僕たち夫婦がヨットを持とうと最終的に決めたのは購入するほんの間際のことで、船を持とうと決めてから探し始めたわけではありませんでした。と言うのも、予算的な問題や船の好みなどを考えると、実際に自分たちが欲しいかたちの船はどうやっても買えそうには無いなと思っていたのです。決して冷やかしのつもりではなかったのですが売りに出ている船を実際に見にも行ったりもしましたが、僕たちには何かラッキーな出物でもない限りヨットを持つことはできないんだろうなって内心は思っていました。ですから、何となく探していたような、探していないような、そんなどっちつかずの感じでずっとうだうだしていたのです。
しかし、そんなうだうだしている期間があったからこそいろいろなことを学ぶことができました。

今回は、ヨットを実際に探し始める前に知っておいた方がよいことについてお話したいと思います。

ヨットサイズはいろんなことに影響する

ヨットの大きさに関することは、以前に書いた「ヨットの種類~大きさ別の名称とサイズ~」でもご紹介しましたが、いざ自分がヨットを持とうを考え始めると、サイズの違いによって様々な面でメリット&デメリットとなることが出てきます。メリット&デメリットはその人の予算や好みにもよりますので、ご紹介する内容からご判断下さればよいと思います。

ヨットの長さに関すること

ヨットの大きさは長さで表現することが最も一般的です。ヨットメーカーも船の名称の後ろに数字を表記していますが、その数字は殆どの場合ヨットの長さを示しています。例えば、MALU号はミラベル375というプロダクト名のヨットです。375は全長37.5フィートという意味です。
ヨットのスピードや快適性は、船の水線長に比例して高くなります。水線長とは、船が水面で接している部分(水線)の長さを意味しています。

最近のヨットは幅広傾向

同じ長さのヨットでも新しいヨットと古いヨットでは、船体の容積がかなり異なります。これは、昔の設計思想では船体の水に対する抵抗をできるだけ少なくするため船体はスリムなものが主流でしたが、最近の設計はキャビンをできるだけ大きく取れるように船体幅が広いデザインが主流になっています。また、船体の厚み(高さ)も大きくなる傾向にあります。これも幅広と同様の理由からです。
つまり、同じ長さのヨットでも古いヨットは新しい船の1ランクや2ランク下の長さのものと同等の船内空間だということです。

長さと幅は保管コストに直結する

新しいヨットデザインが幅広になってきた影響でヨットハーバーやマリーナによっては、長さだけで決められていた保管料を長さと幅で規定するようになってきました。
横幅が広がると、同じ桟橋に横並びに入るヨットの数が少なくなるため、その分保管料が高くなるわけです。スペース貸しをしているのですから、長さだけでなく幅もスペースを大きく取らざるを得ないのでコスト高になるのは致し方ないことです。
尚、ヨットハーバーやマリーナでの長さには、船検証に記載の全長できめられるところもあれば、実測の場合もあります。この実測長ということになると、バウスプリットがバウから突き出ている場合には、これも長さに含められてしまいます。1フィートあたり幾らという計算で保管料を決めるところでは、数フィート違うのは年間の保管費で考えると大きな違いになります。保管費の計算基準はヨットハーバーやマリーナによって異なるので注意が必要です。

