僕たち夫婦はヨットを何となく探し始め、何艇ものヨットを実際に見に全国のマリーナやヨットハーバーに出掛けました。自分たちのヨットを探すためではありましたが、小旅行のついでにヨットを見たという感じで、ゆるい感じで見て回っていたので、これもヨットを楽しむ1つとしてやっていたように思います。僕が凝り性と言うか変わり者なので、見るヨットも変わった艇が多く、特に希少艇なんて文言がネットの中古艇の紹介ページに出ていたりすると、とにかく現物が見てみたくて飛んで行ったりしていました。中には「こんな艇は年配の方しか興味持たないのによく見に来たね」なんて言われたりすることもありました。そんな経験を通して、いろいろと業者の方に教えて頂いたりすることも少なくありませんでした。

今回は、ヨット探しを実際に始めたら実践するべきことについてお話をしたいと思います。尚、ここではあくまでも中古艇探しをするという前提でお話を進めます。

自分が興味のあるヨットの情報が出てきたら

先ず最初にやるべきことは、売り手側に電話でコンタクトをとります。最初のコンタクトでは、必ず「今、引き合いはあるのか?」「問い合わせは多いのか?」を確認しましょう。と言うのも、人気のあるヨットだったりすると、やりとりをしている間にヨットが売れてしまうからです。僕も何度もこれで良さそうなヨットを逃しました。この最初の段階で「引き合いがある」とか「問い合わせが多い」と言われたら「直ぐに送ってもらえる資料はありますか?」と聞いてみてください。実は、問い合わせが多い船は既に資料を他の引き合いの相手にも送っている場合が多いのです。この資料とは、ヨット各部を撮影した写真や細かな艤装の詳細に関する内容、メンテナンス歴などです。「まだ作っていない」とか「写真が無い」と言われたら「この船はまだ売りに出た(出した)ばかりですか?」と聞いてみて、答えが「YES」で引き合いが多いなら、電話で詳細を取り急ぎ確認するしかありません。
相手が丁寧に受け答えしてくれるようなら、売り手としては何ら問題無い相手だと言えますが、やたらに「とにかく一度見に来て確認してください」というような対応の場合には、近所で直ぐに見れる場合を除いて「こちらも遠方なので、ある程度のことを知っておきたい」という旨の話をしてみることです。

これは何をしたいのかと言うと、売り買いをするとき相手の人柄を見極めたいのです。当然、相手が個人だったりすると仕事中で電話の長話ができないなどの場合もあるので、そのあたりの配慮は必要ですが、「後でゆっくりお話ししましょう」というように丁寧な受け答えをしてくれる相手なら実際に見に行く価値は充分にあると思います。
また、事前に資料をメールで送ってくれると言う相手も、真剣に売る気があって買い手に協力的だということが判断できますので、実際に見に行く価値があると考えられます。

自分がどんな装備が必要なのかを明確にしておく

売り手と話をするときに、自分の欲しい内容が明確でないと、なにも質問することができません。なので、事前に確認する項目は明確にしておく必要があります。僕の場合には、絶対にこれだけは無いとダメだというものがあったので、先ずは見に行く価値があるのかを確認するためにも、その内容は最初のコンタクトの際に聞くようにしていました。
例えば、「操舵はラットかティラーか?」「メインセイルはファーラーかハリヤードで上げるタイプか?」「ジブセイルはファーラーかどうか?」「計器類は何がついているか?水深計、風向風速計、オートパイロット、GPSなど」「トラベラーは何処についているか?」「ウインドラスの有無?」「バッテリーは何個積みか?」「セイルは何枚あるか?それは何と何か?」「ギャレーの設備は何がついているか?」「トイレは個室か?」「ウインチは何個付いているのか?またその場所は?セルフテーリングか否か?」「ドジャーやオーニングはあるか?」などなど。

以前にも書いたように、ヨットは同じ艇でも装備は艇によって違う場合が非常に多いので、これはあたりまえに装備されているだろうと思い込んでいると、無いという場合が往々にしてあったりします。

欲しい装備が1つ2つ無いからと言って諦めるのは間違い

上でも書きましたが、装備が希望と1つ2つ違うからと言って諦めるのは間違いです。ヨットの殆どは新艇時にオーダーメイドされているので、自分が欲しい装備を全て揃えている艇は殆ど無いと考えた方が正しいのです。ですから、無いものは後で付けるという考え方を持つ必要があります。その予算分、値引き交渉をしてもいいし、交渉の段階でこれが欲しかったと言うような話をしていると、部品として付けずに持っているという場合もあったりします。ですから、少しの違いで、概ね気になることが無いようであれば、一度実際に見に行ってみるべきだと思います。

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写真は実際よりも綺麗に見えるので注意が必要

これはカメラの性能が良くなったからでも、相手が綺麗に画像修正したわけでもありませんが、送られてきた写真は往々にして実際に見た印象よりも綺麗に見えます。写真には小さな傷や細かな色の違い、更に掃除が行き届いてない様子などは、かなりの高精細で撮影されたものを見ない限り、表現されないのです。特にインターネットの発達した今日でも、家の画面で見る写真の方が実際よりもよく見える傾向にあります。ですから、送って来られた写真を見て、過度な期待を持って実際に見に行って、がっかり…という事は少なくないので、その辺を踏まえておくようにしましょう。
また、多くの場合、中古車のように商品化されていない状態で、まだオーナーが使っていたり、船内が片付けられていない状態を見ることが多いので、自動車の中古車とヨットの中古艇を同列線でイメージするのはやめましょう。
僕も何艇も見て回りましたが、船内の余計なものが片付けられていいて空になっている船や掃除が既にされて商品化された艇はたくさん見た中で1艇しかありませんでした。他は、売れるまでオーナーが使い続けるとか、現状の状態で引渡ですと言った具合に、かなり生活感漂う艇も少なくありませんでした。

