーゼルエンジンを搭載しています。自動車などに詳しい方なら、ディーゼルエンジンの方が燃費性能が高いことはご存知だと思いますが、燃費性能だけでなくヨットが小型ディーゼルエンジンを積んでいるのには他にも理由があります。
ディーゼルエンジン

ヨットのディーゼルエンジンは小さく力持ち

パワーボートは速く走るために水面を滑るように走らせます。(これをプレーニングと言います。)船体をプレーニングさせるためには、高出力高回転でプロペラを回して速度を上げる必要があります。それに対して、ヨットはセーリングをするためには重たく低い重心が必要になることから、そんな船体をプレーニングさせるためには巨大で超強力なエンジンが必要になります。しかし、それでは船体の中はエンジンと燃料だけになってしまい、ヨットが必要な生活スペースや設備を積むことができなくなり、それでは本末転倒です。ですから、ヨットの場合には速さよりもクルージング性能を優先すると、小さなエンジンでも実用的最低限のスピードでどっぷり水に浸かった船体をしっかりと水を切って走らせるためには低回転でも粘り強いトルクのあるエンジンの方が適しているわけです。それがヨットに搭載されている小型ディーゼルエンジンだというわけです。

高回転は苦手なヨット用小型ディーゼル

ヨットに積まれている小型ディーゼルエンジンの特徴は、低回転でハイトルクです。ディーゼルエンジンでも高回転高出力な物も実際にはありますが、ヨットにはあえて低回転ハイトルクなタイプを搭載しています。これは、高回転高出力にするためには、エンジンの構造が複雑になってしまいコンパクトさが犠牲になってしまうからです。高回転域では燃料が爆発するときに発生する熱以外に摩擦熱などに対しても十分な対策が必要になってくるからです。
ヨットのエンジンは低回転ハイトルクなタイプのエンジンですから、常用域での回転は最高回転数の8割程度が最も出力が安定し燃料消費と出力のバランスが良くなるようにデザインされています。つまり、必死の全力状態で動かすより、余裕のある状態でゆったり動かした方が機嫌よく長時間安定して働いてくれるエンジンだということです。

ヨットのエンジンは構造がシンプル

ヨットのディーゼルエンジンの特徴は、構造が非常にシンプルなことです。ガソリンエンジンに比べて部品点数が少なく、部品は全て頑丈です。つまり、繊細さよりも武骨でしっかりしたエンジンということです。これは、メンテナンス性にも反映していて、普段は機械的には何処もメンテナンスする必要はありません。吸気と冷却と潤滑だけをしっかり守ってやれば良いだけです。ヨットの場合、吸気は自然吸気ですので、綺麗な空気を抵抗なく送り込んでやることです。そして、冷却は水冷式ですので、しっかり必要量の海水を送り込んでやる必要があります。間接冷却式の場合には、クーラントも過不足無いように常に適正量を準備します。更に、潤滑はオイルの状態を常々監視して、マメな交換をすることです。オイルは潤滑だけでなく冷却機能も兼ねていますので、オイル粘土が変わるということは、潤滑が悪くなるだけでなく冷却効率も下がるということです。
エンジン自体は始動時以外は電気を使うことがありません。エンジンに付いている補器類は、吸排気系統、冷却系統、燃料系統だけで、とてもシンプルにできています。素人でも分解整備はできるように考えられています。ガソリンエンジンのようなワケのわからないエンジントラブルはヨットのディーゼルエンジンではありません。ガソリンエンジンのワケの解らないトラブルの殆どは電気が絡んでくるからです。
ヨットのディーゼルエンジンの大抵のエンジン不調の原因は、無理な運転、過度な消耗によるもので、無理ない運転と定期的に適切なメンテナンスを心掛けて使用すれば普段のトラブルは殆ど出ないエンジンです。