ヨットは新艇時オーダーメイド

ヨットはその総数が自動車に比べて少ないので、中古艇を探す場合にはどれ一つとして同じヨットは殆ど無いと言わざるをえません。その大きな理由は、ヨットは新艇時にはオーダーメイドで造られるからです。オーダーメイドと言っても大きな基本的要素は同じなので、イージーオーダーと言うかセミオーダーといったところでしょうか。自動車でもメーカーオプションやディーラーオプション、またはグレードの違いなどにより、装備や仕様が大きく異なったりしますが、ヨットの場合にも同じような感じです。また、ヨットの場合には基本的には複数人数で操船するのですが、一人で操船するシングルハンド仕様に変更されたヨットも少なくありません。新艇時から追加変更改造されたヨットも多く、実際に中古艇として販売されているヨットはプロダクト名が同じでも、実際の仕様はヨット毎に異なるので、自分の欲しい機能や仕様が付いているのかを細かく確認する必要があります。
大きな違いがあるものとしては、エンジンの大きさ(馬力)、セイルのメーカー・材質・仕様、ウインチの配置や数、計器類有無や稼働状況、バッテリーや電気関係の設備、トイレの仕様、キャビンの配置や設備の有無、スクリューの翼枚数や仕様、などなど挙げればキリがありません。
欲しい機能が無い場合には、購入後に追加することになります。そのヨットに対して欲しい機能が追加可能なのかの確認までする必要があります。幾ら欲しくても、その船では追加できないなんてケースも中にはあったりします。欲しい船の情報はマメに集めて知っておく必要があります。

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中古ヨットの価格相場はあってないようなもの

同じヨットが全く異なる値段で売りに出ているかと思えば、全く同じ値段で出ていたりするものもあります。これは、確たる価格相場が日本の中古ヨットには無いことを示しています。欧米では、船の鑑定を行うサーベイヤーという公式な鑑定資格制度がありますが日本にはこの公式鑑定人制度ありません。つまり、売値はオーナーの意向が大きく反映されています。また、自動車の場合には販売店が一旦は買い取って整備や価値を上げるための作業を行って商品化して販売しますが、ヨットの場合にはこのような形で販売している業者は稀で、殆どが売りたいオーナーと買いたい人を仲介する形を取っています。この場合、基本的には現状渡しが前提条件となります。言い換えれば、余程の好条件でオーナーが売りに出さない限り販売業者も買取はしません。いつ売れるかわからない高額なヨットを在庫販売するほど体力のある業者は日本のヨット業界では少ないと言わざるを得ません、
しかし、だからこそ優良な情報は販売業者が持っているとも言えます。インターネットや雑誌媒体などに売り情報が掲載されていますが、本当に良い情報は表にはなかなか出てこないまま、次のオーナーが決まってしまいます。

売り情報は様々なところから出てくる

売りヨットの情報は、いろんなところから出てきます。ヨット探しを始める場合には、できるだけ多くの情報源をもつべきです。その際にできるだけ多くの業者にも声を掛けておくことになりますが、自分がどういうヨットが欲しいのかきめておくことです。それが無いと相手も本気になって探してはくれません、
主に声を掛けておいたほうが良いのは、やはりヨットの販売業者、マリーナやヨットハーバーなどです。
ヨットの販売業者はネットの中古艇情報サイトに多く出品していますので、先ずは問合せをしてみて、どんな船が幾らくらいで欲しいという話をしておけば、出物があればネット上に掲載される前に紹介してくれます。

最後に ~ラッキーは必ずある~

これは僕たちがヨットをやり始めて気付いたことです。ヨットなんて持てないと何もせずに諦めるのではなく、緩く楽しみながら諦めることなく可能性を追求してゆけば、ラッキーな話はヨットの世界では必ず出てくると感じたのです。

例えば、ヨット専門誌の「KAZI」の「売りたし買いたし・海の告知板」の頁には、「あげます」というヨットを無料で譲渡する情報が出ていたりします。ご高齢でヨットを引退される方が大切に乗ってくれるならタダでいいからそのまま引き取って欲しいという話です。他にも、あるマリーナでは係留費を支払えなくなって船を売りに出している話などもあります。中古艇情報サイトでも、100万円もしないクルーザーがたくさん出ていますし、ネットオークションサイトやフリーマーケットのアプリサイトなどでも安価でヨットが出ていたりします。Facebookのヨット関連の公開グループでも誰か引き取り手を探しているという情報が出たりします。

本当にヨットがやりたくて船が欲しければ行動を起こしすことです。そして、ヨットの世界に足を踏み入れヨットを楽しみながらあれこれやっていれば、必ず自分にとってラッキーな情報にいつか巡り合うことができます。僕たちの場合、それはうだうだの時期だったわけです。

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