事故歴、メンテナンスや修理補修歴は必ず聞く

見に行く前に絶対に確認しておく必要があるのが事故歴です。ヨットの場合に多いのは座礁です。ボートに比べてヨットの場合にはバラストキールが船底にぶら下がっているので、ボートのように乗り上げするという事は少ないのですが、浅場でバラストキールを引っ掛けてしまうという事があります。そうすると、バラストキールは船体に大型のボルト止めで付いているので船底に大きな力が掛かり船体の見えない部分にダメージがあったり漏水の原因になったりします。個人売買の際には、往々にして買い手が聞かなかったから言わなかったということにもなりますので、必ず事故歴はハッキリと質問しましょう。良心的な売り手であれば、きちんと説明してくれると思いますし、どのような状況でどのくらいの速度でぶつけたのか、その後にどのような修理を行ったのかなども説明を聞いて判断することです。大きなダメージを受けたにも関わらず大きな修復を行っていない艇であるなら検討から外すべきです。
また、メンテナンスや修理補修歴を聞くことで、艇が大切にされてきたかを測るバロメーターにもなります。特にメンテナンスや修理補修歴をきちんと記録として書き残しているオーナーの船は信用できます。必ず事前に質問しましょう。

また、履歴だけではなく、これからメンテナンスが必要になると思われる箇所、既に不具合がある箇所、補修をやろうと考えていた個所などが無いかも同時に質問しましょう。

売り手に対して配慮は必要でも遠慮は無用

日本人はどうしても交渉事が苦手な傾向にあります。相手が業者なら、割と気楽にいろいろなことを言えるのですが、それが個人売買となると相手が年配だったりするとどうしても遠慮がちになってしまいます。しかし、これは大きな間違いの元となります。遠慮するのではなく配慮が必要なのです。例えば、電話で話をするにしても、今ゆっくり話ができるのかどうかという配慮をすることです。もし、今は時間が無いと言われたら、いつ掛け直せば良いか聞けば良いだけです。また、買い手だからと言ってお客様扱いしてもらおうとするの大きなは間違いです。元々ヨットは非常に趣味性の高い乗り物ですから、オーナーもその艇に対して愛着があります。どんな事情で売りに出したとしても、手塩にかけた娘を嫁に出すような心境ですから、横柄な相手に売りたいとは誰も考えません、やはり、買い手側も丁寧な受け答えや配慮が必要になります。また、これは業者であっても同じことが言えます。ヨット業者の多くは、ヨットが好きでその仕事をやっている人が多い世界です。その人からいろいろな情報を教えて貰おうと思えば、やはり丁寧な受け答えと配慮を忘れず、相手をヨットの先輩である気持ちを忘れずに接するべきです。
逆に、聞きたいことも聞けないというようなことは絶対にあってはならないです。遠慮せずに聞きたいことはハッキリと聞きましょう。あとで聞いて無かったというようなことが無いようにするべきですし、仮に購入した時には、購入後も相談に乗ってもらえるような人間関係を築いておくことがヨットライフを楽しく送るために重要なことでもあります。

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実際に見に行く予定を組むときには

話を聞いてみて、事前の資料も見て気に入った場合には実際に見に行くことになります。見に行く日程を決めるときには、できれば船を出して貰えるかを確認してみると良いと思います。実際に出港して機走状態から帆走状態までを見ることができれば、そこで不具合を見つけることが容易になります。係留状態でエンジンを掛けても、負荷を掛け実際に走らせないと不具合が出ないことが多いのです。一度走らせてもらうことは実はとても重要なことです。また、走らせてもらう事でオーナーがその艇をどのような使い方をしているかも見ることができますし、動かしているときほどいろいろな話をすることもできますので、できれば出港してもらえるかどうかは確認してみましょう。また、船を出すとなると、費用がオーナーに発生する場合もあります。そこは気遣いが必要になりますので、もし費用が掛かるようなら負担するので、どのくらい費用が必要かを申し出るべきです。

また、予定を組む時には、再度、最初の項目に書いた現段階での問い合わせや引き合いの状況も確認しましょう。見に行く段になって売り先が決まってしまうということもありますので、見に行くまでは売るのを待ってもらえるのかなども確認しておくと良いと思います。その代わりに待ってもらうという事は、こちらもかなり真剣に検討をするために見に行くというスタンスが必要です。

最後に

ヨットは乗り物ですので、自動車を買うのと基本的に同じだと考えて良いと思います。しかし、自動車の個人売買はあまり一般的ではないですが、ヨットの場合には自分に合った艇を見つけるためには個人売買まで視野を広げて探す必要があると思います。僕たちの場合には、基本的には個人売買で購入しましたが、艇の登録変更手続き関係や保険の紹介などはプロにお願いをしました。購入先が遠方だったのでプロに入ってもらう事でお互いに面倒な手続きがストレスなくできました。業者をそういう使い方をするということもできます。また、自分で艇を確認するのはちょっと心配だという場合には、これもプロに付き添ってもらうという手もあります。また、遠方で自分では見に行けない場合にも業者に見に行ってもらう事もできますが、やはり先ずは自分の目で見て確認してみる、そのための見る目くらいはある程度持てるように事前に経験を積んでおくことが大切ではないかと思います。

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