ヨットのエンジンは単気筒から3気筒が主流

ヨットの小型ディーゼルエンジンの主流は、単気筒から3気筒のエンジンが主流です。(気筒とはピストンが上下するシリンダーのことです。)その理由は、上にも書いてきたように構造をできるだけシンプルにしてメンテナンス性を上げるためです。低燃費で出力を維持するために過給機がついている物もありますが、基本的にはコンパクトさと構造のシンプルさは維持されています。
さて、ヨットの燃料消費量は何で左右されるのかと言うと、この気筒数が最も大きいです。
ヨットのエンジンはその船に対して必要最低限度のエンジンを搭載するというのが基本的な考え方ですから、小型のヨットは単気筒、大きくなってくるほど気筒数が増えるというのが基本です。たまに小さなヨットに3気筒のエンジンが付いていたりしますが、これは機走性能を上げたいというオーナーの意向で船に対して大き目のエンジンを積んでいるということです。スペースが許せば、それは有りな話ですね。しかし、水線長の短い小型ヨットに幾ら大きなエンジンを積んでもロスの方が大きくて実際の機走スピードは、その船の水線長に対して出せる速さ以上にはなり難いということがありますので、エンジンの選択は船体とのバランスが非常に大切だと言えます。
※40フィートを超える大型のセーリングクルーザーでは、船体のスペースもかなりの余裕が出てくることから、大型の強力なエンジンを積んでいるヨットもあります。ここでは、20フィート台から30フィート台のヨットにフォーカスして書いています。

ヨットのエンジンの燃費

ヨットのエンジンの燃費について、ズバリそれについて書かれている物は殆どありません。
この理由は、エンジン単体の性能表示は出来ても、ヨットには変動要因が非常に多いことから燃費を売物にしたような記載が見られないのです。この変動要因とは何かというと、いろいろとあります。先ずは、ヨット内部の設備などの違いです。特に、生活設備関係の違いは、大きな変動要因になります。更に、搭載人員数もシングルハンドの時と最大人数の時では大きく異なります。更に、エンジンに対してプロペラの種類によっても異なってきます。そして、最も影響が大きく出るのが、エンジンを稼働させている時の回転数の違いです。
この様々な要因に増して、ヨットの長さや重さなど、船によっての違いも出てきます。そして、走る場所である海の上の状況が道路のように一定ではないわけですから、ヨットの燃費があまり知られていないのは仕方のないことですね。

しかし、ヨットの燃費性能は驚くほど良いです。

ヨットの燃料

ヨットの燃費の大体の目安

これからヨットをやろうという人にとっては、いろいろ面倒な要因があるから一概に言えないんですよ… と言っても、何か目安は欲しいですね。そこで大体の目安をお知らせしておきたいと思います。あくまでも参考値としてです。

【前提条件】
・ヨットの大きさは20フィート台から40フィート前後
・ヨットのエンジンがインボードディーゼルエンジンであること
・エンジンの回転数は2000回転から2500回転で運転した場合

上記の条件でおおよその燃料消費量は、1気筒あたり1時間の消費量は1リットルから1.5リットル程度が大体の目安となります。

つまり、搭載されているインボードエンジンが、1気筒なら、1時間の消費量は多く見て1.5リットル/時間
全速力の3000回転オーバーで運転した場合には、2リットル/時間が大体の目安となります。
2気筒エンジンなら2倍、3気筒エンジンなら3倍、と気筒数を掛ければ大体の目安になると思います。

最後に… 「MALU号での燃料代は?」

この目安については、あくまでも大まかな数字になりますので、実際の数値は満タン状態から何時間エンジンを動かしたかを計測し、その後に燃料を再度入れて、入った量を動かした時間で割れば1時間当たりのその船の燃費は算出できます。
できれば、何回かの航海をしてから計算した方が正しい数値が算出できると思います。

因みに我家のMALU号は3気筒のエンジンで、給油後に入った量をアワーメータで計算した稼働時間で算出すると4.5リットル/時間の程度の数値にいつもなります。
これを仮にちょっと多目にみて1時間あたり5リットル消費と考えても、現在の経由価格(おおよそ120円計算)で600円程度となります。

MALUエンジン
ホームポートの清水港から対岸の西伊豆 戸田港まで全てエンジンを回したままで行ったとして、片道3時間程度ですので、往復で3600円となります。これで朝から1日楽しむことが出来るのですから、なかなかリーズナブルですね。
そして、これで半分から7割くらいエンジンを止めてセーリングしたとすると、燃料代は1000円位だということになります。
セーリングでも平均速度で5ノット、これにエンジンの力を加えて7ノットの機帆走だと、片道3時間掛かるところが2時間くらいで帰って来れますから、燃料代は往復で2000円掛からないなんてことになります。
これが25フィートのパワーボートでも、燃料代は2万円位掛かってしまうのではないかと思います。そう考えると、やっぱりヨットは物凄くエコな乗り物と言うことになりますね。

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